凍てつくシシガシラ
12月2回目の不法投棄監視パトロールに行って来ました。
林道の寒さは半端ではなく、車から降りて少し歩くと指先が痛く感じました。
この林道脇の法面には、シダ植物のシシガシラが見られます。個体数を多く見られる種ですが、何処にでも見られるわけではなく、地域の生育場所はある程度限定されているように思います。
真ん中に立ちあがっているのは胞子葉です。良く似たオサシダの胞子葉が基部に向けて徐々に小さくなるのに対して、こちらは急に小さくなっています。
胞子葉の上部両面を接写してみました。
法面でなく側溝脇の個体は霜に覆われていました。殆どの栄養葉が、変色して枯れているようでした。同じ種でも、生育地の環境によって厳しい生き方を強いられているようです。
シシガシラ科シシガシラ属シシガシラ(Struthiopteris niponica (Kunze) Nakai)。 大場先生の植物分類表によると、Blechnum(ブレクヌム/ヒリュウシダ属)にStruthiopterisも包含(incl.)されているとありますが、Ylistの標準学名に倣いました。
以前、興味深い論文を見付けました。それはシダ植物に含まれる重金属(比重が4以上の金属)を調べたものでした。土壌中の重金属濃度が高い場所でも、元気に育っている植物があるそうです。ある地域のシシガシラから鉛や亜鉛が検出されたそうで、こういう植物を重金属蓄積植物と呼ぶそうです。蓄積される重金属は植物によって異なり、各々の指標植物とされています。一番気になる金は、ヤブムラサキに蓄積されるとあります。ヤブムラサキを見る目が変わりますね。
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