樹木

2022年5月10日 (火)

ヤマツツジ

このところ、畑や植物園の除草作業に追われています。少し気を緩めると、草丈が大きくなっていて唖然とする事になります。

保全林のバラや下草を刈りに行った時、ヤマツツジの花が見頃でした。林内には、自生のヤマツツジが各所で見られます。

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新緑の中に、朱赤色の花が映えています。

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ヤマツツジの花は、朱赤色ばかりだと思っていました。ところが、紅紫色や白色の花をつける品種や変種もあるようです。ツツジの仲間は交雑するため、私のような素人には識別の難しい種です。

ツツジ科ツツジ属ヤマツツジ(Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi)。

ヤマツツジは、私の住む富士市域でも比較的出会う事の多いツツジでした。でも、最近ではスギ・ヒノキ林ばかりで、生育域が限られて来ています。

2021年3月21日 (日)

イヌガヤとキブシの花

今日は、一日雨降りでした。また雑草の伸びが加速する事でしょう。憂鬱です。

先日、植物園に行った時、イヌガヤとキブシの花が咲いていたので、撮ってみました。

【イヌガヤ】

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初めてイヌガヤの花を見ました。イヌガヤは雌雄異株です。「雌花は薄緑色で枝先に1~2輪、雄花は肌色で、前年伸びた葉の基部に密生する」とありますので、この木は雄木のようです。

再生畑②の近くに雌木がありますが、花を撮るには高すぎます。でも、何とかして雌花も観察してみたい。

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3月22日、雌花が撮れたので追加します。同じく枝先につく新芽に比べて小さい事も、探すポイントになります。

イチイ科イヌガヤ属イヌガヤ(Cephalotaxus harringtonia (Knight ex Forbes) K.Koch var. harringtonia)。

【キブシ】

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キブシも雌雄異株です。雄花序は長く、雌花序は短い・・と思っていたのですが、良く見ると同じ木に咲いていました。花の中を覗くと、どちらもオシベが退化しておりません。雄花序のようです。

雌花序はオシベが退化していて、雄花序に比べて花が疎らで緑っぽく感じます。

キブシ科キブシ属キブシ(Stachyurus praecox Siebold et Zucc.)。


植物園の湿地に植えた、ミツガシワの芽が伸び始めていました。昨年見付けたシロバナタチツボスミレも、蕾が姿を現していましたので、除草されないように表示をして来ました。同じく白い花を咲かせる、オトメスミレには比較的出会えますが、シロバナタチツボスミレはなかなか出会えません。

2021年3月17日 (水)

ヤマナシ

以前、川上犬に会いに行った長野県で、ヤマナシの木を見ました。その後、TVドラマで、「獣医ドリトル」というTVドラマが放送され、オープニング画面にその木が登場したのを見て感激しました。Gyaoで、「獣医ドリトル」が放送されていたので、思い出して記事を書きました。

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樹勢は芳しくなく、枯れた枝が目につきました。まだ無事でいるのだろうか?

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他の場所にもありました。この辺りは多いのかもしれない・・。

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花をズームしてみました。当時は、今以上にピンボケが激しくてお恥ずかしい・・。

バラ科ナシ属ヤマナシ(Pyrus pyrifolia (Burm.f.) Nakai)。中国名は、沙梨・・小さなナシという意味だそうです。


ずっと昔、地域の落葉広葉樹林で、種名は分かりませんが、小さなナシのような果実が生る木を見た事があります。2020年版の静岡県植物目録を見ると、バラ科のところにヤマナシが見つかりませんでした。ナシ属(Pyrus)で見ても、アオナシしか掲載されておりません。でも、植物相調査報告書には、伊豆、中部、遠州(西部)、そして東部(裾野市十里木など)の記録があります。どうなっているのでしょう?

2021年3月 3日 (水)

マメザクラとオカメザクラ

庭のオカメザクラを見ると、花が咲き始めていました。片方の交配親であるマメザクラも、もう少しで咲き出すものと思います。

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マメザクラは、フォッサマグナ要素の代表的な樹木です。地域では、別名のフジザクラと呼んでいます。低山では開花時に葉を見る事もありますが、寒冷地では葉が展開する前に花だけ咲き、とても見応えがあります。

バラ科サクラ属マメザクラ(Cerasus incisa (Thunb.) Loisel. var. incisa)。

庭に咲くオカメザクラは、このマメザクラとカンヒザクラの交配種です。

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左がマメザクラで、右がカンヒザクラです。

バラ科サクラ属カンヒザクラ(Cerasus campanulata (Maxim.) Masam. et S.Suzuki)。

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こちらが、昨年撮ったオカメザクラです。マメザクラがピンクに染まったようで、とても可愛い・・。

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ミツバチなどが、羽音を立てて訪花していました。

バラ科サクラ属オカメザクラ(Prunus incamp cv. Okame)。


昨日は、予想していたより沢山の雨が降りました。屋外作業は出来ないので、所得税の確定申告書作成やPCのデーター整理を行いました。不要なファイルやピンボケ写真などの削除をしたので、少しは身軽になったと思います。

2021年2月23日 (火)

