2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

2021年6月

2021年6月30日 (水)

エンシュウハグマ

義母の家に行った時、少し足を延ばしてエンシュウハグマの様子を見て来ました。「東部を除く県内各地の低地~山地に分布」とあります。古い記録では、東部の芝川でも生育確認されたようですが・・。私の住む富士市域では、生育が確認されていない植物です。

Enshg1-1

親株の間に、実生苗のようなものが見えていました。

Enshg1-2

Enshg1-4

今迄、気にして見た事はありませんでしたが、たぶん実生苗だと思います。

Enhg14

Aensyus11_20210630052401

花は白色~淡い紅紫色を帯びるとありますが、上の二枚の写真は違う年に同じ場所で撮りました。もしかしたら、個体変異では無くて気候を含めた環境変化で花色が変わるなんて事は無いでしょうか?続けて観察出来ないので、確認する事は出来ませんが・・。

キク科モミジハグマ属エンシュウハグマ(Ainsliaea dissecta Franch. et Sav.)。


エンシュウハグマには、紫色の花をつけるムラサキエンシュウハグマと、葉に切れ込みが無く単に荒い鋸歯があるだけのマルバエンシュウハグマが品種として記載(登録)されているそうです。何れも、確認地は、天竜区春野町周辺のようです。一度見てみたいものです。

2021年6月29日 (火)

テンナンショウ属の果実

ムサシアブミとウラシマソウの果実を見付けました。

【ムサシアブミ】

Bp6250322Bp6250323

トウモロコシの様に実がびっしり詰まっていますが、有毒なので食べられません。

果実は、葉より下につくので、近づかないと気づき難いです。

【ウラシマソウ】

Bp6250345Bp6250343

ウラシマソウは、ムサシアブミよりも更に低い所につきます。

【不明種】

以前撮った写真ですが・・。

At020_20210629054501Apb180004_20210629054501

左は、富士山の亜高山帯低域付近で見かけました。他種に比べて尖っています。

右は、昨年伊豆で見た果実です。数粒採取して昨年秋(11月)に果皮をつけたまま蒔いてみました。種によるのかもしれませんが、2年目に姿を現すと書かれたWeb記事があります。この種は、播種の翌年に子葉が姿を現しました。

2021年6月25日 (金)

再生畑のタシロラン

このところ、再生畑②の草取りと草刈りに追われています。この日は、未耕作エリアの草刈りを行いました。

Ap6250338Ap6250262

「あっ、タシロランだ!」薄暗い林床でなく、こんな日照の良い場所にも生えるなんて、認識を新たにしました。木材腐朽菌に栄養依存しているそうですので、伐採した笹を栄養源にしている菌類から養分をもらっているのかもしれません。

Ap6250266Ap6250272

小型のハナアブがやって来ました。日本のランハンドブックに「開花後3~4日で種子散布し、地上部に8日しか存在しなかった・・」とあります。以前見た時もそうですが、どの子房も膨らんでいました。自動自家受粉するのではないかと思います。

Ap6250269Ap6250292

タコの赤ちゃんが、ぶら下がっているような印象を受けました。

ここには、4本生えていました。タシロランは、一年草?それとも多年草?花が咲くと枯れる一回稔性の多年草ではないかと思っています。伐採した笹を片づけずらくなりました。

ラン科トラキチラン属タシロラン(Epipogium roseum (D.Don) Lindl.)。

2021年6月18日 (金)

亜高山帯のテンナンショウ属

コロナはじめ、いろいろな事が無ければ、昨年~今年はテンナンショウ属の写真を撮って、詳しい方に教えてもらうつもりでした。

亜高山帯のこのエリアにも、気になるテンナンショウ属が生育しています。

Ap6150033Ap6150032

Ap6150029Ap6150027

同じ林内では、花が終わり果実期に入った個体が多いのに、まだ咲いていました。これは何でしょう?もう少し低い所で見た、ヒガンマムシグサのハウチワテンナンショウタイプに似ています。

一昨年、詳しい方に教えていただいてから、図鑑を見ても迷うばかりです。教わった種が掲載されていない図鑑しか持っていないので・・。

Image_20210618183201Xp6030519_20210618183401

こちらは、一昨年同じ林内で見たテンナンショウ属です。オオミネテンナンショウと教わりました。

この西にある急勾配の斜面には、丈の小さな個体が多く見られました。20cmくらいのメス株も幾つか見られたので、写真を撮って見てもらうつもりでした。

浅学の私にとって、カンアオイ属とテンナンショウ属は、同じような難しさがあると思います。

2021年6月16日 (水)

トリガタハンショウズル

依頼を受けて、ある植物調査に亜高山帯へ行って来ました。最近は、こういう事が無いと亜高山帯を歩く事が少なくなりました。トリガタハンショウヅルを見るのも久しぶりです。

トリガタハンショウヅルが生育するのは、「山地の林縁」とありますが、私が初めて出会ったのは亜高山帯低域でした。それよりも低い所でハンショウヅルと出会い、シロバナハンショウヅルは更に低い3ヶ所で生育を確認しています。探索範囲が限られているため、諸先輩の認識とずれている事が多々あります。

