静岡県東部のナチシダ
富士市域西部で生育確認したナチシダを、10月15日に掲載しました。そして、昨日不法投棄監視パトロールで行った富士市東部で、ナチシダの群落と出会いました。
地域の山林は、各所で間伐作業が行われています。ここでは写真中央が間伐されていました。このような間伐を「列状間伐」というそうです。
隣接する未間伐の林内には見られず、このように間伐して林床の明るくなった場所に生育していました。
林道から覗き見た時はウラジロかと思いましたが、少し違和感があったので林内に入って確認したところ、ナチシダと分かりました。
とても大きなシダで見応えがあります。
この個体は、小羽片の基部に通常の裂片ではなく小形の小羽片のようなものがついています。
胞子嚢群は小羽片の裂片の縁に沿ってついています。胞子嚢群の付いていない先端部には鋸歯があります。
イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。
数年前、N先生から富士市域の維管束植物仮目録のテキストデーターと一緒に、H先生が調査された富士市域のシダ植物調査リストも頂きました。その中にナチシダは掲載されていませんでした。リストをまとめられた最終年は分かりませんが、当時は富士市域に無かったのだろうと思われます。
ナチシダは、シカが食べないそうです。今回確認した林内では、ざっと数えて100株を優に超えていました。数年後には、ナチシダでいっぱいになるかもしれません。
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