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2022年8月

2022年8月29日 (月)

オオハンゲ

富士市域で初めてこの植物を見付けた時は、葉が似ている事からムサシアブミかと思いました(比較すると、ムサシアブミよりも小形)。花期に行くと、カラスビシャクのような花が咲いていました。

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この植物がオオハンゲだと知ってから、県中部でも出会う事が出来ました。図鑑によると、本州中部地方以西に生育とあります。ムサシアブミと同じく、温暖化によりエリアを広げているのかもしれません。

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髭のような付属体は真っすぐに伸びていますが、やがて左のように黄色くなって垂れ下がります。ウラシマソウの付属体は、主要な送粉者を呼び寄せる役目をしている事が分かったそうです。似た付属体を持つ、カラスビシャクやオオハンゲもそうなのだろうか?

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この植物は発芽率が高いようで、以前見た時は沢山の幼苗が見られました。ただ、乾燥に弱いのか姿を消している個所もあります。また、カラスビシャクや園芸栽培されているニオイハンゲなどのように、ムカゴはつけないようです。

サトイモ科ハンゲ属オオハンゲ(Pinellia tripartita (Blume) Schott)。


明日は、町内会長経由で植物研究者の案内を頼まれました。主目的がはっきりしませんが、少しでも地域の植物研究の役に立てればと思い、依頼を受ける事にしました。心配半分、楽しみ半分です。

2022年8月27日 (土)

心配なナツエビネ

ここ数年、各所で森林の間伐や皆伐が行われています。一昨年~昨年、複数の保護したい希少植物が生育するエリアの間伐が行われるとの情報を得ました。少しでも配慮してもらえるように、嘆願書を書いて間伐を請け負った業者さんのところへお願いに行って来ました。

個人のお願いにもかかわらず、間伐材の搬出道の位置をかわし、その場所だけ重機を進入させずワイヤーなどで間伐材を搬出するなどの配慮をしていただけることになりました。


今春、友人と様子見に行くと、林床は予想していたよりもはるかに陽が射すようになっていました。保護対象植物の一種であるナツエビネは、葉が枯れて新たに小さな葉が伸び始めたばかりでした。このままでは、枯れてしまうとの思いから、友人と一緒に丸太や葉付きの枝で応急の日除け対策をして来ました。

後日、移植するつもりで一人現地を訪れましたが、この状態のまま移植すればリスクが増す(根を痛めるなど)だけではないかと悩みました。結局、当日の移植は止め、無事葉が伸びて来た時点で考える事にしました。


そして、別の目的も兼ねて傷みの残る足を引きずりながら様子見に行くと・・。

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葉が伸びていました。二株あった内の片方は、花を咲かせていました。無事で本当に良かった!

でも、応急措置の丸太や枯れ枝はいずれは朽ちてしまい、強すぎる夏の日差しに晒される事となります。この日、同じ林内で移植候補場所を検討して来ました。厳密に考えれば、移植にはいろいろな問題もあります。かと言って、憂えてばかりでは保護は出来ません。この先どうするかは、冬までに考えようと思っています。

2022年8月25日 (木)

富士市のホドイモ

昨日は、不法投棄監視パトロールに行って来ました。そのルートで、ホドイモらしき葉を見付けてありましたので、再確認して来ました。

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花が咲いていました。ホドイモに間違いありません!せっかく良い形の花房を撮ったのに、ピンボケしてしまいました。

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良い色合いの花だと思います。それにしても複雑な構造をしていますね。

数年前、丹沢の師匠から頂いた塊茎を植えて育てています。畑に直植すると、びっくりするくらい根が伸びて、とんでもないところから蔓が伸びて来ます。肥料袋に植えるか、鉢底から根が伸びないような工夫が必要です。

同じくマメ科植物のヤブマメは、地上部に節果をつけ地中に閉鎖花をつけます。閉鎖花は一つの大きな種子になります。これがホドイモの塊茎に当たると考えれば、似た生態を持っています。窒素分を宿主に供給する根粒菌の存在を含めて、マメ科植物の生態も興味深いですね。

ところでこの植物は、なかなか果実が生りません。師匠もその事に触れていたと思います。今回発見した自生地で花を観察してみましたが、結実したと思われるものは、この日見つかりませんでした。特殊な花の構造故送粉者がいないのか、或いは土壌栄養が不足しているのか分かりません。次回パトでも果実を探してみようと思っています。

マメ科ホドイモ属ホドイモ(Apios fortunei Maxim.)。

2022年8月22日 (月)

