今年も遅いアキザキヤツシロラン
土・日は、町内のお祭りの準備や片づけがありました。幸い、当初の大雨予報が外れたおかげで無事に終了しました。諸々があって遅くなってしまった植物の調査に、昨日行って来ました。
依頼を受けたのは、アキザキヤツシロランの調査です。
やぶ蚊に刺されながら孟宗竹林内に入ると、所々でこんな光景が目に留まりました。腐生ラン(菌従属栄養植物)に興味を持つ前は「気持ち悪い!」と感じるだけでした。腐生ランは、発芽から生育まで100%菌類に栄養依存しています。写真の菌がアキザキヤツシロランの共生菌かは分かりませんが、そうだとしたらこの林内での個体数が期待できます。
彼方此方探して見つかったのはこの蕾だけでした。昨年も、初回の探索で発見したアキザキヤツシロランは数個体だけでした。その後、複数回訪れ例年(の見頃)より一月以上遅れていることが分かりました。今年はさらに遅いような印象を持って孟宗竹林を後にしました。
草刈のボランティアに参加している富士市沼川遊歩道沿いのヒガンバナも出現が遅れて心配でした。Webニュースで、埼玉県日高市の巾着田のヒガンバナも例年に比べて遅れていることを知りました。秋に咲く花は、気温の低下を感じて開花するそうです。アキザキヤツシロランも、猛暑のせいで地上部に姿を現すのが遅れているのではないかと思います。
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お久しぶりです。いつも「静岡県の植物探索」を楽しく拝見させて頂いてます。こちらの方では、今日、アキザキヤツシロランを確認できました。まだ、早いのか数株のみですが(花は開いているものもありました)。ヒガンバナの開花は、昨年と比べると1週間ほど遅いので、アキザキヤツシロランもこれからが本番になると思います。
それにしても、竹林でのクモの糸と蚊が鬱陶しいですね。虫除けスプレーと団扇が手放せないです。
投稿: ichi | 2024年10月 6日 (日) 10時53分
ichiさま、今晩は!
この竹林では昨年よりもさらに遅いように思います。
私はやぶ蚊の雌に好まれるのでいつも大変です。
手入れがされていないので倒木も多くクモの巣も彼方此方にあります。
そのうえ竹林に到達するまでにはイノコヅチとアレチヌスビトハギに悩まされます。
幾度も行くのが億劫になります。
投稿: やまぶどう | 2024年10月 6日 (日) 18時01分
お早うございます。
こちらの方では、竹林に行くまでのひっつき虫の被害はありませんので、その点では気楽に探索できます。
その他の草地では、アレチヌスビトハギの実がビッシリ付くことがあります。この実(ひっつき虫)は、なかなか取れないので、困り者ですね。
投稿: ichi | 2024年10月 7日 (月) 03時30分
ichiさま、お早うございます。
この竹林はアプローチが大変なため人と出会う事はありません。
アキとクロそして発生時期は異なりますがタシロランも生育します。
放置されているため年々様子も変わって来て心配な面もあります。
アレチヌスビトハギの果実は払ってもなかなか落ちませんね。
投稿: やまぶどう | 2024年10月 7日 (月) 06時09分
こんばんわ。
竹林でタシロランが見れるのですね。今年はお目にかかれなかったのですが、去年は7月初旬にクヌギ、シラカシなどの森と、そこへ行く道端で見かけました。道端の近くには竹林があったので、竹林にも共生菌があるんですね。これからは、タシロランを探すときは竹林も回ることを考えます(情報を有難うございます)。
ところで、タシロランは花がタコ、イカが泳ぐような形で、また花を含む全体が白(肌色)と、アキやクロに劣らずユニークなランですね。
投稿: ichi | 2024年10月 8日 (火) 17時21分
ichiさま、お早うございます。
タシロランの共生菌はイヌセンボンダケなどヒトヨダケの仲間だそうです。
本来は暖かい地域の腐生ランだそうですが、温暖化の影響で北上し富士の山間地でも見かけるようになりました。
神社などの照葉樹林内や孟宗竹林そして笹藪にも生えます。
ただ、地上に姿を現して開花すると、短期間に花柄子房が膨らみ種子散布を行います。
地上に姿を現している期間がとても短いので、見逃してしまう事も多い野生ランです。
この時期、アキザキヤツシロランを探してタケの葉を除けると、地中部の見つかることがあります。
透明感のある白い根のような器官の所々に疣状の膨らみが見られるのがタシロランです。
投稿: やまぶどう | 2024年10月 9日 (水) 06時04分