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2023年8月

2023年8月25日 (金)

散歩道のカエンタケ

昨日も今日も雨予報でした。日が射す時間帯もあって迷いましたが、倉庫の工具の整備と刃物を研ぎました。

数日前、萌の散歩道のササ刈をした時に、カエンタケを見付けたので撮ってみました。

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ここは、晩年の萌の散歩コースです。驚くほどのジャンプ力があったのに、晩年はこの倒木を跳び越す事も出来ませんでした。

カシノナガキクイムシの被害により、枯れた木が倒れ始めました。立ち枯れ状態で伐倒すれば良いのですが、バランスの悪いコナラなどを思った方向に倒すのは素人の私には難しく、倒れるのを待って切断するしかありません。

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和名の通り、燃え盛る炎のようですね。

ボタンタケ科トリコデルマ属カエンタケ(Trichoderma cornu-damae)。

カエンタケは毒キノコで、生の子実体3g程度が致死量となるそうです。またフグ毒のテトロドトキシンと同じく、まだ解毒剤は無いそうです。強力な毒の上に解毒剤が無いなんて恐ろしいキノコですね。

カエンタケは、枯れたコナラなどの株元に出現するので、木材腐朽菌の仲間だと思っていました。ところが、木材の中に生育している他種の菌糸に栄養依存していると考えられているそうです。キノコの世界も不思議がいっぱいですね。

2023年8月22日 (火)

ウドの花

ウドの花が咲いていました。

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線香花火みたいで綺麗です。

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咲いている方が両性花序で、下にある小さな蕾の集団が雄花序です。

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光を浴びた両性花です。花柱は5個とありますが、この時点では分かりません。写真の状態は雄性期で、雄蕊や花弁が落ちて柱頭が5個に分かれる頃が雌性期となり、自家受粉を防いでいるようです。花柱の基部の丸みを帯びた部分が花盤(円盤状の花托)です。

この日見た雄花序はどれも蕾の状態でした。雄花は両性花より遅れて咲くようです。雄花が両性花の雌性期頃咲くと自家受粉防止にならないと思うけど、どうなっているのでしょう?

ウコギ科タラノキ属ウド(Aralia cordata Thunb)。中国名は「食用當歸」・・當歸(とうき)は、セリ科シシウド属の多年草で、漢方薬として用いられるとあります。和名と比べると、中国名は納得のいくネーミングが多いですね。


数年前に、ある先生から頂いた著作集を読み直しています。頂いたばかりの頃は、その凄さが良く分かりませんでした。県内に生育する植物の分類に関する事だけでなく、その生態についても様々な調査や実験結果がまとめられています。また地域の環境保全に関する記述もあり、とても勉強になります。

2023年8月19日 (土)

マネキグサの花

マネキグサの花が咲いていました。

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花冠の白い縁取りが可愛いですね。

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花を見比べると、個体毎に微妙な違いがあります。

シソ科マネキグサ属マネキグサ(Loxocalyx ambiguus (Makino) Makino)。

環境省、静岡県ともに準絶滅危惧(NT)に指定されています。ただ、勢いは良く地下茎で増えるため環境が合えば短期間に群落を形成する植物だと思います。この植物の種子を採取しようと思った時、湿地に生育するヒメハッカが頭に浮かびました。種が重力散布のみだとしたら、栄養繁殖で群落を形成する割に生育地が限定されてしまいます。

和名の由来は、花を招き猫の手に見立てた事に由来するとありますが、牧野博士の日本植物図鑑には「多分」と書かれています。

2023年8月12日 (土)

エゾスズランとオニノヤガラ

エゾスズランとオニノヤガラ・・両種とも広範囲な高度で見る事があります。山地と亜高山帯高域で見るエゾスズランは、葉幅や花色など少し違って見えますが、変種や品種とはされていないようです。オニノヤガラは、高い高度で見るものの方が花色が青みを帯びています。

【エゾスズラン】

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歩道を歩いていて目に入った植物・・エゾスズランです。

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上の花にアリが潜っていました。

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別のところでは、茎の上部が食べられていました。撮影場所周辺では、このように野生動物の食害に遭い花を見る事は稀です。

ラン科カキラン属エゾスズラン(Epipactis papillosa Franch. et Sav.)。

【オニノヤガラ】

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茎が折られていました。この周辺では、花茎が伸び始めた頃探しに行くと、上部を食べられたものやこのように折られたものばかりで、果実が熟し種子を散布するまで無事でいる個体はあまり見る事が出来ません。この日は、二つ出会いましたがどちらもこのようになっていました。

ラン科オニノヤガラ属オニノヤガラ(Gastrodia elata Blume)。


クマの爪痕を確認した場所なので、鈴を鳴らしながら登っていくと二人の先行者がいて私を避けるように移動していきました。駐車スペースに止まっていた車は他県ナンバーでした。その場所には、地域でも稀な野生ランを確認した木があり、樹下に真新しい踏み痕がありました。偶然かもしれませんが、ピンポイントでその場所へ行くには容易ではありません。別の野生ラン生育地には、他県ナンバーが2台連なって止まっていました。野生動物の食害は脅威ですが、生育地情報の拡散も希少植物達にとって大敵です。

