ヒメフタバラン(富士市)
私の住む静岡県東部で生育確認したフタバラン類は、アオフタバラン、タカネフタバラン、ミヤマフタバラン、コフタバラン、そしてヒメフタバランがあります。その中で、アオフタバランとヒメフタバランは同じくらいの高度で確認しています。
数年前の5月連休、花も終盤を迎えつつあるフタバラン類を、富士市域のスギ林で見付けました。「今頃咲くフタバラン?」初めての出会いでもあり、その種名も分かりませんでした。後日、高知の先輩のブログを見て、それがヒメフタバランである事を知りました。
富士市某所・・。
ヒメフタバランが目覚めていました。標準的な葉の個体です。フタバランの仲間は、地下茎で栄養繁殖します。下の小さな葉の個体が、実生苗なのか栄養繁殖によるものなのかは分かりません。このまま、子孫を増やし続けてくれると嬉しいのですが・・。
こちらは斑が入っています。富士市域では、ここでしか出会っておりません。
冒頭の蕾をつけた個体を接写してみました。地域で、春咲くラン科植物の中でも一番早いと思います。
ラン科サカネラン属ヒメフタバラン(Neottia japonica (Blume) Szlach.)。葉の形態などにより、幾つかの品種が記載されています。
静岡県植物相調査報告書(1983年)によると、県東部の生育確認地として「御殿場。ごく稀。」とあります。私は富士市域の極狭い範囲ででこの植物と出会いました。その後、周辺の林内を探索して歩きましたが、他の場所では出会えずにいました。その場所は、標準タイプばかりでした。そして、新たに発見した場所で斑入り葉の個体と出会う事が出来ました。現時点で、3ヶ所に生育地を見付けましたが、何れも個体数は少なく間伐などにより姿を消してしまう恐れがあります。
静岡県西部には、ヒメフタバランの大群落があります。どうして県東部では極狭い範囲にしか生えていないのでしょう?富士市域で発見した生育地や御殿場市に記録がある事を考えると、気温の関係ではないと思えます。そういえば、アオフタバランも同様に、富士市域では小群落しか見ておりません。
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