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2021年12月

2021年12月19日 (日)

北東限のカギガタアオイ

カギガタアオイのタイプ産地は秋葉山で、主として静岡県中・西部で生育が確認されています。県内分布の北東限として、東部某所にも生育していますので、そこを探索して来ました。

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狭い林道脇に車を止めて、写真のような斜面を登りました。この辺りから始まり、更に急勾配の場所に生育していました。カギガタアオイは尾根に生育すると聞きましたが、県東部で初めて見た場所ではそんな印象を受けませんでした。でも、この場所なら納得出来ます。

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葉表の模様もいろいろです。無地や亀甲模様もありますが、ここでは確認出来ませんでした。

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開花時期は、9(10)~11月です。口環(萼筒入口の環状の鍔)の周囲に、隆起した白い皴状の襞があります。この部分を見ると、アマギカンアオイの花に似ています。

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そして一番の特徴は、外側に曲がった花柱の先端です。

県内に生育する種でも、各々の地域で形態に変化があります。そういう事を知ると、ますます沼にはまっていきます。

ウマノスズクサ科カンアオイ属カギガタアオイ(Asarum curvistigma F.Maek.)。

2021年12月14日 (火)

カエデ属苗の紅葉

ある植物の種子採取に行って来ました。見上げるカエデ属は既に葉を落としていましたが、林床の小苗はまだ葉をつけていました。

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エンコウカエデです。赤や黄色も綺麗ですが、オレンジ色も良いものです。

ムコロジ科カエデ属エンコウカエデ(Acer pictum Thunb. subsp. dissectum (Wesm.) H.Ohashi f. dissectum (Wesm.) H.Ohashi)。

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イロハモミジも綺麗に紅葉していました。

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葉縁が赤く染まったものは、園芸用に作出された種に多く見られますが、山野でも時々見かけます。

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まだ緑色を保ったものもありました。染まる色も時期も其々違いがあって面白いです。

ムコロジ科カエデ属イロハモミジ(Acer palmatum Thunb.)。

山野を歩き始めた頃、頭上の紅葉が上手く撮れず足元の紅葉ばかり撮っていました。この日は、当時の事を思い出しました。

2021年12月11日 (土)

樹上に生えた植物

通常は地上に生育する植物が、樹上に生えているのを時々見かけます。ソメイヨシノの古木に生えている植物を撮ってみました。

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ヒノキの苗の脇に、ミヤマウズラが着生しています。何年間か見守って来ましたが、今年初花が咲いたようで花茎が残っています。ピントがずれてしまいました・・。

ラン科シュスラン属ミヤマウズラ(Goodyera schlechtendaliana Rchb.f.)。

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枝のように生えているヒノキです。何年間か見て来ましたので、地上に生育していたら結構大きくなっていた事でしょう。樹上では、鉢植えの盆栽のようにあまり大きく育ちません。

ソメイヨシノは寿命が来ているようで、枯れている枝が目につきます。このヒノキたちは、宿主と運命を共にする事になるでしょう。

ヒノキ科ヒノキ属ヒノキ(Chamaecyparis obtusa (Siebold et Zucc.) Endl.)。

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古木常連の地衣類やコケ植物、そしてヒメノキシノブが生えていました。この木には、着生ランのカヤランも生えていましたが、いつの間にか姿を消していました。カヤランの葉を食べる生き物がいるようで、最近気になっています。

ウラボシ科ノキシノブ属ヒメノキソノブ(Lepisorus onoei (Franch. et Sav.) Ching)。


このところ、落葉広葉樹林の下草刈・低木の伐採・倒木の切断などが続きました。前職とはかなり違った作業なので、最初は戸惑いましたが段々慣れて来ました。畑の草取りもそうですが、成果が目に見えるのが良いです。

2021年12月 3日 (金)

クロヤツシロランの果実

家の近くでは、とっくに種子を飛散し終わって姿を消してしまったクロヤツシロランの果実が、沢山見つかりました。

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長年、気にしながら見て来たので、薄暗い林床でもすぐに目につきます。鞘が割れ雪洞のようになったものは、まだ見られませんでした。これから種子が飛散するようです。

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こちらでは、沢山の花柄が伸びていました。一つの花茎から複数本の花柄が伸びていますので、この場所で5~6個の塊茎(開花株だけで)が潜んでいると思います。

同じ林床の個体でも、開花~種子飛散時期に一月ほどの違いはあります。でも、こんなに遅い場所は初めて出会ったように思います。

2021年12月 2日 (木)

オトメアオイ

不法投棄監視パトロールのついでに、オトメアオイの調査をして来ました。地域では、極狭い範囲で複数個所見る事が出来ます。

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雲紋と亀甲の葉ですが、どちらもオトメアオイです。カンアオイも似た葉をつけるため、葉での区別は出来ません。

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大きな葉を捲ると、丸みを帯びたとても小さな葉が隠れていました。これは実生苗です。アリなどに運ばれると言われていますが、腐った萼筒に包まれて親株の近くで発芽するものが多いようです。小集団が広がって行かないのは、そのためだと思います。

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右に写っているヒノキの球果と比べてみてください。実生苗は、他の種でもこのように丸みを帯びています。

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ゼニバサイシンに似た葉ですね。萼筒が割れていましたが、花が残っていました。オトメアオイは、夏に咲き翌年まで残っていますので、この時期は晩秋に咲くカンアオイの花と両方を見る事が出来ます。萼裂片基部の括れの有無で区別しますが、オトメアオイは円筒形に近く、カンアオイはラッパ状といった感じです。

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