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2025年10月

2025年10月24日 (金)

シロバナセキヤノアキチョウジ再び

本日は、今月二回目の不法投棄監視パトロールに行ってきました。途中で昨年見つけたシロバナセキヤノアキチョウジが咲いていたので撮ってみました。

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夏に草刈りされて心配していましたが、その後また伸びて無事に花を咲かせてくれました。勢いのある逞しい植物です。

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それにしても変わった形態の花ですね。図鑑には「花冠は2唇形で、筒部は長く上唇は反り返って浅く4裂し、下唇はボート形になり前方につき出る」とあります。

普通種と白花品種の違いは・・。

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シロバナは、花柄や萼に紫褐色の色素が無く綺麗な緑色をしています。シロバナタチツボスミレの萼もそうですね。

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普通種は、葉柄や萼に紫褐色の色素があります。もちろん花を見ればわかりますが、見慣れると葉や茎色の違いでも区別できると思います。

シソ科ヤマハッカ属シロバナセキヤノアキチョウジ(Isodon effusus (Maxim.) H.Hara f. leucanthus (Honda) H.Hara)。

タイプ標本は、静岡市葵区にある竜爪山(りゅうそうざん)で採集されたそうですが、掲載写真は富士市某所で撮影しました。


別ブログ「権兵衛の種蒔き日記」に掲載しましたが、昨年の晩秋に種子採集し、今春撒いて育てた個体の中に、シロバナセキヤノアキチョウジがありました。発芽した年に開花に至ることが分かりました。多年草なので来年からも楽しみです。実生栽培してみると、図鑑に書かれていないことがいろいろ学べて面白いです。

2025年10月18日 (土)

コカモメヅルとコバノカモメヅル

植物の標準和名は紛らわしいものがあります。コカモメヅルとコバノカモメヅルもその一つです。ササと伸びきった茶ノ木が繁茂していた畑を再生させた頃、コカモメヅルが生えてきました。その後、間違えて仮払い機で切ってしまい、コカモメヅルは姿を見せなくなりました。今度は彼方此方にコバノカモメヅルが生えてきました。

私が初めてコバノカモメヅルを見たのは、田園地帯にある浮島ヶ原自然公園でした。そんなことから、コバノカモメヅルよりコカモメヅルの方が山地で見られるという間違った認識を持っていました。数日前、ヤマアジサイエリアでコカモメヅルを再発見したので撮ってみました。

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左がコカモメヅルで右がコバノカモメヅルです。幅広の葉を見て感激しました。

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小雨降る中、とても小さな花が咲いていました。コカモメヅルに再会できて本当に良かった!

水滴で見難いので、以前撮った写真で比較してみます。

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コカモメヅルの花です。

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コバノカモメヅルと白花品種のアズマカモメヅル(f. albiflorum)です。見比べると中間色もあり、連続した変異だと思います。

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並べてみました。別々に見ると似た感じがしますが、こうしてみると違いが良く分かります。

キョウチクトウ科カモメヅル属コカモメヅル(Vincetoxicum floribundum (Miq.) Franch. et Sav.)。

キョウチクトウ科カモメヅル属コバノカモメヅル(Vincetoxicum sublanceolatum (Miq.) Maxim. var. sublanceolatum)。

旧分類体系では、ガガイモ科とされていました。

2025年10月 9日 (木)

カラムシとラミーカミキリ

「やまぶどうの徒然日記」の後継として2021年1月に開設したこのブログも、おかげ様で10万アクセスを超えました。地域において超希少種と思われる種の掲載を控えている事もあり、一日のアクセス数は前ブログよりもずっと少なくなりました。

それでも、アクセス解析で再訪してくださる方がいる事を知り出来るだけ更新するつもりではいるのですが・・。山野を歩く機会が減り更新の滞る間隔が長くなってしまい、訪問者の方にはご迷惑をおかけして恐縮です。

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嘱託勤務の退職後、荒れた所有地を再生させて自家消費の素人農業をやっています。伸びきった茶ノ木と繁茂したササやクズなどの除去はとても大変でした。そして除去作業が終わってからの大敵は写真のカラムシです。

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果実は球状に固まって着きます。凄い数ですね。

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こちらは掘り起こしたカラムシの地下茎です。地上部を刈り取っても地下茎が残っているとすぐに新芽が伸びて来ます。

イラクサ科カラムシ属カラムシ(Boehmeria nivea (L.) Gaudich. var. concolor Makino f. nipononivea (Koidz.) Kitam. ex H.Ohba)。

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こちらはカラムシの葉に集るラミーカミキリ(Paraglenea fortunei)です。頭部の黒い点が目のようで面白いでしょ?以前は群落の中で見かけることも多かったのですが、最近はあまり見かけなくなったように思います。

2025年10月 2日 (木)

シュロソウとマルバルコウの花

昨日は打合せがあったのと雨が降っていたので、畑にはいかず庭の植物を撮ってみました。

【シュロソウ】

十数年前から、庭のイヌツゲの株元に生えてきました。花の咲かない年もあります。地域の山林で葉を見かけることは多いですが、開花株に出会うことは稀な気がします。

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子房の膨らんだ花です。花茎の上部の細枝では、殆どがこのように膨らんでいました。

シュロソウの仲間は多くの種があるようで、富士山南面では、高山帯で見るアオヤギソウ、高度1000mくらいから上で見るバイケイソウなどがあります。

バイケイソウの開花株は当然果実が熟すまで残りますが、未開花株は早期(花期頃)に地上部が枯れます。また同じ場所でも年によって開花株の数が異なるように思います。実生発芽率は高いようですが、開花株まで成長するのにかなり年数がかかる種だと思っています。同属のシュロソウも、生育場所の環境変化や土壌栄養によって開花しない場合があるのかもしれません。

シュロソウ科シュロソウ属シュロソウ(Veratrum maackii Regel広義学名)。

【マルバルコウ】

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いつの間にか、庭に生えてきました。零れ種で彼方此方に生えています。オレンジ色のとても綺麗な花です。

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株元で沢山の枝が分岐していました。帰化植物で、中国名は橙紅蔦蘿 (圓葉蔦蘿)・・植物の特徴を如実に表した命名ですね。

義母の家には深紅の花が咲くルコウソウがあります。そちらは、細く分岐した葉が特徴です。義母が大切にしていた庭の植物は一部を我が家に引っ越しさせましたが、そうできないものも沢山あり訪問する度痛んでいくのを目にして心苦しいです。

ヒルガオ科サツマイモ属マルバルコウ(Ipomoea coccinea L.)。マルバルコウソウと呼ばれることが多いようですが、Ylistではマルバルコウが標準和名になっています。

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