シダ植物

2025年12月24日 (水)

気になっているシダ植物

山野の植物観察をするようになってからも、シダ植物に目を向ける事はそれほど多くありませんでした。でも、植物園の手伝いを切っ掛けに、その生態に興味を持つようになりました。

この日は、数年前に不法投棄監視パトロールで発見した、ナチシダの群落を覗いてみました。ナチシダは伊豆半島方面に多く生育していましたが、温暖化の影響か富士市域でも見られるようになりました(古いリストには掲載されておりません)。

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この群落を見つけたのは、林縁に生えるこの個体に気づいてからでした。

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林内に入ると、線状間伐により日当たりの良くなった場所に群落ができていました。

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ナチシダは比較的大きなシダ植物で、近づくと見応えがあります。

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少し分かりにくいですが、葉裏の縁に胞子がついています。

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近くにコシダ(上)とウラジロ(下)が生えていました。県中部ではこの二種のシダで林床が埋め尽くされている場所をよく見かけますが、この辺りではそれほどでもありません。

パトロールの帰りに、畑の様子を見に寄りました。

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こちらは試験的に植えてあるホソバショリマです。本来常緑のシダですが、県東部においては冬に地上部が枯れます。ナチシダも同様ですが、まだ枯れておりません。この違いは、本来の産地の気温の差だと思われます。

現地の様子からナチシダは胞子繁殖して群落を広げていますが、ホソバショリマは地下茎で群落を広げ胞子発芽で範囲を広げ難いという印象を持っています。

実は、今夏の土壌乾燥により気温が下がる前に古い葉が枯れていました。その後、新芽が伸びて葉を展開してきましたが、胞子の付いた葉が見当たりませんでした。胞子をつけるはずの葉が夏に枯れたせいだと思います。また本来の生育地に比べてずっと気温の低い静岡県東部では胞子ができたとしても発芽能力がある状態まで生育するのは稀なのかもしれません。ホソバショリマが群落をつくるのに、生育地が限定される理由がこの辺りにあると思っています。

2024年9月23日 (月)

ホソバショリマの調査と保護

この場所でホソバショリマを発見したのは、今年6月上旬の事でした。それから約3ヶ月後の9月中旬に様子見に行って来ました。

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ススキやカヤツリグサの仲間が繁茂していたので、大きなものだけ管理者の方に断って鎌で刈り取りました。

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発見当初とかなり違った印象を受けました。若草色でとても奇麗だった葉が変色し始めていました。例年にない暑さのせいか、或いは水不足によるものなのか不明です。

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上の群落の隣にも・・。この場所以外にも、2ヶ所の群落を発見しました。その中には日光を遮る大きな樹木の林床もありました。生育範囲はある程度広いですが、丈が短く掲載した写真の場所のように密集しておりませんでした。定期的な観察を続け、状況によっては移植も視野に入れる必要があると思います。

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この角度から見ただけでは、周辺で沢山見られるヒメシダ属と区別がつきません。

葉身下部を確認すると・・。

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このように、小さな耳状の羽片があります。最初に発見された杉野孝雄先生のお手紙には下部の羽片が縮小する「ニッコウシダ」と思ったがどうも違うようなので、京都大学の田川基二先生に同定をしていただきホソバショリマと判明したとあります。

そして「ホソバショリマは現在でも本州では稀で、東限(科博では北限と表現)自生地なので大切に出来ればと思います。」と締めくくられていました。


杉野先生が本州で最初に発見されたのは、今から70年くらい前になるそうです。このシダ植物は根茎が長く匍匐し群落を形成しますが、生育地がごく限られていて、発見後姿を消してしまった場所もあると聞きました。常緑とされているそうですが、静岡県東部では冬に地上部が枯れます。しかも、他のヒメシダ属に比べて遅く姿を現します。本来の生育地であるとされる熱帯山地林の個体に比べてかなり厳しい環境で生育していることになります。

この希少な植物を保護するためには、この地での生育サイクルを把握することから始める必要があります。同じ地域のあちこちで見つからない事から、胞子による発芽もかなり限定された条件があると考えられます。管理者の方の承諾を得て、観察用に少し生体サンプルをいただき栽培を始めています。地上部の枯れる頃に連絡をいただき、混生するササ刈のお手伝いをすることにしました。

