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2021年9月

2021年9月28日 (火)

カンアオイ属探索(県西部)

ヒメカンアオイは、「静岡県西部各地の山地に分布」とあります。静岡県植物相調査報告書によると、稀ではないとも記述されています。

県東部では見る事の出来ない、ヒメカンアオイの探索に行って来ました。具体的な地名が公表されている生育地もありますが、自身で探してみる事にしました。

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史跡探訪を兼ねて、こんな景色が見える場所に行って来ました。

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なかなか見つからず、諦めて帰ろうと思いながらふと覗いたところに、このカンアオイ属が生えていました。長い葉柄、丸みのある葉・・「ヒメカンアオイだ!」

時間の関係もあり、この日はこれで満足し帰路につきました。このエリアに生育する事が分かったので、次回は探索範囲を広げて行こうと思っています。


【追記】
後日分かった事ですが・・。ヒメカンアオイの花期は、2~3(4)月とあります。ところがこの場所の個体は、11月上旬に花が咲いていました。秋咲きのヒメカンアオイ・・地域では、サンエンアオイと呼ばれているそうです。

アマクサシダ?

県内に生育するカンアオイ属の、探索に行って来ました。その時、気になったシダ植物です。

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家の周りで目にする事の無い、シダ植物です。

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大きさは違いますが、以前掲載したオオバノハチジョウシダと葉姿が似ています。

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ソーラス(胞子嚢群)は、葉裏(小羽片)の縁に沿ってついています。

図鑑で見ると、葉艶・葉姿・ソーラスの付き方などからアマクサシダではないかと思います。腊葉(さくよう)標本を作製中ですので、後日先生に確認していただくつもりです。


シダ植物を覚えようと思ったのは、つい最近ことです。興味を持つと、その種が目に留まり易くなり、探索路の歩行スピードがますます遅くなります。同行してくれた嫁さんが渋い顔をしていました。

2021年9月23日 (木)

深山の野生ラン冬支度

久々に、深山の野生ランの様子を見て来ました。

【イチヨウラン】

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葉脈の目立つ大きな方が、今年頑張った葉です。その横に見える小さな葉が新葉です。イチヨウランは、秋に葉の更新があり、花芽を持って厳しい深山の冬を越します。

この時期だけ、一葉ではなく二葉になります。

【コハクラン】

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今夏の開花時期に行った時、葉で見る個体数が激減していました。開花株も花茎だけで葉が見当たりませんでした。何があったのか、とても心配でした。

ところが、この日は左のような光景と、点在する小さな葉を結構見る事が出来ました。前回見逃がしたのではなく、例年にない異常気象などの影響で、葉が枯れてしまったのだと思います。

そして、偽球茎から出てきた新たな葉が今回見た葉で、例年より出現時期が早いようです。

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以前撮った写真ですが・・。通常は、晩秋にこのように葉の更新があります。ただ、偽球茎を持つコハクランは、葉を出さず休眠するものもあるようです。数年後に、姿を現した個体が幾つかありました。開花株の位置も年々変わっています。

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心配な事はまだあります。これは昨年のものと思われる果実のドライフラワーです。周辺を探しましたが、今年の果実と思われるものは見つかりませんでした。

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時間のある時には、受粉の手伝いをする事もあります。数週間後に見に行くと、花柄子房の膨らみ始めたものが確認出来ます。ところが、その後写真のように黒くなってしまう事が多く、熟すまで残るものは殆どありません。細菌などによるものなのか、虫の食害なのか分かりませんが、とても心配です。

2021年9月20日 (月)

スギ・ヒノキ林のクロヤツシロラン

再生畑②の隣に、スギ・ヒノキの所有林があります。そろそろ、クロヤツシロランが咲く頃なので、様子を見て来ました。

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堆積したスギの葉と同系色の上に地際に咲くので、花期でも見つけるのが難しい野生ランです。この場所では、2~3年前に果柄が長く伸びた果実を見付けて、その存在を知りました。

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小さなコンデジでなければ、花芯の捉えにくい花です。

クロヤツシロランは、光合成を行わず菌類から養分を得て生育する菌従属栄養植物です。沢山の果実を目にしても、林床の環境変化により数年後には殆ど見られなくなる事もあります。

竹林や常緑広葉樹林にも生育しますが、富士山南麓ではスギ・ヒノキ林で見る事の多い植物です。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

