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2022年10月

2022年10月28日 (金)

セキヤノアキチョウジ

昨日は、富士市より委嘱を受けている不法投棄監視パトロールに行って来ました。林道脇では、シロヨメナなどの野菊の花が多く見られ、所々にセキヤノアキチョウジが咲いていました。

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この時期の林道脇には白系の花が多いので、青紫色の花は目を惹きます。

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この花はなぜこんなに長いのでしょう?送粉者との関係なのか理由を知りたいものです。

種を採って蒔いてみようと思っていますが、シソ科の種は熟すと直ぐに落ちてしまうので、採取のタイミングが難しいかもしれません。

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まだ蕾が沢山ありました。

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口を開けているようで、面白い形態ですね。老眼なのでピント位置がずれてしまいました。

シソ科ヤマハッカ属セキヤノアキチョウジ(Isodon effusus (Maxim.) H.Hara)。白花品種も記載されていて、タイプ産地は静岡市の竜爪山だそうですが、私はまだ見た事はありません。

母種のタイプ産地は箱根なので、関屋は箱根の関所という事ですね。発見当初は分かりませんが、今では他地域の方が多いような印象を持っています。

2022年10月26日 (水)

ミヤマウズラ

カギガタアオイの調査に行った尾根で、ミヤマウズラを見付けました。

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あまり見る事のない綺麗な斑です。一瞬、(斑の綺麗な)ヒメミヤマウズラを思い浮かべました。少し離れたところにも同じような模様の個体が生えていましたので、実生で引き継がれるのかもしれません。

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こちらは少し違った感じです。

ミヤマウズラの斑は、見比べるとバラエティーに富んでいて面白いです。以前撮った写真を、LAN-DISKから少し取り出してみました。

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こちらは斑だけでなく、葉の形も良いので目を惹きました。

ラン科シュスラン属ミヤマウズラ(Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.)。中国名は、斑葉蘭・・和名は首をかしげる様なものも多いですが、中国名は的を射たものが多く分かりやすいと思います。ちなみに亜高山帯に生育する葉の小さなヒメミヤマウズラは、小斑葉蘭だそうです。

カギガタアオイ三度

昨日は、静岡県北東限と思われるカギガタアオイの生育地へ行って来ました。この場所への訪問は、これが三度目です。気温が低い上に、風が強くて寒かった!

現地を訪れ、今春に確認した時に比べて個体数の少ないのが気になりました。

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ありました!なんか変・・葉柄が見えていない。どうも、大雨により土砂が流れて埋まってしまったようです。個体数が少ないと感じたのは、そのためだと思います。

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右はヒメカンアオイのような葉ですが、どちらもカギガタアオイです。本葉が展開して間もない苗の内は、右のような葉をつけます。

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これからと思っていた花が咲いていました。開花からある程度時間が経過しているようで、蕾の個体が見られませんでした。厳しい環境の尾根に生育するため急ぎ足なのかもしれません。

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こちらの株元には、実生苗が生えていました。ここでは、実生苗を見る事が多いです。

カギガタアオイは「尾根に生育する事が多い」と聞いていました。確かにこの場所は急峻な尾根の上です。更に「北面に生育する事が多い」と聞いて、前回見なかった場所を覗くと結構生えていました。

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花の中を覗いてみました。花柱の先端が鈎形に曲がっているのが分かります。萼筒内部の隆起線も重要な識別ポイントだそうですが、本数に範囲があり種によっては不明瞭なものもあって私には難しいです。

ウマノスズクサ科カンアオイ属カギガタアオイ(Asarum curvistigma F.Maek.)。

ところで・・。

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この個体・・萼裂片が短い上に正面顔がカンアオイ(カントウカンアオイ)のように見えます。見つかったのはこの一個体だけです。ただ、地域に生育するカンアオイで、このような葉表の模様は見た事がありません。サンプル採取して、専門家の方に鑑定をお願いしました。


この生育地はとても道が狭く、行く度「もう来る事は無いだろう」と思っていました。この日は、依頼を受けて専門家の方を案内しました。カンアオイ属に目を向けるようになってまだ2~3年の初心者ですが、専門的に研究されている方と話す機会が得られたのは、とても嬉しい事です。探索を続けて来て疑問に思っていた事を、まとめて聞いてみました。とても勉強になり、カンアオイ属に対する関心が更に深まりました。

