ミズオトギリとヌマトラノオ
湿原に生育する植物に出会う機会は少なく、特別な思い入れを持って見てきました。同時期に開花するミズオトギリとヌマトラノオは、浮島ヶ原自然公園で出会ったのが最初でした。
左がミズオトギリで、右がヌマトラノオです。掲載写真は、地域産の種子を採取して育てたものです。
ヌマトラノオは県内各地で生育確認されており、「稀ではない」とか「やや普通」と表現されていますが、湿原自体が少ないので、どこでも見られるわけではありません。湿原に生育する植物のうち地下茎で栄養繁殖する種は、適正な環境なら群落を形成します。ただ土壌が乾燥化すると、草丈が短くやがては姿を消していきます。ヌマトラノオとオカトラノオは開花時期が同じなため、交雑種のイヌヌマトラノオが生育確認されている場所があり、静岡県東部では田貫湖が挙げられています。
静岡県植物相調査報告書によると、静岡県東部におけるミズオトギリの生育地は田貫湖と浮島沼で、花は午後3時から4時頃開花するとあります。田貫湖の生育地は、今年初めて確認しました。
ミズオトギリもヌマトラノオと同じく地下茎で栄養繁殖しますが、ヌマトラノオの方が繁殖力は旺盛で田貫湖の生育地ではその違いが如実に表れていました。
オトギリソウ科ミズオトギリ属ミズオトギリ(Hypericum crassifolium (Blume) Nakai)。
サクラソウ科オカトラノオ属ヌマトラノオ(Lysimachia fortunei Maxim.)。
このところ異常に暑い日が続いています。木曜日には、畑の除草と遅ればせのジャガイモを収穫しました。デストロイヤー(グラウンドペチカ)を二畝だけ収穫するのに、あまりの暑さに危険を感じ幾度も木陰に退避しました。残りの種は後日です。
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