マンネンスギ
研究者の依頼を受けて、ある植物の標本採集に行って来ました。そこにシダ植物のマンネンスギが生えていたので撮ってみました。
地面を這っているのは、マンネンスギと同属のヒカゲノカズラです。ヒカゲノカズラを最初に見た時は、カイニンソウ(海人草/標準和名はマクリ)を連想しました。幼いころ回虫の駆除薬として飲まされた記憶があります。とても不味かったです。
この場所はスギ・ヒノキの人工林ですが、初めて出会ったのは富士山の亜高山帯でした。比較的高度の高いところに生育しているようです。少し形態は異なりますが、低山の小川脇などでマンネンスギに似たミズスギに出会うこともあります。
スギのミニ盆栽のようなこのシダ植物を気に入って、見かけるといつも写真を撮って来ましたが、その度、撮るのが難しいと感じています。
植物園の手伝いをするまでは、シダ植物で興味を惹いたのはヒカゲノカズラ科のヒカゲノカズラとマンネンスギくらいでした。
ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属マンネンスギ(Lycopodium dendroideum Michx.)。
植物園の草本エリアに何種類かのシダ植物を植えてあります。シダ植物は簡単に根着く種もあればそうでない種もあり、当初思っていたよりかなり難しいことを知りました。
導入植物は、採集後自宅で鉢植えして根着くのを待ってから、植物園に移植する方式をとっています。理由は、マメな管理ができないため枯れてしまう恐れがあるからです。シダ植物の地上部が枯れてしまい諦めて鉢をひっくり返すと、新しい根が伸びていることがあります。また植えなおして数か月置くと新芽が伸びて来ました。半年~一年と時間をかけて結果の分かる種も多いです。
現在、このマンネンスギを鉢植えして様子を見ています。採集後半年以上経過していて新芽が姿を現していますので、そろそろ移植しようかと思っています。趣味家の人の話では、ヒカゲノカズラ科の栽培は難しいそうです。手間のかかる植物の栽培も、上手くいけば楽しいものです。
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