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2023年6月22日 (木)

ナヨテンマ

ナヨテンマ・・私はこの植物に出会った事がありませんでした。以前、ある先生から、県内に沢山生育している場所があると伺った事があります。友人から送ってもらった写真を見て、「ヤツシロラン類の花に似ている!」と思い、直接観察したくなりました。

位置情報を教えてもらい、嫁さんと一緒に昨日探索に行って来ました。

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初めて目にしたナヨテンマです。予想していたより花茎が細く丈が高い!

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やはり、ヤツシロラン類の花に良く似ています。

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花茎にアブラムシが集っていました。あまり見かけない色の種です。

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比較のためにヤツシロラン類の花を掲載します。左がアキザキヤツシロランで右がハルザキヤツシロランです。似ているでしょ?ただ、ヤツシロラン類は花茎が短く、受粉すると花柄が驚くほど伸びて来ます。ナヨテンマは花茎が長く開花時期から目立っています。受粉すると花柄が少し伸びるようです。花茎が長い事に関しては、オニノヤガラやシロテンマなどと同じですね。

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花筒が萎み子房の膨れているものもありました。しかも横向きだったものが上を向いています。種子散布が近いと思われます。

ラン科オニノヤガラ属ナヨテンマ(Gastrodia gracilis Blume)。


私は丹沢の師匠に教わり、ヤツシロラン類の実生栽培実験を行って来ました。実験容器の中で、ハルザキヤツシロラン、アキザキヤツシロラン、クロヤツシロランの花を見る事が出来ました。ナヨテンマは、オニノヤガラの生薬名と同じテンマの名がついていますが、DNA情報を用いた解析の結果、オニノヤガラよりもヤツシロラン類に近縁である事が分かったそうです。

その事から、師匠と一緒にナヨテンマの実生栽培にも挑戦してみたくなりました。果実が熟す時期が不明ですが、現地の様子から2週間後くらいには果実が割れ種子を散布する個体があるのではないかと思います。植物に興味がなく渋い顔の嫁さんに、その頃の同行をお願いしました。

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コメント

感激ですね!!!!!
ナヨテンマ 無事採種できて栽培に繋げられることを祈っています!

もこままさん、今晩は。
有難うございます。
ナヨテンマは腐生ランなので、容器内のキノコ任せです。
でも、上手くいけば他のラン科植物よりも短期間に、開花に至る事が出来ると思います。
クロヤツシロランは、播種から一年に満たないで花を見る事が出来ました。

ご夫婦で山へ、それは羨ましいですね。此方はその時代も過ぎて絶対に行けませんね(笑)。

ところでシロ、ナヨテンマの記事懐かしく拝見しました、一時凝りに凝って居ました。最近になって
これらの共生菌について疑問視するようになりました。研究論文は別としてです。
オニノヤガラを含めてです。タカツルランを発芽させたことによる見解です。シロ、ナヨテンマは
蒔いた経験がないのでなんとも言いませんが、ヤツシロラン、タカツルランは全く同じ培地(クロの咲く)
で発芽しましたがヤツシロランは開花まで到達しましたね。しかしタカツルランは発芽したが5cm止まりで
それ以上は伸びませんでした。1.6mまで伸びたのが立ち枯れのクヌギ材に発芽した部位でしたが
事故って折損してお終いです。以上の事からご承知の通りこれらの腐生ランは複数の共生菌が係わって
いる事が実感しました。クロヤツシロランは杉倒木の中に侵入して開花している部位を発見して驚き
ました。つまりクロヤツシロランの共生菌はサルノコシカケ属ではないかと疑えました。ある研究機関に
クロヤツシロランのプロトコ-ムと生えてきたきのこを送り同定してもらいましたところ。サルノコシカケ属
に近縁とわかりました。そんな事でタカツルランが遠地で発芽できたのも納得する事ができました。
在野のバカ知恵ですが、シロ、ナヨテンマも自分の知識を信じて事に当たればなっとくする結果がでると
思いますので両者発芽させて下さい。何と言っても最速のラン科は腐生ランだと分かったのですから。
研究者たちは播種、育種は一銭にもならないからやりませんね。花を咲かせ種子を採って初めて種の
保存に貢献するはずだがやりませんね。

ayumu様、お早うございます。
私は、ある考えがあって、最近はごく一部の友人としか山野を歩かなくなりました。まぁ、昔の一人歩きに戻っただけですが・・。今回は、義母の様子見に行ったついでなので、植物に興味のない嫁さんも渋々ついて来ました。

師匠のクロの実生床で、アキやハルそしてタカツルランなどが発芽した事がずっと気になっていました。アキに関しては、県西部在住の先生の広範囲な調査資料でも、竹林だけが掲載されていました。そんな中、人使いの荒い研究者と富士市域のスギ林で初めてアキとクロの混生を見ました。逆に、竹林での混生は富士市域でも以前から確認しています。そこに生えるクロは赤っぽく、品種のベンガラヤツシロランとして記載されてた事も知りました。稀だとは思いますが、アキはスダジイの林下でも生育確認されていたそうで、両方併せて小論文が発表されました。
ナヨテンマの種子が無事採取出来たら、送らせていただきます。頻繁に様子見に行けないので、採取のタイミングが合うか心配ですが・・。

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