植物園の先生にも会って頂こうと思っていたのですが、次の訪問地へ向かうため時間が取れませんでした。一気に何ヶ所か調査を行うのは、熱意だけでなく体力が無ければ出来ません。研究者は大変ですね。再会を願って、帰路につきました。

2022年10月22日 (土)

保全区の種子植物(10月下旬)

植物園保全林は、他所からの植物は移植せず自生種のみとして、植物仮目録を作成中しています。季節を変えて調べると、新たな発見があります。

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クロヤツシロランの果実が見つかりました!それもかなりな個体数です。光合成をせず100%共生菌に栄養依存しているこの植物に関しては、実生栽培経験があるので、保全区のスギ林に播種してみようかと思っていたところです。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

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ヤクシソウとサラシナショウマです。

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ヤクシソウは、日当りの良い遊歩道脇でも見られますが、保全林の林床にもありました。

キク科オニタビラコ属ヤクシソウ(Crepidiastrum denticulatum (Houtt.) Pak et Kawano)。

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サラシナショウマは、もっと前に咲くイヌショウマに良く似ています。花柄の有無も識別点の一つです。

キンポウゲ科サラシナショウマ属サラシナショウマ(Cimicifuga simplex (DC.) Wormsk. ex Turcz.)。狭義ではなく標準学名です。

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こちらは、ヤマトリカブトだと思っています。トリカブトの識別は私には難しく、自信はありませんが・・。以前、花を切断して図鑑に書かれた特徴を確認してみましたが、良く分かりませんでした。

キンポウゲ科トリカブト属ヤマトリカブト(Aconitum japonicum Thunb. subsp. japonicum)。

ヤマトリカブトの変種で、小型で茎が直立し葉の切れ込みが深いタイプをハコネトリカブトと呼ぶそうですが、愛鷹山系の渓谷では岸壁から垂れ下がるものと直立するものが見られます。同じエリアでも、生えている場所によって形態が変わるのかな?なんて思っています。葉の切れ込みに関しても、同じ場所でも様々な気がします。Ylistでは、ハコネトリカブトもヤマトリカブトに含まれています。

保全区の菌類(10月下旬)

植物園植栽植物は別ブログに掲載していますが、保全区などの自生種はこちらに掲載しています。除草作業で見付けたキノコを少し掲載します。

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管理車道脇に数個体生育していました。誰かが引き抜いてありました。手持ちの図鑑では、コガネタケに似ています。

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このオレンジ色のキノコは、土壌湿度の高い場所に沢山生えていました。チャワンタケの仲間でしょうか?傘表の色からするとヒイロチャワンタケかな?

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こちらは、ハタケシメジと教わりました。図鑑で見るとホンシメジにそっくりです。食用になり美味しいそうですが、またどこかで見かけても確信をもって識別出来ません。

幼い頃は、近くの山林でもシイタケだけでなくナメコやクリタケも生えていて、父親が採って来たものを食べた記憶があります。山野を歩く内に、少しだけですが食用になるキノコを覚えました。一度教わっても、場所を変えて幾つかのキノコを見てこないと、自信をもって識別出来ません。図鑑の写真も、其々見比べると別種のように見える事が多々あります。その時期の天候や子実体の発生からの経過時間などによっても姿が変わって見えます。キノコは難しいです。

2022年10月21日 (金)

ウメバチソウ

地域でも、ウメバチソウを見る事の出来る場所は限られています。以前行った事のある場所ですが、その時は気付かなかったウメバチソウの花を見る事が出来ました。

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最近留守番の多かったデジイチで撮ったら、ピンボケの上に白飛びしてしまいました。

富士山こどもの国の花の谷でも見る事は出来ますが、ススキの中に隠れここのように露出していません。他と違う印象の生育地でした。

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接写してみると、王冠のような繊細で綺麗な花です。写真では、5個のオシベの内2個だけ葯が残っています。基部が緑色のかんざしのような部分は仮雄蕊(花粉を出さない)で、先が糸状に裂けて先端には黄色い腺体がついています。

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アリが蜜を吸いにやって来ました。

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こちらには、小形のハナアブがやって来ました。警戒心が強く、接写用のコンデジを近づけると飛び去ってしまいましたので、デジイチでズームして撮りました。

沢山の蜜腺が訪花昆虫を誘引するのか、結実率が高いようで小さな個体も沢山見られました。種子が採れたら実生栽培実験をしてみたいものです。

ニシキギ科ウメバチソウ属ウメバチソウ(Parnassia palustris L. var. palustris)。旧分類体系では、ユキノシタ科とされていました。