中国名は、「冬赤箭 (冬天麻)」・・赤箭 (天麻)は、同属のオニノヤガラの事です。この植物も、オニノヤガラのように薬効があるのだろうか?でも、薬効があったとしても、塊茎はずっと小さいので沢山集めなければなりません。オニノヤガラの花期は5~7月ですが、クロヤツシロランは9~10月です。花期に因んだ命名のようです。

2021年9月18日 (土)

ヒガンバナ

昨日台風予報を見て、電気柵周辺のチェックに行きました。草や木が、電線に触れると漏電してしまうので、危うい場所は除去しました。

隠れ里のような再生畑②の進入路脇に、ヒガンバナが咲いているので撮ってみました。

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目の覚める様な鮮紅色の花です。

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蕾が地上に姿を現してからの成長はとても早く、この時期を待っていたかのように一気に咲き出します。

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花の外に長く突き出たメシベとオシベです。

ヒガンバナ科ヒガンバナ属ヒガンバナ(Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.)。

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こちらは、果実期になった同属のキツネノカミソリで、ヒガンバナの隣に生えています。この球根は、もう少し経ったら採取して嫁入り予定です。


キツネノカミソリは、写真のように果実が膨らみ種子が出来ます(結実しないものもあるそうですが、地域ではどの個体も結実するようです)が、ヒガンバナは3倍体(3n)なので種子が出来ないそうです。
でも、稀に果実の膨らんでいるものを見る事があります。その果実が熟して、種子に発芽能力があるのか私にはわかりません。地域で見るヒガンバナが、全て植栽と分球によるクローンというのも、信じがたい部分があります。

2021年9月17日 (金)

ベニバナゲンノショウコ

不法投棄監視パトロールのルートに、ベニバナゲンノショウコが生育しています。この日は、新たなルートで生育地を見付けました。

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小さな花ですが、緑の中でとても目につきます。台風の影響で風が強く、ピンボケ写真ばかりでした。

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花弁は5個、オシベ10本。母種は白花をつけますが、花が紅紫色のものはベニバナゲンノショウコの品種名がつけられています。静岡県内では、ベニバナは稀です。

フウロソウ科フウロソウ属ベニバナゲンノショウコ(Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton f. thunbergii)。


富士山こどもの国「花の谷」には、同じくフウロソウ属で富士宮市から移植したアサマフウロが植栽されています。今が一番の見頃ですが、新型コロナ感染拡大の影響により、9月10日(金)より、臨時休園となっております。「花の谷」へ植物の様子見に行った時撮った写真を掲載します。

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中下に写っている白い花が、ゲンノショウコです。アサマフウロはずっと大きな花をつけ、とても見応えがあります。

2021年9月13日 (月)

ブナの殻斗とクリのイガに生えるキノコ

十数年山野を歩いて来ましたが、名前の分かるキノコは極僅かです。キノコの中には、生える場所(対象)が限定されているものもあるようです。面白いですね。名前が違っていたら、教えてください。

【ブナの殻斗に生えるキノコ】

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柄や傘に毛が生えています。良く見ると、傘が茶碗のようになっています。

ブナノシロヒナノチャワンタケ(Dasyscyphella longistipitata Hosoya)。


【クリのイガに生えるキノコ】

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落ちたクリの実を拾っていると・・。

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クリのイガに、沢山の小さなキノコが生えていました。写真では分かり難いですが、傘の中央が少し凹んで見えます。

クリノシロコナカブリ(Mycena sp.)。

【友情出演】

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栗の木の下に、クリのイガのような菌糸が生えていました。


今日は、放置状態だった再生畑①の草刈りと耕運機がけをやって来ました。前回は、8月上旬だったので、1.5ヶ月ぶりです。耕運機をかけるエリアはまだ良かったのですが、茶畑だった(果樹植栽)エリアは、私の背丈ほどに草が伸びていました。次回は、その草を片づけなければなりません。農業用水栓のある再生畑②だけ野菜を植えてあるので、他の畑は足が遠のいてしまい、行く度唖然としています。

2021年9月 9日 (木)

オクシズのカンアオイ属

義母の様子見に行った時、オクシズ(静岡市の中山間地域:奥静岡)某所のカンアオイ属を見て来ました。

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約9年前に、この地を訪れました。当時は、カンアオイ属にそれほど興味を持っておらず、もう再訪する事はないと思っていました。

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この辺りに生育する種では、カギガタアオイかスズカカンアオイが考えられます。ここでは、急峻な斜面に比較的沢山生えていました。葉表に艶があり、葉柄の短いタイプです。

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以前訪問した時に撮った写真です。花の様子から、スズカカンアオイではないかと思います。

