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2025年6月

2025年6月26日 (木)

ヤマアジサイの花

地域に咲くヤマアジサイの花は、全体が白で遠目には同じように見えます。でも近づいてみると、装飾花の形態に変化の多いことに気づきます。雨の合間にミニ探索をして来ました。

このところ、以前にも増してピンボケ写真ばかりで恐縮です。アルコール切れではありませんよ。歳のせいです。

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一部装飾花の裏返ったものもありましたが、全体的には見頃でした。

装飾花を接写してみました。

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小さくて繊細な感じの装飾花です。装飾花の大きさは、生育環境にも影響されるようで、同じ木でも大小の咲く場合があります。

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この装飾花は、丸みを帯びていて可愛いイメージです。

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こうして見比べると、バラエティに富んでいるでしょ?

花弁の数も色々ですが、同じ木でも3枚と4枚の装飾花があります。枚数の固定された木もありますが、それは少ないように思います。花弁の形は其々固定されているようです。

アジサイ科アジサイ属ヤマアジサイ(Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata)。

アジサイは、有毒なのでシカが食べないと聞きました。確かに、ヤマアジサイは食害に遭ったものを見たことがありません。ただ、タマアジサイは見事なほど枝を噛みちぎられた群落を見たことがあります。畑に植えたガクアジサイも、葉が美味しく見えるのか分かりませんが、少し被害に遭っていました。

2025年6月12日 (木)

南麓30分探索

6月8日(日)用事を済ませた後に、確認したい事があって富士山南麓のある林を探索してきました。植物に興味のない嫁を車中に残し、僅か30分の探索でした。

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花盛りのサンショウバラを眺めながら、目的地へ進みました。全景は掲載しませんが、この木には100個以上の花が見られました。

バラ科バラ属サンショウバラ(Rosa hirtula (Regel) Nakai)。

目的の林内へ入ると・・。

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ミズナラの株元に生えるバイケイソウとカツラの巨木です。

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カツラは雌雄異株です。果実はまだ見たことがありません。以前挿木してみましたが、2~3本だけ発根しました。ところがその後の管理が悪かったせいか、すべて枯れてしまいました。土壌湿度の高いところを好むようなので、発根率の低さと併せてその辺りが原因だったのかもしれません。

カツラ科カツラ属カツラ(Cercidiphyllum japonicum Siebold et Zucc.)。

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バイケイソウです。高度1,000mを超す某林内で初めてこの植物と出会いました。芽出しの頃のこの植物の姿を気に入って、5cmほどの実生苗を裏庭に植えたことがあります。数年経過してそろそろ初花が見られるかもしれないと思った頃、枯れてしまいました。山野においては、未開花株はそろそろ変色して地上部が枯れ始めます。もっと頑張って光合成をして養分を蓄えればいいものを・・どうしてだろう?

シュロソウ科シュロソウ属バイケイソウ(Veratrum oxysepalum Turcz. var. oxysepalum)。旧分類体系ではユリ科とされています。

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この一群はヤマシャクヤクです。山野の探索をし始めた頃、蕾をもった株を沢山見つけ翌週再訪したら殆ど姿を消していました。盗掘と思われます。その後探索範囲を広げ数えきれないほどのヤマシャクヤクを目にして来ました。ところが年により開花株の位置が異なるような印象を持ちました。もしかしたら、栄養状態により花の咲かない年があるか、病気や寿命で枯れてしまうのかもしれないと思うようになりました。

ボタン科ボタン属ヤマシャクヤク(Paeonia japonica (Makino) Miyabe et Takeda)。

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テンナンショウ属・・ミクニテンナンショウです。仏炎苞の白い筋が同じ林内に生育するホソバテンナンショウのようにはっきりしていません。それに仏炎苞舷部(屋根の部分)がやけに大きく感じたので、専門家の方に写真を送り種名を教えてもらいました。

サトイモ科テンナンショウ属ミクニテンナンショウ(Arisaema planilaminum J.Murata)。

この林内を訪れた目的?それは秘密です。現在ではWeb検索で詳細な情報を得ることが出来ます。でも、自分で確認しないと分からないことも多く、この日は嫁を煽てて同行してもらいました。久々の林内探索なのでもっとゆっくりしたかったのですが、同行者に気を使い30分で退出しました。

2025年6月10日 (火)

ミツバウツギとツクバネウツギの花

山野の探索機会が少なくなって、出会いの多い植物にも目を向けるようになりました。この日は確認したい事があって、短い時間でしたが嫁の運転で高度1,000m以上の林内探索をして来ました。