おまけで・・。

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作り物のように微動だにしないカモシカ君でした。デジイチの望遠は、MAXで18.8倍なのでトリミングしてみました。


この日は、デジイチもコンデジもピンボケばかりでした。コンデジTGシリーズは、LEDリングをつけていても電池が消耗するとピンボケしたり光量不足になったりするように思います。歳をとるとすぐ機械のせいにするし、予備電池を持っていても替えるのが面倒くさい・・どうしようもありませんね。

昨日は植物園で除草作業をして来ましたが、今日は事情があって自宅にいました。事務仕事を含めて、溜まっていた用事が沢山片づけられました。いつもこうだと良いのですが、最近は溜め込んで思い悩むことが多くなりました。

2022年10月16日 (日)

オオバノハチジョウシダなど

シダ植物は、似た形態のものが多い上に交雑するので、私のような初心者には識別の難しい植物だと思います。そして、苗と成体の時期で別種のように思えるものもあります。その一例に出会いました。

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斑入り葉のシダ植物がありました。周辺を見まわすと、複数個体見つかりましたので、固定した変異かも知れない!と喜びました。

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こちらは、斑が薄くなっています。

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斑の入ったシダ植物は、このオオバノハチジョウシダの苗だと教わりました。苗の時とは、まるで別種のようです。

このエリアにはオオバノハチジョウシダやよく似た葉姿のアマクサシダなどが生育しています。そしてもしかしたら、オオバノアマクサシダも・・(先生が確認中です)。

イノモトソウ科イノモトソウ属オオバノハチジョウシダ(Pteris terminalis Wall. ex J.Agardh var. terminalis)。

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シダ植物に目を向けていなかった頃でも、コモチシダは直ぐに種名を覚えました。前回は見かけませんでしたが、無性芽(種子植物でいう不定芽)が出来ていました。この無性芽の葉裏にもソーラスの出来る事があるそうです。

シシガシラ科コモチシダ属コモチシダ(Woodwardia orientalis Sw.)。

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こちらはオオハナワラビです。この仲間もいろいろあって、山野を歩き始めたばかりの頃はみんな同じだと思っていました。

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左がオオハナワラビで、右がフユノハナワラビです。オオハナワラビは栄養葉の縁に鋭い鋸歯があり、フユノハナワラビの栄養葉は縁に不規則で鈍い鋸歯があります。

ハナヤスリ科ハナワラビ属オオハナワラビ(Botrychium japonicum (Prantl) Underw.)。

ハナヤスリ科ハナワラビ属フユノハナワラビ(Botrychium ternatum (Thunb.) Sw.)。

覚えても忘れる事の方が多い昨今ですが、少しずつでも種名を覚えながらその生態や分布を調べ歩くのも楽しいです。

2022年10月15日 (土)

シロホトトギス

ヤマホトトギスの花期が終り、ホトトギスの花の季節になりました。

シダ植物の調査に行った場所に・・。

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ホトトギスの白花品種、シロホトトギスの花が咲いていました。

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この場所には、複数株が生育していました。花色は実生で引き継がれるようで、場所によって白花系を多く見るところがあります。

ユリ科ホトトギス属シロホトトギス(Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook. f. albescens (Makino) Hiyama)。

ホトトギスは、花色の変異が多い植物だと思います。白地に紫色の斑点が一般的ですが、紫色のベタタイプも見られ、その周囲には似た花が咲いているのを見かけます。シロホトトギスと同様に、花色の変異は実生で引き継がれるようです。


一昨年より、あるホトトギス属の実生栽培に挑戦しています。違法に栽培しているわけではありませんが、事情がありブログへの掲載を控えております。ホトトギス属は、発芽率の高い種だと思います。実生床からの移植を行いマメに管理すれば、早いものは播種の翌年花をつけます。また、時期によっては切り詰めても花をつけ、挿木でも発根しやすい種だと思います。ただ、種によってはバッタ類やナメクジ、カタツムリによる葉の食害が多いので要注意です。

ナチシダ

この植物に初めて出会ったのは、カンアオイ属の調査に行った伊豆天城でした。見慣れない大きなシダ植物の写真を撮った一年後、萌の散歩道でそっくりなシダ植物を一株見つけました。腊葉標本を作って詳しい方に聞き、ナチシダと教わりました。

富士市内の別の場所で、車中からナチシダに似た植物を見かけずっと気になっていました。この日はその確認もあり、シダ植物の観察に行って来ました。

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やっぱりナチシダでした。凄い、群生している!「葉は鳥足状に分岐して、広五角形となる」・・右下に写っている個体でその特徴が分かります。