ホソバオオアリドオシ

この植物に初めて出会ったのは、町内の鎮守の森でした。当初はかなり個体数がありましたが、シカの食害で数を減らしてしまいました。その後、我が家の山林に生育している事を知りました。

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葉は光沢があり、対生で大形と小形が交互についています。

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葉腋を良く見ると、蕾がついています。12月中旬に撮影。

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果実が赤く熟す頃、蕾が姿を現しています。

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こんな細長い花が咲きます。オシベ4個、メシベ1個、花冠の先端は4裂します。5月5日撮影。

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果実は、12月頃になると緑色から赤く熟します。

アカネ科アリドオシ属ホソバオオアリドオシ(Damnacanthus indicus C.F.Gaertn. var. lancifolius Makino)。別名、ホソバニセジュズネノキ、或いはホソバジュズネノキ。


知人が、畑の隅に群生したヒガンバナを持って来てくれたので、面積の広い再生畑②の一角に植え始めました。ここには、少し早く咲くキツネノカミソリも生育しています。今日は暖かい日で、少し動いただけで汗をかきました。早朝の室温を記録していますが、先週半ば頃と今朝では、10℃くらいの温度差がありました。人間だけでなく植物にとっても、危険な時期です。

2021年2月 1日 (月)

造成中の植物園

静岡県の東部に造成中の植物園があります。その様子を見に行って来ました。

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雪を纏った富士山が、良く見えていました。この写真は、狩宿の下馬ザクラ(国の特別天然記念物:アカメシロバヤマザクラ)の少し北側で撮りました。

【東エリア】

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スギの伐採を行っている東エリアの様子です。狩宿溶岩流の末端になるそうです。ここは窪地になっていますが、背後には溶岩流の痕跡が古墳の様に盛り上がっています。

ここから、川を隔てた西エリアへ接続する吊り橋が計画されています。邪魔者無しの富士山が望めます。

【西エリア】

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一部植栽済みの場所もあり、ウメ、サクラ、シャクナゲ、ミツバツツジなどの変種や品種、そしてハコネグミ、サンショウバラなどが植えられています。上段の水路から水を引き、湿地も作られています。

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10haを超すエリアには、落葉広葉樹林、スギ林、竹林、断崖など様々な環境の場所があります。

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富士山や愛鷹山も見える最高のロケーションです。


ここは、フォッサマグナ要素の植物に特化した植物園として、現在造成中です。また、森林伐採などにより、生育環境が損なわれつつある希少植物達の駆け込み寺としても、役立つものと思われます。

この日は、紅梅の花が咲き始めていました。季節が進みサクラが咲き始めた頃に、既植栽エリアの様子などを掲載するつもりです。植栽植物は、若木や挿木で増殖したものが主となるため、ある程度見頃になるのは数年先になると思います。こういうタイプの植物園は、完成というのは無く日々進化して行くものだと思っています。

2021年1月25日 (月)

アオキ

この時期は、近所の庭先や近くの山野で、アオキの果実を見る事が出来ます。

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果実は緑色から赤く熟します。野鳥に食べられて種子が運ばれるそうですが、残っている事が多くあまり美味しくないのかもしれません。

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アオキは、雌雄異株です。左が雄花、右がメス花です。

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一般的には葉縁に鋸歯がありますが、中には全縁のものもあります。園芸品種として作出された斑入り葉のものもあり、この特徴は実生で引き継がれます。

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枝先や若い枝の樹皮は緑色ですが、古くなると灰褐色になって来ます。アオキは県内各地の山野で見られますが、近年シカの摂食対象になっており、葉や枝先を食べられたものを良く見かけます。

アオキ科アオキ属アオキ(Aucuba japonica Thunb. var. japonica)。
旧分類体系では、ミズキ科とされています。Wikipediaではガリア科とありますが、Ylistに従いました。


今後、少しずつ「やまぶどうの徒然日記」の記事を削除して行くつもりです。静岡県で生育が確認された植物に関しては、整理して本ブログに移行する事も考えております。希少種に関しては、ホームページにまとめ始めていますが、ブログの方が大きな容量を使えるので多くの種を掲載できます。

2021年1月19日 (火)

ミツマタ

不法投棄監視パトロールに行ったついでに、ミツマタの様子を見て来ました。

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ミツマタは、中国中南部からヒマラヤ地方原産とされる帰化植物です。樹皮が和紙の原料として使われた為、昔は地域でも彼方此方に植栽されていたようです。

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愛鷹山系のこの場所は、富士市内でもトップクラスの本数が見られます。ざっと数えても軽く数百本はありますが、この場所を知る人は少ないと思います。最上段の写真で、ススキの様に見えるのがミツマタです。

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白いシルクのような蕾が、幾つか黄色味を帯びていました。開花に近づいているようです。花が咲いた頃、また行ってみようと思います。

ジンチョウゲ科ミツマタ属ミツマタ(Edgeworthia chrysantha Lindl.)。


まだまだメインブログとサブブログのHTML操作の違いに悩んでいます。写真を横並びにしたら右の写真のポップアップが左の写真になっていたり・・。試行錯誤して修正しましたが、別の記事を書くとまた変わってしまいます。リッチテキストと行き来しないでHTMLだけで書いた方が良さそうです。暫く、記事に不具合が発生するかもしれませんが、どうかご容赦ください。