ケヤマウツボ
高度1,000m以上の山野を歩く機会は、調査依頼を受けた時くらいとなってしまいました。昨日は、ある目的があって久々に行ってきました。
ケヤマウツボが姿を現していました。落葉広葉樹林に生育する寄生植物です。宿主はブナ科やカバノキ科などの樹木の根とあります。
この植物は野生動物に好まれるようで、生育地が荒らされアルマジロのような地下茎が露出していることがあります。
総状に付く沢山の花の先端には、細長い花柱が姿を現しています。
ハマウツボ科ヤマウツボ属ケヤマウツボ(Lathraea japonica Miq. var. miqueliana (Franch. et Sav.) Ohwi)。地上部に軟毛のないものが母種のヤマウツボですが、静岡県内では稀とあります。以前Ylistでは区別しないとなっていたような記憶もありますが、現在は変種としてケヤマウツボの学名が記載されています。
熟して放出(散布)される時期に、この植物の種子を観察したいと思っていますが、タイミングが合わずまだ実行できておりません。亜高山帯のミヤマハンノキの根に寄生するオニクもそうですが、地表に散布された種子がどのような過程を辿り宿主の根に到達するのか興味があります。特に後者は、周辺に沢山のミヤマハンノキがある場所でも、限られた木の根にだけ寄生しているような印象を持っています。
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