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爪先立ちして撮ったら、ピンボケしてしまいました。

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新芽が伸びていました。「葉柄基部には黄褐色~赤褐色の鱗片がある」とあります。地域によっては、この新芽を食用にする事もあると聞きました。試食用に、2~3本採取して来ました。

イノモトソウ科イノモトソウ属ナチシダ(Pteris wallichiana J.Agardh)。


このシダ植物は、シカの食害に遭わないそうです。シカにとっては不味いのか、有毒成分が含まれているのか分かりませんが、どうやって見分けるのでしょう?少しの噛み痕も見られませんでした。先生から、数年後には伊豆天城山のようにナチシダばかりになるだろうとの見解を伺いました。

2022年10月13日 (木)

ヤブマメ

庭や畑の未耕作エリアに、ヤブマメが生えています。これが結構厄介な植物です。

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細くて丈夫な蔓が他の植物に絡み付いて、除去するのが大変です。

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花は綺麗です。

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地上部には、このような豆果(とうか)をつけます。

そして、地下部にも・・。

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地上部と形態の異なる豆果をつけます。これは地中に出来る閉鎖花が結実したもので、中に1個の種子を宿します。

ヤブマメは一年草との事ですが、種子が熟す前に地上部を除草しても、地下につく果実が残り駆除するのが難しい植物です。毎年同じところに出てくるので、多年草かと思っていました。

植物園のビオトープに生えるミゾソバも、一年草との事なので種子が熟す前に上部を刈り取っても絶える事はありません。「匍匐茎に閉鎖花をつけ種子を実らせる場合もある」そうです。場合もある・・というより、閉鎖花をつける割合が案外多いのではないかと思っています。

身近で目にする事の多い植物達も、いろいろな生き残り戦略を持っているようで興味深いです。

マメ科ヤブマメ属ヤブマメ(Amphicarpaea edgeworthii Benth.)。

2022年10月12日 (水)

キノコいろいろ(10月中旬)

萌の散歩道で出会ったキノコを集めてみました。

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この人の手のような不気味なものは何だろう?

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すぐ傍にこちらが生えていました。カエンタケです。上もカエンタケかもしれません。例年は、もっと早い時期に見かけるのに・・。

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こちらは以前撮った写真ですが、カエンタケの名にふさわしい形態でしょ?

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コナラなどに良く見るモミジウロコタケです。

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こちらは名前が分かりません。カシノナガキクイムシの被害で立枯れしたコナラにびっしり生えていました。

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このキノコは、時々姿を現して直ぐに傷んでしまいます。師匠からウスヒラタケと教わりました。

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こちらはマンネンタケ(霊芝)でしょうか?マンネンタケは栽培法が確立されているそうです。最近では、食用キノコの菌もいろいろ売られています。誰かハナイグチの栽培法を研究してくれないかな・・。以前、部材を集めて菌糸の増殖に挑戦してみましたが、見た事のない子実体が姿を現しました。


自己都合生活の予定が詰まって来ました。「今やれる事は少しでも早く片付ける」という意欲は無くなって、いろいろため込んでストレスになります。そういう時の気分転換に近くの山野を歩いていますが、その範囲もだんだん狭くなって来ました。その内、裏庭の自然観察が主体になるかもしれません。それでも、のんびり自然と向き合えるのは、幸せな事だと思います。

2022年10月10日 (月)

キジノオシダとオオキジノオ

今日も雨模様・・仕方ないので、PCのデーター整理と、依頼されている考察のたたき台を作成しています。気分転換に、萌の散歩コースを一人で歩いてみました。萌は朝散歩の後、朝ご飯を食べて夕散歩のために睡眠休養をします。

散歩コースで、キジノオシダとオオキジノオを観察してみました。遠目に見ると、とても良く似ています。

【キジノオシダ】

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「栄養葉の上部羽片の基部は中軸に流れ、はっきりした頂羽片がある。」とあります。また、葉柄には稜があります(最下段の写真)。

キジノオシダ科キジノオシダ属キジノオシダ(Plagiogyria japonica Nakai)。

【オオキジノオ】

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「栄養葉の羽片は、上部の数対を除いて独立し、下部の羽片には柄がある。」とあります。柄は上部でも確認出来ますが、下部(葉柄基部)の方が長くなっています。