Ap6150005

この日は、デジイチを忘れ、光学4倍ズームの接写用コンデジで撮ったら、ピンボケしてしまいました。

Ap6150009Ap6150132

爪先立ち片手撮りの接写です。

Ap6150008

中を覗くと、訪花昆虫がいました。

Ap6150152Ap6150151

こちらは、別の場所で撮りました。最初に、この植物の名前を聞いた時、「トリガタ?どこが鳥形なんだろう?」と思いました。その後、タイプ標本の採取地から名付けられた事を知りました。

キンポウゲ科センニンソウ属トリガタハンショウヅル(Clematis tosaensis Makino)。


溶岩や倒木の多い林床を歩くため、地下足袋に履き替えました。山野を歩くのに、初めて地下足袋を履きましたが、とても軽快で歩きやすい事が分かりました。手甲に脚絆、そして地下足袋・・怪しい小父さんに見られるかも?

2021年6月13日 (日)

アマギカンアオイ

最近、カンアオイ属に興味を持つようになりました。静岡県内で生育が確認された種だけでも、識別出来るようになりたいと思い、時間のある時に探索に出かけています。

昨年、二度ほど伊豆方面へ探索に行きました。その場所は、ランヨウアオイとオトメアオイが見られ、アマギカンアオイと思われる個体は2個体見かけただけでした。

その後、古い資料やWeb記事を参考に、ある場所に注目していました。出かける寸前まで迷いましたが、ダメもとで行ってみる事にしました。

Aimg_5199Aimg_5270

この日は、感が冴えていました。山の神様も味方してくれて、予想していたより沢山のアマギカンアオイに出会う事が出来ました。

Aimg_5330Aimg_5327

Ap6090013Aimg_5271

葉表の光沢、肉厚の葉、葉脈の凹凸が印象的でした。地域で見られる種では、スズカカンアオイの葉に似ていると感じました。中には、ランヨウアオイの葉と似た形をしたものも、見受けられました。

Ap6090011

Ap6090010

花を撮ってみました。「萼筒の入口は環状の鍔があり、その周囲に隆起した白い皴状の襞が形成される。」とあります。開花時期は違いますが、カギガタアオイに似た感じの花だと思いました。

ウマノスズクサ科カンアオイ属アマギカンアオイ(Asarum muramatsui Makino)。


カンアオイ属は、葉だけでは識別出来ない種が多く、開花時期に生育が確認されたという地域を探索する事になります。ピンポイントの位置情報を得て行くわけではないので、空振りも多い代わりに、人に知られていないであろう生育地に辿り着く事もあります。昔、一人で希少植物を追い求めて歩いた頃の事を思い出しました。

2021年6月11日 (金)

イズカニコウモリとミヤマフユイチゴ

イズカニコウモリとミヤマフユイチゴも、私の住む地域では見られない植物です。

【イズカニコウモリ】

Aimg_5181Aimg_5252

薄暗い林床が好みのようで、暗っぽい写真になってしまいました。

Aimg_5184Ph_dsc07530

左がイズカニコウモリで、右がカニコウモリです。イズカニコウモリの方が葉が丸いとあります。葉縁の鋸歯と葉柄基部の形が違いますね。また、カニコウモリは亜高山帯の針葉樹林に生育していますが、こちらはもっと高度の低い所に生育していました。

キク科コウモリソウ属イズカニコウモリ(Taimingasa amagiensis (Kitam.) C.Ren et Q.E.Yang)。

【ミヤマフユイチゴ】

ミヤマフユイチゴは、「葉の先端が尖る」とあります。地域で見られるフユイチゴにも、葉の先端の尖るものもありますが、同じ個体の一部の葉のみで、他は丸みを帯びています。

Aimg_5156Aimg_5155_20210611162801

家の近くで見るフユイチゴとは、かなり形態の違う葉が目につきました。「あっ、ミヤマフユイチゴだ!」

Aimg_5315Fuyuitigo_1204_2s

左がミヤマフユイチゴで右がフユイチゴの葉です。並べてみると、形態の違いが良く分かります。ミヤマフユイチゴとフユイチゴは、草本ではなく木本になります。

萼片や花弁にも特徴があるそうなので、花期に再訪出来たら比較して見るつもりです。

バラ科キイチゴ属ミヤマフユイチゴ(Rubus hakonensis Franch. et Sav.)。

2021年6月10日 (木)

アマギツツジ

私の普段の探索範囲は、富士山南面と愛鷹山系の西麓です。でも、最近はある植物の調査で、県中西部や伊豆半島に進出しています。自身での探索を基本としていますので、十数年の経験による感で探索場所を選定しています。外れれば徒労に終わりますが、この日は感が冴えていました。

目的の植物の記事は後回しにして、意外な植物との初めての出会いがありました。

Aimg_5293

目的の植物探索の帰り道・・「あっ、今頃ヤマツツジ?」

Aimg_5296

「なんか、花が大きい気がする。あれっ、ミツバツツジのような葉だ!」

Aimg_5304Aimg_5298_20210610182901

「このツツジ、何だろう?花色はヤマツツジで、葉はミツバツツジ?ヤマツツジのオシベは5本のはずですが、拡大して見ると10本近くあります。」帰宅して図鑑を調べてみると、アマギツツジのようです。