2024年9月13日 (金)

カンガレイとヒルムシロ属

湿地の植物に出会う機会は少なく、いつも興味深く見ています。カンガレイとヒルムシロ属が生えている小さな沼地がありました。

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最近、ピンボケ写真が多く恐縮です。アル中で手が震えているわけではありませんよ。

水面から突き出ている棒状の茎がカンガレイです。茎は丸くなく3稜形です。よく似た種にサンカクイがあります。小穂に短い枝の付く(小穂が茎から少し離れている)のがサンカクイです。

富士山こどもの国「花の谷」に生えているのはカンガレイと教わりましたが、ボランティアで草刈していると、小穂に短い枝のある個体も見受けられました。「花の谷」には両種が生育しています。

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水面を覆うように葉が浮いているのはヒルムシロ属です。ヒルムシロ属は、何種類かあるそうです。小田貫湿原に生育する種は、葉が赤みがかることが多くその特徴からフトヒルムシロ(Potamogeton fryeri A.Benn.)ではないかと思っています。ヒルムシロ属の同定には、沈水葉や果実の形状を確認する必要があるとの事で、現時点では確認できませんのでタイトルはヒルムシロ属(Potamogeton)としました。


昨日は植物園の除草作業をするつもりでしたが、急遽予定を変更して今春発見したシダ植物ホソバショリマの生育地の調査に行きました。そのついでに、鎌でススキなどのイネ科植物やササを刈り取り汗を流してきました。

発見当初は、管理者による冬の草刈でススキやササがあまり伸びておらずホソバショリマの葉が全体を覆いとても奇麗でした。昨日見た状況は、葉が変色し始めて発見時の面影はありませんでした。暖地の植物なので、静岡県東部では冬に地上部が枯れます。その兆候なのか、或いは梅雨時の雨不足や異常な高温による影響なのか分かりませんが・・。

管理者の方と相談して、今後の保護活動をお手伝いすることになりました。植物保護の第一歩は、マメな現地の観察だと思います。杉野孝雄先生が最初に県東部で発見されてから、70年くらいの歳月が経過しています。地下茎で栄養繁殖し群生する種ですが、現在でも生育地は極稀と聞いています。案外環境の変化に弱い種なのかもしれません。

2024年6月30日 (日)

マンネンスギ

研究者の依頼を受けて、ある植物の標本採集に行って来ました。そこにシダ植物のマンネンスギが生えていたので撮ってみました。

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地面を這っているのは、マンネンスギと同属のヒカゲノカズラです。ヒカゲノカズラを最初に見た時は、カイニンソウ(海人草/標準和名はマクリ)を連想しました。幼いころ回虫の駆除薬として飲まされた記憶があります。とても不味かったです。

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この場所はスギ・ヒノキの人工林ですが、初めて出会ったのは富士山の亜高山帯でした。比較的高度の高いところに生育しているようです。少し形態は異なりますが、低山の小川脇などでマンネンスギに似たミズスギに出会うこともあります。

スギのミニ盆栽のようなこのシダ植物を気に入って、見かけるといつも写真を撮って来ましたが、その度、撮るのが難しいと感じています。

植物園の手伝いをするまでは、シダ植物で興味を惹いたのはヒカゲノカズラ科のヒカゲノカズラとマンネンスギくらいでした。

ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属マンネンスギ(Lycopodium dendroideum Michx.)。


植物園の草本エリアに何種類かのシダ植物を植えてあります。シダ植物は簡単に根着く種もあればそうでない種もあり、当初思っていたよりかなり難しいことを知りました。

導入植物は、採集後自宅で鉢植えして根着くのを待ってから、植物園に移植する方式をとっています。理由は、マメな管理ができないため枯れてしまう恐れがあるからです。シダ植物の地上部が枯れてしまい諦めて鉢をひっくり返すと、新しい根が伸びていることがあります。また植えなおして数か月置くと新芽が伸びて来ました。半年~一年と時間をかけて結果の分かる種も多いです。