キジノオシダに比べて大型になる事と、羽片の間隔も広くなっています。

キジノオシダ科キジノオシダ属オオキジノオ(Plagiogyria euphlebia (Kunze) Mett.)。


一人歩きが主体の私にとって、図鑑を見てもシダ植物の識別は難しく、今迄目を向ける事は殆どありませんでした。また、この植物は交雑する上に個体変異が多く、識別の困難さを増しています。

指定種を探して歩いてもなかなか出会えない事があり、運良く生育地を見付けると数えきれないほど生えていたりします。富士山南麓に多いスギ・ヒノキ林の林床でも、シダ植物がびっしり生えている所とあまり見かけないところがあります。普通に見られる種でも気難しい一面を持っているようです。

2022年10月 8日 (土)

オカダイコン

十年ほど前、県中部のある沢沿いで初めて出会った植物を、ヌマダイコンと教えてもらいました。その後、痩果の表面が疣状ではなく、平滑のタイプはオカダイコンである事を知りました。

家の近くでも、萌の散歩道や再生畑②の一角にヌマダイコン属が生えています。

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再生畑②のヌマダイコン属を撮ってみました。除去対象植物であるため殆ど除草しましたが、観察用に少しだけ残してあります。

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さて、これはヌマダイコンだろうか?それともオカダイコンだろうか?

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痩果の表面が疣状ではなく平滑ですから、オカダイコンのようです。

キク科ヌマダイコン属オカダイコン(Adenostemma latifolium D.Don)。

当初は、オカダイコンをヌマダイコンの変種としていたようですが、Ylistでは別種として扱っています。中国名は、オカダイコンが「寬葉下田菊」でヌマダイコンは「下田菊」となっているので、オカダイコンの方が葉幅が広いのかもしれません。


今朝の散歩で、イノシシに荒らされたサトイモ畑を見ました。地主さんが獣除けの網と鉄条網を張り巡らせてありますが、網の裾下を掘って侵入したようです。雨が降ると、ミミズを求めて出没する事が多いです。

心配になって再生畑②の様子を見に行きました。電気柵を設置してありますが、枝や植物が通電ワイヤーに触れると漏電してバッテリーが無くなる事があります。イノシシに対して、電気柵は網よりも有効だと思っていますが、バッテリー切れでは効果がありません。今回は無事でしたが、早めに予備バッテリーと交換して置くつもりです。

2022年10月 3日 (月)

クロヤツシロラン

クロヤツシロランの花が咲いていると思い、先日再生畑②横の所有林を覗いてみました。でも、見当たりませんでした。本日、電気柵のチェックついでに覗いてみると・・。

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林床は乾燥し、花筒先端の萎れ始めたものや花筒が落ちて子房が上を向いているものばかりでした。根気強く探すと、上の個体が見つかりました。今年はイノシシに荒らされ、堆積したスギの葉が押し寄せられて、土壌が乾燥したためか昨年のように多くは見られませんでした。

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少し角度を変えて、花の中を撮ってみました。この花は撮り難い・・。

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露出している塊茎があったので、そっとスギの葉を被せておきました。

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通常の果実や花柄は、左のような色ですが、右の個体は緑色を帯びています。ここでは、2個体見つかりました。

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この植物は光合成をせず、100%共生菌に栄養依存して生活しています。でも、ずっと昔は葉緑素を持ち光合成を行っていたのでしょうから、ちょっとだけ先祖返りしたのでしょうか?面白いですね。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。


ところで、ほぼ同じ時期に咲くアキザキヤツシロランでは、もっと緑色を帯びた個体を見た事があります。

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上のクロヤツシロランよりも、更に緑色を帯びています。富士市某所の竹林で、2017年の秋に撮影しました。

ラン科オニノヤガラ属アキザキヤツシロラン(Gastrodia confusa Honda et Tuyama)。


静岡県RDB2020版には、クロヤツシロランが準絶滅危惧(NT)になっており、アキザキヤツシロランは記載されておりません。私の探索エリアで見る限り、クロヤツシロランの方がずっと個体数は多いと思います。クロヤツシロランの記載が後になり、当初は全てアキザキヤツシロランと混同されていたためではないでしょうか?

また、分布域として東部は記載されておらず、主たる生育地として竹林が取り上げられている事なども、上記考察の根拠となります。静岡県版RDBは、地域に生育する希少植物を知る上でとても有り難い資料です。でも、他にも疑問に思うところが幾つかあります。一度、見直しをお願いしたいものです。

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