富士市域のナチシダ
萌が健在だった頃、イノモトソウ科の大形のシダ植物であるナチシダとオオバノハチジョウシダを一株ずつ散歩コースで見付けました。当時は、シダ植物に目を向けていなかったため「見た事のない種」としてちょっとだけ気にしていました。機会があり、識者の先生に腊葉標本を見ていただいて種名を知りました。
伊豆天城周辺にカンアオイ属の調査に行った時、沢山のナチシダと出会いました。特徴的な葉身のこのシダ植物は、追記前の富士市植物仮目録(中山Ver.)にも掲載されていないし、杉野先生の静岡県の植物図鑑にも「東部には分布しない」とあります。
ところが、富士市域で2ヶ所の大群落と出会いました。その片方の自生地を覗いて来ました。
群落の一角です。写真を撮った背後は、線状間伐されて明るくなった人工林で、ナチシダの大群落が広がっています。
「葉は鳥足状に分岐して広五角形に広がっている・・」日本では、このような葉身を持つシダ植物は他にないそうです。
このシダ植物は常緑性とありますが、発見した富士市域では冬に地上部が枯れます。この場所も、冬に確認した時は枯れていました。そして春になると新葉が伸びて来ました。同じくオオバノハチジョウシダも常緑性ですが、冬に地上部の枯れるところもあります。萌の散歩道では、両種が数メートル離れているだけでしたが、オオバノハチジョウシダは枯れませんでした。葉の厚みの違いによるものではないかと思っています。
イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。
最近は、考えがあって写真を撮っても掲載しない植物があります。その上、時期を変えて同じ植物を掲載する事が多くなりました。希少植物をWeb検索して訪問される方が激減したためか、二つに分けたブログ記事の月間アクセス数の合計は、前ブログに遠く及びません。でも、固定した訪問者(リピーター)の方がいてくださいます。管理人にとっては、それが一番の励みになります。これからも、懲りずに拙いブログへご訪問頂いただけると嬉しいです。
季節を変えて観察すると、今まで気づかなかった事に目が向くようになります。植物を含めた自然観察の面白さは、そんなところにあるのではないでしょうか?
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