現在、このマンネンスギを鉢植えして様子を見ています。採集後半年以上経過していて新芽が姿を現していますので、そろそろ移植しようかと思っています。趣味家の人の話では、ヒカゲノカズラ科の栽培は難しいそうです。手間のかかる植物の栽培も、上手くいけば楽しいものです。

2024年6月 7日 (金)

ホソバショリマ再び

昨日は、一般の人が入れない場所の植生調査をさせていただきました。主目的はラン科でしたが、予期せぬ出会いがありました。

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切っ掛けは僅か3本のこの葉でした。「あれっ、下の方に小さな耳状の羽片がある!ホソバショリマじゃないか?」周辺を探しましたが、この一株以外は見つかりませんでした。

付近には、よく似た葉色のシダ植物が繁茂しています。この葉が出芽して間もないと思われる姿だったことも気づく要素となりました。ホソバショリマは常緑ですが、この地域では冬に地上部が枯れます。そして同じく冬に地上部が枯れる他のシダ植物よりも遅れて新葉が伸びて来ます。

いったん車に戻り、長期戦覚悟で再探索を開始しました。

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上の3本の葉の所から数百メートル歩いた場所で、この群落と出会いました。

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ホソバショリマだ!そして周辺を注意深く探索すると・・。

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更に大きな群落がありました。そしてここから離れた他の場所でも2か所の群落を発見しました。

現地はササ刈がされていましたが、地上部の無い冬に刈るため群落は無事でした。管理者の方に現地を見ていただき、群落の保護をお願いしました。

ヒメシダ科ヒメシダ属ホソバショリマ(Thelypteris beddomei (Baker) Ching)。中国名は「長根金星蕨 」・・根の特徴や葉色を上手く表現された命名だと思います。


杉野孝雄先生の静岡県産希少植物図鑑に「東部の富士宮の限られた場所にある。筆者により田貫湖で発見されたのが、本州では最初の記録。静岡県は分布の東源自生地である。」とあります。

また、国立科学博物館つくば実験植物園のWebページに「当園のものは北限産地とされる富士宮市産を一鉢いただいたものが、現地同様に小川の土手に見事な群落が再現されました。」とあります。

ホソバショリマの群落を見るのは、これが2度目です。主目的は果たせませんでしたが、今回は自身で発見した事もあり、より嬉しい成果を得る事が出来ました。

2023年9月 9日 (土)

富士市域のナチシダ

萌が健在だった頃、イノモトソウ科の大形のシダ植物であるナチシダとオオバノハチジョウシダを一株ずつ散歩コースで見付けました。当時は、シダ植物に目を向けていなかったため「見た事のない種」としてちょっとだけ気にしていました。機会があり、識者の先生に腊葉標本を見ていただいて種名を知りました。

伊豆天城周辺にカンアオイ属の調査に行った時、沢山のナチシダと出会いました。特徴的な葉身のこのシダ植物は、追記前の富士市植物仮目録(中山Ver.)にも掲載されていないし、杉野先生の静岡県の植物図鑑にも「東部には分布しない」とあります。

ところが、富士市域で2ヶ所の大群落と出会いました。その片方の自生地を覗いて来ました。

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群落の一角です。写真を撮った背後は、線状間伐されて明るくなった人工林で、ナチシダの大群落が広がっています。

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「葉は鳥足状に分岐して広五角形に広がっている・・」日本では、このような葉身を持つシダ植物は他にないそうです。

このシダ植物は常緑性とありますが、発見した富士市域では冬に地上部が枯れます。この場所も、冬に確認した時は枯れていました。そして春になると新葉が伸びて来ました。同じくオオバノハチジョウシダも常緑性ですが、冬に地上部の枯れるところもあります。萌の散歩道では、両種が数メートル離れているだけでしたが、オオバノハチジョウシダは枯れませんでした。葉の厚みの違いによるものではないかと思っています。

イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。


最近は、考えがあって写真を撮っても掲載しない植物があります。その上、時期を変えて同じ植物を掲載する事が多くなりました。希少植物をWeb検索して訪問される方が激減したためか、二つに分けたブログ記事の月間アクセス数の合計は、前ブログに遠く及びません。でも、固定した訪問者(リピーター)の方がいてくださいます。管理人にとっては、それが一番の励みになります。これからも、懲りずに拙いブログへご訪問頂いただけると嬉しいです。
季節を変えて観察すると、今まで気づかなかった事に目が向くようになります。植物を含めた自然観察の面白さは、そんなところにあるのではないでしょうか?

