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2023年10月 3日 (火)

ヤツシロラン類の生育地で見たキノコ

依頼を受けて、蕾の状態のクロヤツシロランとアキザキヤツシロランを探しに行きました。両種とも個体毎に開花時期に差はあります。でも、少し開花の早いクロヤツシロランの蕾の個体が見つかるだろうか?

【スギ林:クロヤツシロラン】

クロヤツシロランは、果柄が20cmほどに伸びたものもあります。初日は、土壌が乾燥気味で生育が遅れると思われるヒノキ林を探しました。でも、思ったより見つかりませんでした。

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翌日は、スギ林に移動しました。クロヤツシロラン自体がなかなか見つからず諦めかけていたところに、このスギの倒木が目に入りました。もしかしたら、クヌギタケ属以外のクロヤツシロランの共生菌の子実体?以前、このような子実体の生えた倒木の傍で、沢山のクロヤツシロランを見かけた事があります。

倒木に隠れるように、複数のクロヤツシロランが見つかりました。しかも、まだ蕾の個体もありました!無事依頼を達成する事が出来て良かった!除けたスギの落ち葉を元に戻し帰路につきました。クロヤツシロランの写真?コンデジを忘れたので無しです。

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こちらの子実体も同種と思われます。新たな実生床用に少し持ち帰りました。クロヤツシロランは、クヌギタケ属と近縁な菌群以外にも多様な菌群とも共生関係を持つことが示唆されたとあります。

【モウソウチク林:アキザキヤツシロラン】

蕾のアキザキヤツシロランを求めて再訪しました。それにしても暑いし、やぶ蚊とクモの巣に悩まされながら探索しました。

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枯れたモウソウチクに出現した子実体です。何というキノコだろう?

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ダイダイガサ(キシメジ科ダイダイガサ属)の幼菌も見つかりました。このキノコ、家の裏庭にも時々生えて来ます。名前を覚えたキノコは、みんなお気に入りです。

【アキザキヤツシロラン】

前回訪問から一週間後の、アキザキヤツシロランの様子を撮ってみました。

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落葉の下に潜んでいたアキザキヤツシロランの花芽です。この竹林で葉、例年9月20日頃に多くの花を見られたのに、まだこんな状態の塊茎がいくつか見つかりました。

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モウソウチクの葉が重なり合ってくっ付き一枚布のようになっていたため、伸び損ねた花茎です。

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前回、見られなかった場所に開花寸前の蕾がありました。例年より、1~2週間遅れという判断が正解だったようです。もう一度、この場所に行かなければなりません。やぶ蚊がいなければいいのですが・・。


研究者の先生たちにより、アキザキヤツシロランとクロヤツシロランの共生菌は、どちらもキシメジ科(Tricholomataceae)のクヌギタケ属(Mycena)もしくはその近縁属である事が解明されているそうです。実生栽培実験では、自生地の部材を採取して菌糸を繁殖させた実生床に種子を蒔いていますが、容器内に繁殖した菌糸が共生菌であるかは分かりません。プロトコウムが確認出来るか塊茎から伸びた根状器官が菌糸と接触した部分での変化で知る事になります。またその子実体の姿も分からずに、いわば当たって砕けろ方式で行って来ました。
◇修正しました(スマホのPCモードで見てくださっている方へ)
ダイダイガサ上段の白いキノコの写真が、パソコンで見ると並んでいますが、スマホのPCモードで見ると上下になっていました。ブログは、選択したテンプレートやプロバイダーによっても微妙な違いや癖があります。私はFC2とココログを使っており、どちらもHTMLで作成しています。写真を横並びに表示する時、各々のHTML文章をFC2では一文字空けてココログでは空けません。年寄には、いろいろ面倒です。

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コメント

いつも有益な情報発信を有難うございます。とても参考になっています。
今日、探し求めていたアキザキヤツシロランとクロヤツシロランを同時に初めて見ることができました。
場所は竹林で、朽ちた倒れた竹の近くに近接して生えていました。
クロヤツシロランは1株しか見られませんでしたが、アキザキヤツシロランは沢山生えていました。アキザキヤツシロランは開花していたものは1つで、まだ蕾の状態のものがほとんどです。
やはり、今年は開花時期が1~2週間遅れている状況が小田原でも見られているようです。9月15日ころから探し出したのは、早すぎたようです。

ichi様、お早うございます。
アキとクロに出会えたようで、良かったですね。
竹林のクロは、スギ・ヒノキ林などに比べて赤味を帯びていませんでしたか?
そうならベンガラヤツシロランとして品種記載されています。
掲載した竹林では、例年少し見られたのですが今年はまだ出会えません。

富士の種蒔き権兵衛様
こんにちわ。ベンガラヤツシロランの情報を有難うございます。撮った写真をよく見てみましたが、赤味というよりは茶色の感じです。おそらくは、クロヤツシロランかな?と思います。
インスタは不慣れでリンクが正しく飛ぶか不明ですが、一応アキザキと一緒に写真をアップしておきました。

https://www.instagram.com/p/CyCkGKcSZDU/


ichiさま、お早うございます。
インスタグラム拝見しました。
クロとアキが並んで生えていますね。
また左下のアキの蕾立派です。
クロは赤っぽく見えませんが、専門家に見てもらいます。

