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2023年1月

2023年1月24日 (火)

ウチワゴケとマメヅタ

近くの林内の溶岩に着生していたウチワゴケとマメヅタを撮ってみました。

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この溶岩を覆っているのは?

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コケ植物かと思ったら、ウチワゴケでした。コケの名がついていますがシダ植物です。胞子嚢群は、何処についているのだろう?

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胞子嚢群を包膜が包んでいます。

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コケシノブ科アオホラゴケ属ウチワゴケ(Crepidomanes minutum (Blume) K.Iwats.)。中国名は、團扇蕨・・扇の塊或いは丸い扇のような形のシダ植物かな?

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こちらの石には、ウチワゴケとマメヅタが着生していました。

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胞子嚢群は見当たりませんでしたので、別の時に撮った写真を下に掲載します。

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栄養葉は円形~楕円形ですが、胞子葉は狭披針形で立ち上がっています。栄養葉だけ見ると、ラン科植物のマメヅタランに良く似ています。ピンボケが激しくて恐縮です。

ウラボシ科マメヅタ属マメヅタ(Lemmaphyllum microphyllum C.Presl  マメヅタ)。中国名は、伏石蕨 (抱樹蕨)・・石に伏す・樹を抱く~着生の様子を上手く表現している名だと思います。

胞子嚢群の付き方は、種によって様々です。考えてみれば、種子植物の果実(種子)もいろいろな形があります。また栄養繁殖の仕方も、両者(種子植物とシダ植物)いろいろあって興味深いです。其々、子孫を残すために多様な進化を遂げていて、素人ながらにその経緯を想像するのも楽しいです。


今冬一番の寒さとの予報なので、再生畑②のホウレンソウに、ネットを被せて来ました。でも、日中思ったほど寒くはなく、伐採木の片付けで汗をかくくらいでした。今夜あたりから冷えるのかな?今迄暖かかったから、人も植物も心配です。

2023年1月18日 (水)

冬のサイハイラン

サイハイランは、希少種の多いラン科植物の中でも比較的出会う事の容易な種です。静岡県東部では、富士市より富士宮市の方がずっと個体数が多いと思います。

富士宮市にある植物園の敷地内にも、所々に生育しています。花後に葉は枯れ、秋口にまた出て来ますので、冬には立派な葉が見られます。

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樹木の下だけでなく、草の中に潜んでいる事もあります。

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こちらは、日照の良い管理歩道脇に生えていました。葉表が黄色味を帯び、生育不良のような印象を受けます。

二段目と三段目に、黄色い星点のある葉が写っています。初めて見た時は、病気の一種かと思ったのですが、これは斑入りに該当する個体変異で「蛍斑」と呼ばれているようで時々見かけます。

ところで・・。

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こちらは、ツツジ植栽のために樹木を伐採して日当りが良くなった場所に生育していた個体を、保全区に移植したものです。サイハイランは、実生の他分球(栄養繁殖)でも増えます。小さな葉は分球株です。

Wikipediaによると、「長期栽培や移植が難しい植物として知られる。・・・多くの場合は、数年で(偽球茎の)養分の蓄積が枯渇し衰弱枯れ死する。」とあります。

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Wikipediaには、さらに興味深い事が書かれていました。上はサイハイランとタシロランです。片や光合成をしながら共生菌にも栄養依存している部分的菌従属栄養植物、片や100%共生菌に栄養依存している菌従属栄養植物(腐生ラン)です。

両方の植物から検出された菌根菌は、極めて近縁である事が分かったそうです。その菌根菌は、「菌従属栄養植物の生育を支えるだけの十分な栄養供給能力を有している。」「サイハイランは、葉を持ちながら菌従属栄養性を発達させる途上にあると考えられている。」とあります。光合成をしているラン科植物の中でも、共生菌への依存度の高い植物のようです。

植物園の場合、移植しなければ枯れ死してしまうと判断して、スギ林の林床に移植しました。地中には、整地する前の枯れ枝などが鋤き込まれています。栄養依存する腐生菌の餌になるか分かりませんが、広葉樹とスギの落ち葉などを敷き詰めてあります。今は立派な葉を展開していますが、ここで生き続けてくれるかは現時点で判断出来ません。マメに観察していきたいと思っています。

2023年1月 6日 (金)

コンテリクラマゴケ

かなり前から、家の庭にカタヒバとコンテリクラマゴケが生えて来ました。どちらも繁殖力旺盛で除草が大変です。コンテリクラマゴケは、「青みを帯びた葉が美しいので観賞用に栽培される」とあります。私は青緑色のような葉を見て、ちょっと不気味な印象を受けました。

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季節によっては、もっと青みを帯びた感じになります。

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「ある程度の耐寒性があり・・」場所によっては、色変わり(紅葉)したり枯れる葉もありますが、スギ・ヒノキ林などでは青緑色を保ったまま冬を越します。

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紅葉した葉の表裏を撮ってみました。

コンテリクラマゴケは、コケの名がつきますがシダ植物です。中国原産の帰化植物で、富士市や富士宮市でも、大きな群落が複数個所見られます。クラマゴケやタチクラマゴケに比べてずっと大きくなります。

イワヒバ科イワヒバ属コンテリクラマゴケ(Selaginella uncinata (Desv.) Spring)。

中国名は翠雲草。葉表が紺色で光沢がある事から和名がつけられたそうです。葉表の色は、季節や生育場所の環境でかなり変化します。放置すると繁茂しますので、要注意です。

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