マネキグサ
シソ科の植物は、富士市植物仮目録2023年中山Ver.(富士市が公開したものとは異なります)に約60種記載されています。比較的群生を見る種が多い中で、希少種とされる種もあります。このマネキグサも環境省、静岡県ともに準絶滅危惧(NT)に指定されています。
花は小さいですが、暗紅紫色に白い縁取りがとても印象的です。
見比べると、花形にも個性があって面白いです。
シソ科マネキグサ属マネキグサ(Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino)。オドリコソウ属(Lamium)に分類されることもありますが、最新のYlistに倣いました。
生育地では数えきれないほどの個体数を見る事が出来ます。地下茎による栄養繁殖が盛んなだけでなく、実生苗も結構確認できます。それなのになぜ「稀」なのでしょう?
それは種子散布方式に原因があるのではないかと思っています。この植物の種子は重力散布されるのではないでしょうか?鳥や獣、或いは風により散布されるのならもっと彼方此方で見られると思います。湿地の植物で同じくシソ科のヒメハッカは、種子が重力散布されます。そして、他の植物が繁茂する自生地に於いて実生苗と思われる丈の短い芽の大半は、地下茎から伸びたものです。これは、栽培実験で確認しています。植物がどういう経緯で現在のような生態(繁殖方式)を選択したのか想像するのも楽しいです。
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