スギ・ヒノキ林の野生ラン(富士市域)
10月31日は、大学院生のフィールドワークに付き合いました。彼らが調査をしている間に、今迄より少し広範囲に探索してみました。
少し樹木密度が高く、暗めの林内でした。
この日出会ったラン科植物を集めてみました。
さて、これは何でしょう?
ヒトツボクロの赤ちゃんでした。葉の更新が終り新葉が展開して、そろそろ種子を飛散する時期でした。
ラン科ヒトツボクロ属ヒトツボクロ(Tipularia japonica Matsum.)。
ミヤマウズラです。前々回の記事と葉模様を比べてみてください。富士市域の場合、スギ・ヒノキ林ではベニシュスランに比べて個体数は少ないと思います。
ラン科シュスラン属ミヤマウズラ(Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.)。
こちらがベニシュスランで、少し広範囲に生えていました。ミヤマウズラと同じく葉模様の変異が多く、基本種と異なる変則な斑入り葉の個体も稀に見られます。
実生苗が各所で見られました。中上にヒノキの球果が写っていますので、小さな事が分かると思います。
ラン科シュスラン属ベニシュスラン(Goodyera biflora (Lindl.) Hook.f.)。
ヤクシマヒメアリドオシランも、所々で見られました。記録している分布域が、さらに広がりつつあります。
ラン科オオミギラン属ヤクシマヒメアリドオシラン(Odontochilus yakushimensis (Yamam.) T.Yukawa)。
この他に、コクランと葉が枯れる寸前のアオフタバランも数株見る事が出来ました。
山野を歩き始めた頃は、スギ・ヒノキ林に魅力を感じる事はありませんでした。依頼を受けてある植物を探した時に、予想外の出会いがあり、その後探索対象となりました。
遠方から来た学生さんたちは、大学院に戻りサンプル整理などをするそうです。家に戻ったのは夜中~明け方だったと思います。分野は違いますが、現役時代の忙しかった頃を思いだしました。熱意を持った研究者の手伝いは、とても興味深く勉強になります。今後も、依頼があれば続けたいと思っています。ただ、年齢的にそう長い期間ではないかもしれませんが・・。
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