スズカカンアオイの花期は、地域差も関係してかWebページによって違いがあります。カンアオイ属の花は、長く残るものもあるので、咲き始めを確認する事が大切です。この花は、5月頃撮りました。それにしても、カンアオイ属の花期を調べた人は凄いと思います。愛鷹山系で、隣同士に生えていたオトメアオイが咲き始めるのに、2ヶ月以上のずれがありました。

2021年9月 8日 (水)

フジカンゾウ

植物園の保全エリアに、水を引いてもらいました。その様子を見に行って、フジカンゾウの花を見付けました。

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花は終盤を迎えていました。エリア内の既存植物目録に未記載だったため、追記しました。

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葉は、5~7小葉からなる奇数羽状複葉です。似た種のヌスビトハギやアレチヌスビトハギは3小葉なので、識別点の一つとなります。

花がフジ(藤)、草姿がカンゾウ(甘草)に似ている事から和名がつけられたそうですが、貰い物の合体みたいで可哀そうな気がします。

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扁平な節果が見られました。ヌスビトハギと同じく小節果が2個です。アレチヌスビトハギは、5~6個です。

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ヌスビトハギやヤブハギ(ヌスビトハギ属)、アレチヌスビトハギ(シバハギ属)などは良く見かけますが、フジカンゾウは稀です。花も大きく優しい感じの花色で、地域に生育する似た種の中では一番綺麗だと思います。

マメ科ヌスビトハギ属フジカンゾウ(Hylodesmum oldhamii (Oliv.) H.Ohashi & R.R.Mill)。

2021年9月 5日 (日)

カンアオイ属探索(9月上旬)

県内に生育するカンアオイ属の探索を始めて、約一年半が経過しました。静岡県植物相調査報告書などによると、県内には約20種のカンアオイ属が確認されているそうです。

今迄に、半分くらいの種と出会いました。この植物は、関りを持つほど難しく思えて来ます。リストされた種の中には、園芸的な観点から名付けられたものもあるようで、ますます頭を悩ます事になります。

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探索経験、僅か一年程度の初心者ですが、生育しそうな場所が少しずつ分かって来ました。この日は、昼頃には帰宅する予定で、以前から気になっていた場所を探索に行きました。

今回も、山の神様が味方してくれました。

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探索を始めた頃は、このような葉を見たら、オトメアオイかカンアオイ(カントウカンアオイ)と思っていました。それしか知らなかったので・・。

今回の探索目的は、このような葉を持つカンアオイ属でした。種を知るには、花を見る事と花の咲き始める時期を知る必要があります(寿命の長い花があるので)。この日は、花をつけた個体が見つかりませんでしたので、周辺の林内を含めて11月頃に再探索するつもりです。

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こちらは、葉の形からランヨウアオイと思われます。でも、幼苗なども含めて、違った形の葉を見る事もあります。

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予期していなかったアマギカンアオイが生育していました。前回探索で出会った場所からは、かなり離れています。そちらでは、葉柄が明るい緑色の個体ばかりでしたが、ここでは半分下が暗紫色の個体も見受けられました。

アマギカンアオイは、エリアが限られるものの、比較的広範囲に生育し、思っていたより個体数も多い事が分かりました。


基本的に、現地を知る人に案内してもらうのではなく、Webページと植物相調査報告書などの資料を見て、Google Mapや国土地理院の地図で見当をつけて探索に行っています。カンアオイ属の生育地は、他の植物に比べてかなり限定されると思います。現在の探索法では外れも多いですが、自らの探索で出会えた時の喜びは、他と比べようもありません。

2021年9月 1日 (水)

菌類(広義)

本ブログは、基本的に維管束植物(種子植物+シダ植物)を記録するつもりで始めました。でも、気になったキノコや変形菌なども、掲載する事にしました。種名をご存知の方、宜しくお願い致します。

【真菌類/キノコ】

散歩道で、気になっているキノコ(子実体)です。落下した枝に、昨年も出ていました。

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表面から見たところです。発生している樹種は、分かりません。

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裏面の様子です。キノコの裏面は、襞ではなく管孔になっています。

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こちらは、上の🍄の菌子だと思います。右は、樹皮に貼り付いていたヒノキの球果です。

確かめたい事があって、このキノコの生えている枝を持ち帰り、湿度を保った容器に入れてあります。

【変形菌類】

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町内の人から頂いた木台に生えて来ました。イソギンチャクみたいですね。ムラサキホコリの仲間でしょうか?子実体になる前に見たかった・・。

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