休憩時間に出会った野生ラン
14日は、ある施設のエビネ植栽エリアの除草作業を行ってきました。動かないでいると寒いので、昼食を食べてから付近の林内を探索してみました。
探索したのは、スズタケや雑木の多いスギ・ヒノキの人工林です。
【ベニシュスラン】
ベニシュスランが生えていました!日本のランハンドブックによると、生育するのは常緑または落葉広葉樹林の林床とありますが、静岡県東部ではスギ・ヒノキなどの針葉樹林で見られます。
日本版ジュエルオーキッド(宝石蘭)と呼ばれる野生ランです。奇麗な斑でしょ?周辺を探すと点在していました。
諸先輩から「昔はたくさん花が咲いていたけど、無くなってしまった」と聞いた場所を注意深く調査してみると、実生苗のように小型化した個体が沢山見られました。共生菌への栄養依存度が高く、その状況が悪化すると、生き延びるために小型化して花を咲かせなくなるのかもしれません。自身が発見した別の自生地でもその兆候があり、年々開花株が減少しています。
ラン科シュスラン属ベニシュスラン(Goodyera biflora (Lindl.) Hook.f.)。
【ハクウンラン属】
赤い果実はこの植物のものではありません。ウメモドキかな?
こちらは、ハクウンランかヤクシマヒメアリドオシランと思われます。花を見ると違いは分かるのですが、葉だけではその自信がありません。見た目は似た植物ですが、その生態に少し違いがあると思っています。地域では、ヤクシマヒメアリドオシランの方が圧倒的に多く見られ、ハクウンランはかなり稀です。
ラン科ハクウンラン属(Odontochilus)。ハクウンラン(Odontochilus nakaianus)、ヤクシマヒメアリドオシラン(Odontochilus yakushimensis)。
【カヤラン】
こちらは、強風で落下したと思われるカヤランです。
「個体を維持し続けるのでなく、有性生殖で世代交代しながら明るい場所に移動する繁殖戦略を取っている」と考えられているそうです。「大株になることの少ない」カヤランに比べて「しばしば大株になる」と解説されたヨウラクランも、比較的短期間に彼方此方に実生苗が出現し、いつの間にか親株が姿を消していくように思います。似た繁殖戦略を取っているのかもしれません。
ラン科カヤラン属カヤラン(Thrixspermum japonicum (Miq.) Rchb.f.)。
作業前、管理者さん宛に間伐などで消失の危機にある野生ランを移植して保護したい旨のお願い書を提出しました。そのリストの中に、ベニシュスランも含まれていました。それが、作業場所であるエビネエリアのすぐ近くに生えていたのです。なんか不思議な喜ばしい気持ちになりました。
« 不明の植物→ウスバスナゴショウ | トップページ | カヤランの成長 »
「野生ラン」カテゴリの記事
- ヒメフタバラン実生苗の確認(2026.03.13)
- 移植先のヒメフタバラン(2026.03.06)
- 馬頭観音の植物(2025.11.25)
- カヤランとクモラン(2025.09.19)
- ヒガンバナと十日後のシュスラン(2025.09.17)
「草本」カテゴリの記事
- ヤエドクダミ(2026.06.11)
- 不法投棄監視パトロールで出会った花達(2026.05.28)
- ハナミョウガ(2026.05.22)
- キヨスミミツバツツジとシロバナタチツボスミレ(2026.04.23)
- カタクリとコシノコバイモ(2026.04.11)









コメント