2023年6月30日 (金)

ナチシダとコキンバイザサ

不法投棄監視パトロールで出会った植物・・続きです。

【ナチシダ】

富士市域でナチシダに初めて出会ったのは、今は亡き「萌」との散歩道でした。そこには、ナチシダとオオバノハチジョウシダが一体ずつ生えていました。オオバノハチジョウシダは、地上部が枯れずに冬を越しますが、ナチシダは地上部が枯れてしまいました。

その後、富士市域でナチシダの群落を2ヶ所確認しました。1ヶ所は不法投棄監視パトロールのコースになっている林道脇の人工林でした。晩秋に地上部が枯れたのを確認してから訪問した事が無かったので、ついでに確認して来ました。

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新たな葉が展開していました!

発見時、この辺りに多いウラジロかと思って林内を覗いたら、100個体を優に超えるナチシダの群落でした。周辺の林内も調べましたが、線状間伐して明るくなった林内だけに確認出来ました。

イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。

イノモトソウ科のシダ植物は、シカの摂食対象にならないそうなので、今後ますます増えていくものと思われます。

【コキンバイザサ】

同じ林床の木材搬出道に、コキンバイザサの花が咲いていました。一般的な開花時期は5~6月となっていますが、別の場所の観察ではもっと長く、秋に花を見た事も幾度かあります。

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この場所では初確認なので、花が咲いていなければ気付かなかった事でしょう。事前に生育が確認出来ていれば、未開花株でも葉の触診でスゲの仲間と区別する事は出来ます。

キンバイザサ科コキンバイザサ属コキンバイザサ(Hypoxis aurea Lour)。


最近では、研究者の依頼以外では不法投棄監視パトロールのついでに山野の植物を観察するくらいで、探索範囲がますます狭くなって来ました。それでも視点を変えて観察すると、新しい発見がいろいろあって楽しいものです。以前は、諸先輩のWeb記事などを見て、珍しい植物が掲載されているとそわそわしていましたが、そういう気持ちになる事は殆ど無くなりました。

考えがあって掲載しない植物もあり、前ブログに比べて訪問者の方もずっと少なくなりました。それは仕方ない事ですが、ブログタイトルを静岡県→富士・富士宮市の植物探索にした方が良かったなんて思っています。

2023年4月25日 (火)

ミニ探索で出会った植物

昨日は、植物園に興味を持ってくれている新人と園内を回り、午後からは近くの山野をミニ探索しました。

写真はあまり撮りませんでしたが、気になった植物を二つ掲載します。

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いろいろなシダ植物の新芽が伸びて来ました。葉が展開したものもあれば、上の写真のようにやっと伸び始めたばかりのものも見受けられます。シダ植物が一番綺麗な季節だと思います。

ところで、このシダ植物・・ホソバショリマでしょうか?筑波の科学博物館のWebページに「葉身下部は羽片が次第に短くなり、耳状になる」「常緑性とされていますが、当園では地上部が冬枯れます」とあります。この二項目の解説とは合致していると思います。ただ、葉の長さが約60cmになるとあります。現在20cmくらいですから、これから3倍ほどになるのだろうか?

ホソバショリマは、本来暖かい地域に生育するシダ植物で、ラン科植物と同じく温暖化の影響で生育地が北上しているようです。日本では、とても希少な植物だそうです。もう少ししたら、詳しい先生に見ていただこうと思っています。

少し場所を移動して・・。

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ルイヨウボタンかと思って近づいたら、ヤマシャクヤクでした。予期せぬ場所での出会いでした。

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こちらは、別の日にもっと低いところで見た花です。花の寿命は短く、丁度良いタイミングで出会う事の難しい植物です。


ここ数年は、植物に興味のない嫁さんを相棒に、カンアオイ属などの探索をして来ました。それ以外に、山野を歩く事は殆どなくなりました。でも、こうして植物に興味を持っている人と歩くのは楽しいものです。また、植物園に目を向けてくれる新人さんが現れた事は、とても心強いです。そういえば、昨日は牧野富太郎博士の誕生日でした。今日は誰かさんの誕生日、「お誕生日おめでとう!」だけで済まそう・・。