ナンバンギセルとキツネノカミソリ

萌の散歩道に咲く花・・ナンバンギセルとキツネノカミソリを撮ってみました。

【ナンバンギセル】

ナンバンギセルは、葉緑素が無く光合成をしないで、ススキやミョウガなどの根から栄養を吸収する寄生植物です。

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「生物的除草効果の可能性が示唆されている」とありますが、幾つかの生育地を見ると除草効果がそれほど顕著とは思えません(素人の見解です)。

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大きな黄色の部分はメシベの柱頭です。ピンボケしてしまいましたが、黄色い毛が密生しています。オシベは柱頭の下に隠れています。

ハマウツボ科ナンバンギセル属ナンバンギセル(Aeginetia indica L.)。

【キツネノカミソリ】

キツネノカミソリは、日当りの良い斜面や林縁だけでなく、薄暗い林内にも生育します。

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花茎はとても折れやすいので、萌のリードを短くして触れないようにしています。

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一月ほど遅れて咲くヒガンバナは、3倍体で種子が出来ないそうです(稀に果実が膨らむものも見られます)が、キツネノカミソリはこのように種子が出来ます。

ヒガンバナ科キツネノカミソリ(Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea)。


まだ少し足の痛みは残っていますが、明日は雨予報だったので、依頼を受けているある植物の調査に行って来ました。それに、他にも無事を確認したい植物がありましたので・・。

基本的に萌の朝散歩は私で、夕散歩は嫁さんが行っています。3日間ほど嫁さんが朝夕の散歩をしてくれています。萌はそれが気に入らないのか、散歩から帰って来ても私の方に寄って来ません。

2022年8月21日 (日)

エリマキツチグリ?

萌の散歩道で見かけたキノコ・・ツチグリの仲間です。数日前から気になっていたので、撮ってみました。8月11日の「フクロツチガキ?」に似ていますが、見比べると違った形態をしています。

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幼菌と胞子袋(Web図鑑では、袋形の内皮と表現されています)が見え始めた状態です。

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胞子袋の周囲が、エリマキ状になっていますので、エリマキツチグリだと思います。

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幼菌と成菌、成菌の裏返しです。地面に接する部分は極僅かで、軽く触れただけで離脱します。


先日、植物園の除草作業をして来ましたが、その頃から足の親指の付け根が傷むようになりました。何処かにぶつけた記憶もなく、レントゲン撮影でも骨に異常は見られませんでした。腫れもあり、毒虫に刺されたのかもしれません。暫くは無理をしないで大人しくしていようと思います。二日ほど、萌の朝散歩を嫁さんに代わってもらいました。萌は、異常を感じたのか、やけに私にすり寄って来ます。

2022年8月18日 (木)

調査林床の植物

ある林床の草本を調べていて、気になったものを少し掲載します。

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キッコウハグマですが、この場所の個体は閉鎖花(現時点では区別出来ません)を含めた蕾の数が多い!一般的には、10個内外とあります。

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こちらはハエドクソウの花です。緑軸の花茎に咲く花は、純白に近いものが多く、我が家の周りではあまり見る事がありません。

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こちらが、普通に見られるタイプの花です。上唇の背などに、赤紫の色素があります。

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そしてこちらは、ホドイモではないでしょうか?写真は、小葉が3枚ですが5枚のものもありました。今年は富士市内の別の場所でも見る事が出来ました。ホドイモはマメ科ですが、地中に芋(塊茎)が出来て食用になるそうです。

丹沢の師匠から芋を送っていただき裏庭で栽培しています。とても綺麗な花をつけましたが、果実が生りませんでした。受粉出来る訪花昆虫がいなかったのか、或いは土壌PHの影響かもしれません。以前、ハナマメを栽培したところ勢いは良いのに鞘だけで中の豆が膨らみませんでした。

2022年8月12日 (金)

ヨコハママンネングサ

何時の頃からか、家の庭や付近の道路脇に、多肉植物の仲間が群生しています。

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綺麗なので、除草しないでグランドカバーに残してあります。

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葉縁に突起がある事から、オカタイトゴメだと思っていました。

ところが・・。

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上から見た時は気付かなかったのですが、引き抜いてみると葉が3輪生でした。オカタイトゴメは、互生のはずです。メキシコマンネングサは4輪生で、稀に3~5輪生だそうですが、葉縁に突起が無いとあります。葉縁に突起があり3輪生なので、ヨコハママンネングサではないかと思います。

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斑入りの個体がありました。葉縁の突起が霜を纏ったようで、とても綺麗です。

ベンケイソウ科マンネングサ属ヨコハママンネングサ(Sedum sp.)。

Ylistにも未掲載で、種小名(species)は不明です。モリムラマンネングサと同一種とする見解もあるようですが、こちらも未記載です。

2022年8月11日 (木)

フクロツチガキ?

