ホソバショリマ再び
昨日は、一般の人が入れない場所の植生調査をさせていただきました。主目的はラン科でしたが、予期せぬ出会いがありました。
切っ掛けは僅か3本のこの葉でした。「あれっ、下の方に小さな耳状の羽片がある!ホソバショリマじゃないか?」周辺を探しましたが、この一株以外は見つかりませんでした。
付近には、よく似た葉色のシダ植物が繁茂しています。この葉が出芽して間もないと思われる姿だったことも気づく要素となりました。ホソバショリマは常緑ですが、この地域では冬に地上部が枯れます。そして同じく冬に地上部が枯れる他のシダ植物よりも遅れて新葉が伸びて来ます。
いったん車に戻り、長期戦覚悟で再探索を開始しました。
上の3本の葉の所から数百メートル歩いた場所で、この群落と出会いました。
ホソバショリマだ!そして周辺を注意深く探索すると・・。
更に大きな群落がありました。そしてここから離れた他の場所でも2か所の群落を発見しました。
現地はササ刈がされていましたが、地上部の無い冬に刈るため群落は無事でした。管理者の方に現地を見ていただき、群落の保護をお願いしました。
ヒメシダ科ヒメシダ属ホソバショリマ(Thelypteris beddomei (Baker) Ching)。中国名は「長根金星蕨 」・・根の特徴や葉色を上手く表現された命名だと思います。
杉野孝雄先生の静岡県産希少植物図鑑に「東部の富士宮の限られた場所にある。筆者により田貫湖で発見されたのが、本州では最初の記録。静岡県は分布の東源自生地である。」とあります。
また、国立科学博物館つくば実験植物園のWebページに「当園のものは北限産地とされる富士宮市産を一鉢いただいたものが、現地同様に小川の土手に見事な群落が再現されました。」とあります。
ホソバショリマの群落を見るのは、これが2度目です。主目的は果たせませんでしたが、今回は自身で発見した事もあり、より嬉しい成果を得る事が出来ました。
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