2023年8月10日 (木)

イケマ属

富士山では、イケマ属を良く見かけます。昔、ある先輩から「富士山に生えるのは、みんなタンザワイケマだよ!」特徴として、花冠が反り返ると教わりました。私の探索範囲では「反り返る」と思われる花は見つからず迷いました。どうも、イケマの特徴と反対に教わったようです。

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ところで、また少し迷っています。

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諸先輩のWebページに掲載されているタンザワイケマは、左の様な形態です。右は、城川先生(当時:神奈川県立博物館勤務)の記載論文に掲載されていた解説図で、左がタンザワイケマで右がイケマです。写真の花と解説図は似ていますね。

タイプ標本は、1984年8月に神奈川県の丹沢山で城川先生により採取されたそうです。

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こちらは上左の接写です。花冠がハスの蕾を思わせる様な感じです。Webで見るものは、もっと花冠は閉じています。

ところが・・。

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こちらは、私の探索エリアで良く見る花です。白い部分が副花冠で外側の黄緑色の部分が花冠です。

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咲き始めは図のようになると思ったのですが、蕾もある下5枚の写真では図の形態のような花は見られません。花冠の反り返りは無いので、これもタンザワイケマで良いのでしょうか?それとも地域変異?

城川先生の記載論文に次のような表現がありました。「不反転型のイケマにも花冠がすぼんだように直立したままのものと斜開するものがある。・・・(どちらも)同じ系統に属するものと考えられる。」

あくまでも、花冠の裂片が反り返るか否かで区別されているようです。斜開するものが私の探索範囲で見られるものを指すのかは、写真や図がありませんので分かりません。Webで見るすぼみ型の花と私の探索範囲で見る花は、素人の私には別種のように見えますので迷いはそのままです。

キョウチクトウ科イケマ属イケマ(Cynanchum caudatum (Miq.) Maxim.)。

キョウチクトウ科イケマ属タンザワイケマ(Cynanchum caudatum (Miq.) Maxim. var. tanzawamontanum Kigawa)。

2023年8月 9日 (水)

オニルリソウ

今日は、雨が降ったり止んだりしています。仕方ないので、倉庫の片付けやパソコンデーターの整理をしています。

図鑑で見ると、オオルリソウとオニルリソウはとても良く似ています。植物は生態の方に興味があり、今迄目を向けて来なかった種で識別の難しいものは、○○属や○○の仲間と表現して、深く追求して来ませんでした。

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別の植物を追って探索していた林内で、この植物に出会いました。「あっ、オオルリソウの仲間だ!」オオルリソウの花序枝の頂部は三又が多いのに対して、オニルリソウは時に二又分岐するとあります。

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開花間もない花はピンクでやがて青色に変わるのは、ヤマルリソウやナヨナヨワスレナグサなどムラサキ科の花の特徴ですね。

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萼片の先が尖り毛が多く果実期に萼片が反り返るのも、オニルリソウの特徴だそうです。

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面白い形の果実がついていました。そういえばヤマルリソウの果実もこのように4個並んでいましたが、あちらは棘が無くドーナツのような形でした。

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茎の下部の毛は、オオルリソウの特徴である伏毛ではなく開出毛がありました。もっとちゃんと撮ったつもりですが、ピンボケだったので別の写真をトリミングしました。

ムラサキ科オオルリソウ属オニルリソウ(Cynoglossum asperrimum Nakai)。

2023年8月 7日 (月)

バイケイソウ

富士山南面では高度1,000mを超える辺りから、バイケイソウを見る事が出来ます。植物探索を始めたばかりの頃、芽覚め始めたこの植物と出会いました。

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初めて見るこの植物の名前は分からず、花期に撮った写真でバイケイソウと知りました。

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花は梅に似ていて、花被片の縁に鋸歯があります。

和名の由来は梅に似た花形と共に、葉が蕙蘭に似る事に由来するとあります。蕙蘭(ケイラン)は、紫蘭(シラン)の古名だそうです。解説を読んでいて、シランに似ているかな?と思いました。

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ズームレンズの調子が悪く、マクロで撮ったため見難いですが・・。今年は各所で沢山の開花株を見かけます。未開花株は早い時期に枯れて行きます。

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接写用コンデジの4倍ズームで・・。開花株の多い事がお分かりでしょうか?バイケイソウは、有毒植物であるためシカの食害に遭いません。2~3年後に行くと、林床がバイケイソウだらけになっていて驚かされる事があります。

以前から気になっていたのですが、バイケイソウは開花株の多い年と極端に少ない年があります。今年は当たり年のようです。

シュロソウ科シュロソウ属バイケイソウ(Veratrum oxysepalum Turcz. var. oxysepalum)。亜高山帯から高山帯下部に分布する小形のタイプをミヤマバイケイソウ(Veratrum alpestre Nakai)と呼ぶそうですが、Ylistでは区別しておりません。


家の庭に、どこからやって来たのかシュロソウが生えています。昨年は咲かず、今年は花茎が伸びて来ました。数年間気にして見て来ましたが、我が家のシュロソウは隔年で花をつけるようです。バイケイソウと同科同属になります。この仲間は、変わった生態を持っているのかもしれません。

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