富士の種蒔き権兵衛様
こんにちわ。
お手数をお掛けして申し訳ございません。
今朝、クロを確認に行ったのですが、どうも傷んでいるようでした。しばらく様子を見てみます。

ichiさま、今日は。
クロは、一般タイプのようです。
両種が並んで生えている珍しい写真だと研究者が言っていました。
竹林の種は、スギ林などに比べて赤味を帯びています.
その中でも、ベンガラはかなり赤いとの事でした。

富士の種蒔き権兵衛様
こんにちわ。
いつかベンガラも見てみたいものです。
今日もクロの様子を確認してきました。
蕾が立派なクロはかなり痛んできており、無事果実を実らせるか心配な状況です。
ですが、この近くに新たなクロが出現しており、無事に成長してくれることを祈っています。
この竹林は伐採した竹を竹林内に10カ所くらい積んでおり、見事に朽ちてきています。
もちろん、朽ち倒れた竹もあり、竹の密度もかなり高く、面積も広いです。
そういう環境なので、アキザキの生育には好ましらしく、数十株はあり、見ていて楽しい所です。
やはり、朽ちた竹があるところしか、アキザキは生えないのでしょうか?
ここ以外の竹林を5~6カ所を訪れましたが、整備された状況や、竹の密度が低い竹林、
小さい竹林ではアキザキは見つけることができませんでした。

富士の種蒔き権兵衛様
度々のコメントで申し訳なし。
菌(キノコ類)が有るか、無いかの問題が抜けていました。
菌を調べるのは大変ですよね。ちょっと、素人には難しい問題です。
やはり、地道に竹林を散策するのが良いみたいですね。

ichiさま、お早うございます。
とても熱心に探索されているようですね。
枯れた竹を積んだところは出現しやすいですが、花の時期に気付き難いです。
隙間から伸びた沢山の果柄を見て気付く事が多いです。
湿度が安定している朽ちた竹の下から出現する可能性は高いです。
でも、竹の葉だけの場所からも出て来ます。
ただ、その場合は茎が細く花数も少ない印象を持っています。

基本的に竹林には共生菌が存在すると思っています。
子実体ではなく菌糸の状態では分かりませんが・・。
実生栽培実験では、生育地ではない竹林の部材を使って発芽させています。
どの竹林でも見られないのは、飛散した種子が共生菌と接触して発芽する確率がとても低いからだと思います。
例えば、種子を採取して別の竹林の落ち葉や朽木の下に蒔けば、発芽する可能性があると思います。

富士の種蒔き権兵衛様
こんにちわ
良い示唆をありがとうございます。
ヤツシロランの種蒔き(播種)は是非チャレンジしたいと思います。
これからは蒔くのに適した場所(日の当たらないジメっとしている、竹の葉が積もっているところ、切り株、朽竹、等)も頭の片隅において竹林散策しようと。
種子は容易に取得できそうですし。

今日は別の竹林を探索し、かろうじて数株のアキザキに会えました。
今しばらくは、軽い運動がてらヤツシロラン探索ウォーキングを続けようと思います。

ichiさま、お早うございます。
菌糸から発芽(と生育)の養分をもらうため、枯れた竹や葉の下で菌糸が見られるようなところが良いと思います。
湿度を保った実験容器の中では、播種から一年に満たないで開花に至ります。
自生地の場合はどうか分かりませんが、他のラン科植物に比べればずっと早いようです。

竹林では、やぶ蚊だけでなくコバエにも出会うと思います。
コバエの頭の後ろに白っぽい塊がついていたら、それがヤツシロラン類の花粉塊です。
コバエが送粉者だそうです。

富士の種蒔き権兵衛様
こんばんわ
実践的なアドバイスを有難うございます。
10月末以降に種を採取して、菌糸のある所に播種してみます。
また、上手くいけば1年以内に結果(開花)が分かる可能性があるので楽しみですね。
以前、キンラン、ギンランの播種を調べたのですが、開花までには2~3年以上かかるらしいとの事。
また、エビネは最初は葉っぱのみで花を咲かせないようですし(葉っぱが出るまでどの位時間を要するか不明ですが・・・)。

ichiさま、お早うございます。
温暖化の影響で、西の方でしか見られなかった腐生ランの分布域が広がっているようですね。
私の住む静岡県では、ハルザキヤツシロランやナヨテンマなどは県中部以西でしか確認されていないと思います。
いつか富士市域でも見られるようになる事を願っています。
その内ハルザキヤツシロランが、神奈川県で見みられるようになるかもしれません。
地域の希少植物探索、頑張ってください。

富士の種蒔き権兵衛様
こんにちわ
最新情報を拝見させていただきました。アキザキの開花(生育?)は場所によっては、1か月程度も遅れているとの事。雨不足の影響が大きいのでしょうか。
こちらは、ポツポツと新たな竹林でアキザキに会えるようになりました。でも、数株程度しか見つからず、ちょっと寂しい感じですが。

ichiさま、こんばんは。
塊茎は根(のような器官)を伸ばして菌糸と接触し、それに疣の様なものが出来ます。
接触部が変色し、やがて疣の様なものが出来れば菌糸が共生菌である証です。
これは地中の事なので山野で見る事は出来ませんが・・。
そのタイミングで、土壌が乾燥すると菌糸の状態が悪くなり開花の養分が不足してしまいます。
今年の開花が遅れた原因はやはり雨不足ではないかと思います。
土壌湿度が安定しているスギ林(※)では、例年通りに開花していました。

※アキザキヤツシロランは、通常竹林に生えますが、富士市にはスギ林に生える稀な場所があります。

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