菌類(子実体)の識別は難しい!それは、似たものが多いからです。

人工林の林床に生育する植物の下見に行って、ツチグリの様なキノコを見付けました。

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このキノコを初めて見たのは、アキザキヤツシロランの生える竹林でした。家の近くで見るツチグリと似ているけど、感じが違う・・。図鑑で見ると、フクロツチガキかシロツチガキのようです。胞子袋の頂部の感じから、フクロツチガキではないかと思います。間違っていたら教えてください。

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幼菌もありました。たまに歩くと、いろいろなものに気付いて楽しいです。

ある先生から観察日記のようなミニ新聞と著書をいただきました。手描きの詳細画と共に、一般的な図鑑には無い視点で観察されていてとても勉強になり興味深いです。歳と共に行動範囲が狭くなっていきます。先生のミニ新聞を拝見して、この先の楽しみ方を学ぶ事が出来ました。

ついでに・・。

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ここは、かなり急勾配の人工林で、少しだけ水の流れる沢があります。周辺を探索していると、時々サワガニが姿を現します。サワガニは、水場からかなり離れた場所や道路脇などでも見かけます。旅好きな生き物のようですね。

2022年8月 9日 (火)

ヤクシマヒメアリドオシラン(市境)

今春、ヤクシマヒメアリドオシランと思われる葉を、ある林内で確認していました。良く似たハクウンランやオオハクウンランとの識別は、花を見る事です。少し遅いかと思いつつ、昨日の朝現地に向かいました。

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エリアに対しての個体数の多さや栄養繁殖株の塊が見られる事から、ヤクシマヒメアリドオシランではないかと思っていました。唇弁の裾が斜めに切れ込んでいるので間違いないようです。

気になったのは、最初に発見した別の場所の個体に比べて花茎が短い事です。間伐により林床の日当りが良くなったため、土壌湿度が保ち難くなった事が原因でしょうか?

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このエリアには、斑入り葉の個体が結構ありました。斑入り葉の個体が多い生育地は、共生菌の状態が良い(安定している)ところだと思っています。斑入り葉が殆ど見られない生育地もあります。

ところで・・。

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この左右の葉の大きさの違いが気になっていました。他所と違い、この場所には大きな葉の個体が比較的見られます。もしかしたらこれが、ハクウンランかオオハクウンランではないかと思っていました。でも、唇弁の裾が斜めでは無く平らになっているハクウンランの花は見られませんでした。

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ただ、大きな葉の個体には花茎が見られません。混生地の場合、ハクウンランの方が幾分遅れて咲きますが、この時期に花茎が見られないのは開花株ではないという事になります。この大きな葉の個体も、ヤクシマヒメアリドオシランかもしれません。

大きな葉は、単体で生えている事が多いので、その事からもハクウンランかと思っていました。

ラン科オオギミラン属ヤクシマヒメアリドオシラン(Odontochilus yakushimensis (Yamam.) T.Yukawa)。


昨日は別の場所にも廻ってから帰宅しました。サンプルなどを整理していると、驚くような豪雨になりました。雨水の貯水タンクがあっという間にあふれました。帰宅がもう少し遅れていたら、びしょ濡れだった事でしょう。最近の雨は恐ろしいですね。

2022年8月 2日 (火)

ミゾホオズキ

昨年、県東部の小さな沢沿いで、ミゾホオズキを見付けました。私の探索範囲では稀な植物ですが、場所によっては個体数を見る事が出来るようです。

植物園の保全区にも生えていました。

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以前見たものは小さな株でしたが、これは大きい・・。

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筒状の花冠で先端は5裂します。筒状の萼には5本の稜があって、果実は萼に包まれます。

最上段の写真に、萼に包まれた果実が写っています。熟したら萼の中を観察予定です。

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角度を変えて撮ってみました。ラン科植物の、唇弁の隆起と模様を思わせるような花です。

ハエドクソウ科ミゾホオズキ属ミゾホオズキ(Erythranthe inflata (Miq.) G.L.Nesom)。旧分類体系では、ゴマノハグサ科とされていました。


今日は、実生のサクラソウなどを植えて来ました。除草と地均しが一番大変です。その後は周辺の草刈りをして来ました。最近では、草刈り機の燃料タンク一杯でどれくらい刈れるか、または一時間でどれくらい刈れるかだいたい分かるようになりました。あくまでも自分のスピードなので、人との比較にはなりませんが・・。

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