2023年2月10日 (金)

庭木の着生植物

民家の庭木にも、いろいろな植物が着生しています。先生宅の庭木で気になった着生植物を撮ってみました。自然に着生したものなので、こちらのブログに掲載します。

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昨年、私が発見したクモランです。思い起こせば、家の近くの梅林でも沢山のクモランを見付けました。探し求めるとなかなか出会えないのに、期待しないで何気なく覗いた場所で出会う事が多いです。

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先生が発見したシダ植物のマツバランです。下のカヤランと同じキンモクセイに着生していました。寒さで地上部が枯れていました。地下茎は生きていて、暖かくなると伸びてくるのだろうか?

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キンモクセイの樹幹には、数えきれないほどのカヤランが着生していました。この場所で出会う前は、キンモクセイがカヤランの宿主になるとは思いもしませんでした。帰宅して調べて見たら、家のキンモクセイにも少し着生していました。相性が良いようです。

地域の学生さん達に付き合って、民家の庭木に生える着生植物を調べて回りました。その結果、予想外に多くの着生ランと出会う事が出来ました。身近な場所の植物探索も面白いものです。


◇◇お知らせ◇◇

2月25日(土)~26日(日)の9時~17時、富士市中央図書館分館市民ギャラリーにて、従弟がデジタルアート展を開催します。以前、タブレットで見させてもらいましたが、どれも素晴らしい作品でした。興味のある方は、是非お出かけください。

富士市中央図書館分館のふじタウンマップ

※富士市のWebページにある分館市民ギャラリーの2月分催事予定は、26日(土)~27日(日)となっており、間違っていますのでご注意ください。

2023年2月 1日 (水)

林道脇のヒカゲノカズラ

昨日は、畑作業の後に1月分2回目の不法投棄監視パトロールに行って来ました。

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彼方に見える愛鷹山系呼子岳には、雪が残っていました。

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林道沿いのハイゴケは雪に覆われていました。車を降りると、肌を刺すような寒さでした。

そして、この辺りではヒカゲノカズラを所々で見かけます。この植物を、幼い頃から気に入っていますので撮ってみました。

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ヒカゲノカズラは、低山から亜高山帯まで広範囲に見る事が出来ます。

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以前撮ったヒカゲノカズラの胞子嚢穂です。

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こちらは、富士山南面で撮ったアスヒカズラです。広範囲に生育するヒカゲノカズラと違い、富士山南面では亜高山帯に生育しています。

葉の形態は異なりますが、胞子嚢穂の形態は良く似ています。その下の長く伸びた花柄のような部分を総梗(そうこう)と呼びます。

ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum L. var. nipponicum Nakai)。中国名は、日本石松。タイプ標本は、長野県の浅間山で採取されたそうです。

ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属アスヒカズラ(Lycopodium complanatum L.)。中国名は、扁枝石松。ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属は、中国表記では石松科石松属となります。


ついでに・・。

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こちらは、東海大学自然史博物館で見たフウインボク(Sigillaria)の化石です。石炭紀に栄えたシダ植物で、ヒカゲノカズラ科が近縁とありました。ただ、高さが20~30mもあったそうですから、シダ植物というより樹木のようですね。このように大きなシダ植物は木生シダと呼ばれ、石炭の元になったそうです。


幼い頃、近くの山林でヒカゲノカズラを見付けました。名前も知らないこの植物が何故か気に入り、庭に植えて置きましたがいつの間にか枯れてしまいました。近所の植物好きのおじさんも「何度か植えてみたが、上手く育たない」と言っていました。

その記憶があったので、昨年春頃に少しだけ採取して試験的に植物園の一角に植えてみました。10ヶ月近く経過しても、まだ枯れずにいます。実は、同じヒカゲノカズラ科のスギランの落ち枝を挿しておいたところ、無事発根して6年目に胞子嚢を宿しました。挿木で発根する事は知りませんでしたが、花瓶に挿すような感覚でチョウチンゴケを植えた鉢に挿して置いたのです。もしかしたら、ヒカゲノカズラも挿木で発根するかもしれません。