気になっているシダ植物
山野の植物観察をするようになってからも、シダ植物に目を向ける事はそれほど多くありませんでした。でも、植物園の手伝いを切っ掛けに、その生態に興味を持つようになりました。
この日は、数年前に不法投棄監視パトロールで発見した、ナチシダの群落を覗いてみました。ナチシダは伊豆半島方面に多く生育していましたが、温暖化の影響か富士市域でも見られるようになりました(古いリストには掲載されておりません)。
この群落を見つけたのは、林縁に生えるこの個体に気づいてからでした。
林内に入ると、線状間伐により日当たりの良くなった場所に群落ができていました。
ナチシダは比較的大きなシダ植物で、近づくと見応えがあります。
少し分かりにくいですが、葉裏の縁に胞子がついています。
近くにコシダ(上)とウラジロ(下)が生えていました。県中部ではこの二種のシダで林床が埋め尽くされている場所をよく見かけますが、この辺りではそれほどでもありません。
パトロールの帰りに、畑の様子を見に寄りました。
こちらは試験的に植えてあるホソバショリマです。本来常緑のシダですが、県東部においては冬に地上部が枯れます。ナチシダも同様ですが、まだ枯れておりません。この違いは、本来の産地の気温の差だと思われます。
現地の様子からナチシダは胞子繁殖して群落を広げていますが、ホソバショリマは地下茎で群落を広げ胞子発芽で範囲を広げ難いという印象を持っています。
実は、今夏の土壌乾燥により気温が下がる前に古い葉が枯れていました。その後、新芽が伸びて葉を展開してきましたが、胞子の付いた葉が見当たりませんでした。胞子をつけるはずの葉が夏に枯れたせいだと思います。また本来の生育地に比べてずっと気温の低い静岡県東部では胞子ができたとしても発芽能力がある状態まで生育するのは稀なのかもしれません。ホソバショリマが群落をつくるのに、生育地が限定される理由がこの辺りにあると思っています。
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