ナチシダとコキンバイザサ
不法投棄監視パトロールで出会った植物・・続きです。
【ナチシダ】
富士市域でナチシダに初めて出会ったのは、今は亡き「萌」との散歩道でした。そこには、ナチシダとオオバノハチジョウシダが一体ずつ生えていました。オオバノハチジョウシダは、地上部が枯れずに冬を越しますが、ナチシダは地上部が枯れてしまいました。
その後、富士市域でナチシダの群落を2ヶ所確認しました。1ヶ所は不法投棄監視パトロールのコースになっている林道脇の人工林でした。晩秋に地上部が枯れたのを確認してから訪問した事が無かったので、ついでに確認して来ました。
新たな葉が展開していました!
発見時、この辺りに多いウラジロかと思って林内を覗いたら、100個体を優に超えるナチシダの群落でした。周辺の林内も調べましたが、線状間伐して明るくなった林内だけに確認出来ました。
イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。
イノモトソウ科のシダ植物は、シカの摂食対象にならないそうなので、今後ますます増えていくものと思われます。
【コキンバイザサ】
同じ林床の木材搬出道に、コキンバイザサの花が咲いていました。一般的な開花時期は5~6月となっていますが、別の場所の観察ではもっと長く、秋に花を見た事も幾度かあります。
この場所では初確認なので、花が咲いていなければ気付かなかった事でしょう。事前に生育が確認出来ていれば、未開花株でも葉の触診でスゲの仲間と区別する事は出来ます。
キンバイザサ科コキンバイザサ属コキンバイザサ(Hypoxis aurea Lour)。
最近では、研究者の依頼以外では不法投棄監視パトロールのついでに山野の植物を観察するくらいで、探索範囲がますます狭くなって来ました。それでも視点を変えて観察すると、新しい発見がいろいろあって楽しいものです。以前は、諸先輩のWeb記事などを見て、珍しい植物が掲載されているとそわそわしていましたが、そういう気持ちになる事は殆ど無くなりました。
考えがあって掲載しない植物もあり、前ブログに比べて訪問者の方もずっと少なくなりました。それは仕方ない事ですが、ブログタイトルを静岡県→富士・富士宮市の植物探索にした方が良かったなんて思っています。
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