【ミツバウツギ】

高木に囲まれた薄暗い林内でも、ミツバウツギの花が沢山咲いていました。

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蕾の時、萼が紅色に染まっていて綺麗ですね。

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そしてこちらの花は、再生畑の入り口に生えているミツバウツギの花です。萼が紅色に染まっておりません。キンポウゲ科のニリンソウなども、場所によって似たような変異があります。

図鑑を調べていると、新芽や若葉だけでなく軍配のような形状の果実も食用になるとありました。全然知らなかった・・。

ミツバウツギ科ミツバウツギ属ミツバウツギ(Staphylea bumalda DC.)。

【ツクバネウツギ】

花の寿命は短いようで、プロペラのような萼を残しラッパのような花冠が沢山落ちていました。

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横から見ると、距の丸まっていないツリフネソウを連想します。

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こちらは5月22日の記事に掲載した花です。花筒の外側がかなり黄色いですね。図鑑によると、白、黄白色、黄色、そしてピンク色もあるそうです。この花を見る楽しみが一つ増えました。蕾の時の紅紫の色素はどうなったのだろう?

スイカズラ科ツクバネウツギ属ツクバネウツギ(Abelia spathulata Siebold et Zucc. var. spathulata)。


昨晩、NHKBSワイルドライフ「つながる小さな命 牧野富太郎と南方熊楠が見つめた自然」が再放送されました。その中でスミレ属の花の唇弁にある紫の筋について「後ろに突き出た距の中に蜜がある事を訪花昆虫に知らせるためにある」というような牧野富太郎博士の考察が紹介されていました。ツクバネウツギの花の黄色い筋を見て、同様の役目をしているのかも知れないと想像しました。植物を観察しながら、そういうことを考えるのも楽しいです。

タイトルから「もしかしたら・・」と思って見ていると、面識のある二人の研究者が登場しました。一人は微力ながら長年調査や標本採集などの手伝いをしてきた研究者、もう一人は自生地を案内してカンアオイ属の花の臭いの嗅ぎ方を教えてもらった研究者でした。素人ながら植物関連の著名な研究者や識者の先生方と知り合うことが出来、とても幸せなことだと改めて出会いに感謝しました。

2025年6月 5日 (木)

別場所に移植したセリバオウレン

数年前、富士市内某所のセリバオウレン生育地が、間伐と搬出道整備により荒れてしまいました。生き残った株は、林床の光条件が変わってしまったため変色し始めていました。掘り起こした株の半分を現地の搬出道脇のアオキなどの木陰に移植し、残り半分を市内の別場所に移植しました。

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約3㎡の範囲に30cmピッチで植えたところ、隙間がないくらい繁殖していました。比較のために、植付当時の写真を探しましたが見つかりませんでした。

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今年も沢山の花が咲きました。

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この植物は花期も綺麗ですが果実期も綺麗です。

移植後、無事活着して栄養繁殖も順調なようです。もう一つ挑戦したいことがありました。それは多様な性質の個体を望める種子繁殖です。

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花火のように並んだ鞘の先端から、種子が放出されるようです。まだ緑の鞘が残っていたので、種子採取をするつもりでしたが、すでに放出が終わってしまったようです。

ところが、周囲を見回すと・・。

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彼方此方に実生苗が生えていました。ヒノキの球果と比べてみてください。今年の苗かもしれません。

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中には、大きなものもありました。昨年或いは一昨年の発芽苗だと思われます。ただ、果実数から見てうす暗い林床では発芽率があまり高くないようです。

キンポウゲ科オウレン属セリバオウレン(Coptis japonica (Thunb.) Makino var. major (Miq.) Satake)。


自生地から移植した株なので、ある意味「植栽」と言えますが敢えてこちらのブログに掲載しました。親株の一部は、更に生き残る可能性が高いと思われる「富士山こどもの国」へ移植を考えています。昨年除草作業などを行ったエビネエリアの隣が、環境面で適していると思い計画書を提出済みです。

個人レベルでやれる植物保護活動は微々たるものです。でも、きれいごとや嘆いてばかりでは地域の植物は守れません。幾度かの経験からそう考えるようになりました。


投降後、記事を読み直して「奇麗」の漢字が気になりました。私は今まで「綺麗」を使っていたと思います。調べてみると、報道機関では「奇麗」あるいは「きれい」を使っているそうで、原則として「奇麗」で問題ないようです。どう違うのかと思ったら「綺麗」は純粋に美しいで、「奇麗」は珍しいほど美しい・気味が悪いほど美しいとなるそうですので、「綺麗」に訂正しました。

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