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2023年7月

2023年7月31日 (月)

キツネノカミソリとフシグロセンノウ

山間の地では、朝夕屋外に出ると涼しさを感じる時もありますが、日中はまだまだ暑い!今日は野菜の水遣りを終えて、不法投棄監視パトロールに行って来ました。そこで出会った橙色の花を二種掲載します。

【キツネノカミソリ】

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彼方此方で、ポツポツ見かけるようになって来ました。園芸用に植栽されるコルチカム(イヌサフラン)などと同じように、花の時期に葉がありません。

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訪花昆虫が、夢中で蜜を吸っていました。

再生畑の入り口にキツネノカミソリとヒガンバナが生育しています。両者の葉は似ていますが、葉の出現時期が異なる事と重複時に見比べると区別出来ます。

ヒガンバナ科ヒガンバナ属キツネノカミソリ(Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea)。

【フシグロセンノウ】

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この植物は、幼い頃近くの林でも見る事が出来ました。それが近年では「稀」な存在となってしまいました。

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ナデシコ科なので、横顔が似ていますね。

ナデシコ科マンテマ属フシグロセンノウ(Silene miqueliana (Rohrb.) H.Ohashi et H.Nakai)。センノウ属(Lychnis)とされているWebページが多いですが、最新のYlistではマンテマ属(Silene)を標準学名としています。


本ブログは、2週間ぶりくらいの更新になります。訪問してくださる方にはご心配をおかけしました。暑くて倒れそうは日は沢山ありましたが、何とか生き延びています。屋外作業していると、あまりの暑さに衣類が汗で重たくなってしまいます。減った体重は、晩酌で補充されるので痩せません。
本日、研究者から著書が届きました。子供向けとなっていますが、とても珍しい植物達が綺麗な写真で掲載されています。光合成を止めた植物がどんな生き方をしているのか、分かりやすく解説されています。興味ある方は、是非読んでみてください。

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著者のコメントの一部を、下記にコピペしました。

光合成をやめた植物の一生を丁寧に描くことを目指したもので、日本語で最もとっつきやすい光合成をやめた植物の解説本だと自負しております。写真集としてもお楽しみいただけると思います。現在好評につきアマゾンでは売り切れてしまっているのですが、ヨドバシカメラや一般の書店で取り寄せできます。

発行所:株式会社福音館書店 定価770円(本体700円+税10%)

2023年7月17日 (月)

ハコネクサアジサイとの再会

数年前に、愛鷹山系の林道脇でこの植物と出会いました。遠目にシモツケの花かと思って近づくと、それとは異なっていました。クサアジサイのようでしたが、葉の殆どが対生でした。

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今年も花が咲いたので撮ってみました。この個体には、装飾花がありません。神奈川県のクサアジサイ(大場達之著)には、「箱根、愛鷹山型の中には、装飾花を全く持たない株が見られる」とあります。この場所の個体は、どれも装飾花がありませんでした。

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こちらは、上記と違う場所で見付けた装飾花のある個体です。この辺りでは、装飾花のある個体は稀です。

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ところで、クサアジサイの葉は互生でハコネクサアジサイは対生とされています。冒頭に「ほとんどの葉が対生」と書きました。互生の葉が気になっていました。互生のクサアジサイも、切断された二次枝は対生になる事があるそうです。

互生葉の脇には蕾がついていました。大場先生の論文に掲載されている標本の写真にも、対生の葉の中に時々互生の部分があります。

もう一つ、クサアジサイ、ハコネクサアジサイ、ミヤマクサアジサイ(異分類)の葉が、スケッチされています。クサアジサイとハコネクサアジサイでは、葉の大きさと、鋸歯の数が異なっています。この場所の個体は、草刈りされた様子もなく鋸歯がずっと少ない事からも、ハコネクサアジサイと思われます。

アジサイ科クサアジサイ属ハコネクサアジサイ(Hydrangea alternifolia Siebold var. hakonensis (Ohba ex H.Ohba) Hasseg. et Katsuy.)。

旧分類体系のエングラーでは、Saxifragaceae(ユキノシタ科)とされています。

2023年7月15日 (土)

ホタルブクロとヤマホタルブクロ

昨日は、植物園の草刈りに行って来ました。暑くて汗びっしょり・・ダイエットに良いですよ。

広葉樹エリアの保全林を歩いていると、イヌゴマやホタルブクロの花が見頃でした。管理歩道の草刈りをしようと下見していると・・。

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あれっ、ホタルブクロではなくてヤマホタルブクロだ!

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ヤマホタルブクロとホタルブクロを並べてみました。左がヤマホタルブクロで、右がホタルブクロです。

ヤマホタルブクロは、萼片の間が盛り上がっていて反曲する付属片が無く、ホタルブクロには萼に反曲する付属片があります。それと、ホタルブクロの方が萼の毛が多いですね。

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花の中を覗いてみました。キキョウ科の花は雄性先熟です。オシベが役目を終えてメシベの柱頭が開き始め、メス花期に入っているようです。

キキョウ科ホタルブクロ属ホタルブクロ(Campanula punctata Lam. var. punctata)。
キキョウ科ホタルブクロ属ヤマホタルブクロ(Campanula punctata Lam. var. hondoensis (Kitam.) Ohwi)。


ヤマホタルブクロの方が山地に多いようですが、県内では両者とも低地から山地に分布とあります。富士山こどもの国でも、花の谷周辺で両方を見る事が出来ます。富士山の亜高山帯では、花が地面につくような矮性のヤマホタルブクロが見られますが、変種や品種とはされていないようです。

2023年7月 2日 (日)

ネジバナ

栽培棚の鉢に生えてきたネジバナを撮ってみました。植えたのではなく自然に生えて来た個体なので、こちらのブログに掲載します。

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淡い色のタイプです。

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こちらは花色の濃いタイプです。

ネジバナはどの個体を見ても結実率が高いので、自動自家受粉するのかと思っていました。でも、図鑑には「自動自家受粉は認められない」とあります。

ラン科ネジバナ属ネジバナ(Spiranthes sinensis (Pers.) Ames subsp. australis (R.Br.) Kitam.)。

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送粉者は、コハナバチなど小形のハチが多いとあります。ラン科植物を訪れるハチは、頭の後ろに花粉塊をつけているのを良く見かけます。ところがこの花を訪問したハチは、嘴の上につけるようです。暫く眺めていましたがハチは訪れず、アザミウマが花に出入りしていました。

花粉塊の接着力が弱いカキランは、ハナアブだけでなく花の中を歩き回るアザミウマによっても受粉する事が、研究者によって明らかにされています。写真のアザミウマも、受粉に貢献しているのだろうか?

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