静岡県に住んでいるとはいえ、伊豆半島での植物観察の経験は殆ど無く、このツツジの名前も聞いた事はありませんでした。これ以外にも、初めての出会いがありました。幸運な方の、「犬も歩けば棒に当たる」の一日でした。

ツツジ科ツツジ属アマギツツジ(Rhododendron amagianum (Makino) Makino)。別名:アマギミツバツツジ。

2021年6月 8日 (火)

天子山麓の植物④

探索した林内で特に目についたのは、コミヤマスミレです。

Bimg_4932Bimg_4936

至る所に、数えきれないほど生育していました。愛鷹山系では、あまり出会う事の無い斑入り葉の個体も、普通に見られました。

スミレの仲間では、この他にフイリヒナスミレ、フモトスミレ、ナガバノスミレサイシンなどが生育していました。花期に訪れてみたいものです。

Bimg_5008Bp6020224

林道脇では、モミジイチゴが沢山生っていました。富士山麓で、毎年この果実を探しているという老夫婦に、幾度か出会いました。教えてあげれば喜ぶだろうけど、連絡先が分からない・・。

Bimg_5032Bimg_5024_20210608053001

Bp6020228Bp6020233

引き返し地点付近で、ツチアケビを見付けました。シカに食べられたのか株元から分岐した花茎が伸びているものもありました。

三年前だったと思いますが、長年ツチアケビの果実を民間薬として使っている人と知り合いました。高齢なので、自身では探しに行けないという事で、見つけたら届けるようにしています。ある地方新聞に書いた記事が取り持つ縁です。


掲載した植物以外にも、気になったものがいろいろありました。天子ヶ岳の麓は、これから時間のある時に探索範囲を広げようと思っています。

2021年6月 6日 (日)

天子山麓の植物③

カンアオイ属ランヨウアオイを初めて見たのは、富士宮市を流れる芝川水系でした。家の周りで見るカンアオイやオトメアオイと違う形態の葉が印象的でした。

カンアオイ属は、葉表の模様が様々で、それを観察して歩くのも楽しいです。

Ximg_4966Ximg_4970

富士市東部で良く見るカンアオイやオトメアオイは、下り藤模様が多く無地の個体は稀ですが、ランヨウアオイは、無地の個体が一番多く見られます。

Ximg_4954Ximg_4899

亀甲模様と、カンアオイやオトメアオイに多い下り藤模様です。

Ximg_4949Ximg_4951

左は何と表現すれば良いのでしょう。とりあえず霧点と呼ぶ事にします。このような模様は、カンアオイやオトメアオイでは、あまり見る事はありません。

Ximg_4948Ximg_4990

急峻な斜面の上の方にも生育していました。思い起こせば、伊豆天城でも、登るのに躊躇するような斜面でもかなりな個体数が見られました。

林道脇には、フタバアオイの群落もありました。こちらは、ランヨウアオイに比べて大きな群落をつくる事が多い種です。

Ximg_4911

よく見ると、唐草模様が見えていました。ランヨウアオイの葉は、他種に比べて特徴的な形をしていますが、実生発芽して間もない個体は、鉾状や耳状ではないものが多く、別種のような印象を受ける事があります。


カンアオイ属は、ある程度形態的特徴を覚えても、自信をもって識別する事が難しく、開花時期や花の構造、生育地域なども併せて判断する必要があります。同様に識別の難しいテンナンショウ属と共に、最近頭を悩ませています。以前は、スルガテンナンショウの花期が終ってから咲くものは、マムシグサやミミガタテンナンショウの名前しか知りませんでしたが、一昨年富士山南面に生える4種のテンナンショウ属を教えてもらってから、迂闊に名前が言えなくなりまし。

2021年6月 4日 (金)

天子山麓の植物②

今日は、パソコンと仲良くし過ぎて目が痛い!昔と違い、段々根気が無くなって来ました。

天子ヶ岳の麓では、コアジサイの花が見頃でした。

Bimg_4961Bimg_4962

このコアジサイの花、他に比べて白っぽい・・。

Bp6020205Bp6020206

接写してみました。やっぱり白い!

一般的に見られる花は・・。

Bp6020203Bp6020204

こちらの様に、花糸が青紫色です。でも、上段の花は花糸が白いですね。

品種のシロバナコアジサイ( f. albiflora (Honda) Okuyama)で良いのでしょうか?

アジサイ科アジサイ属コアジサイ( Hydrangea hirta (Thunb.) Siebold et Zucc.)。

花期はもう少し先になりますが、ついでに愛鷹山系で見た白い花を咲かせるタマアジサイも掲載します。

Ap9151362Ap9151361

こちらは、品種のシロバナタマアジサイ( f. leucantha Sugim.)だと思っています。

今迄、アジサイ属の花にあまり関心を持ってきませんでした。注意深く観察すると、このように花色が違ったり、装飾花の数や大きさに変異があって面白いです。

天子山麓の植物①

この日は、天子ヶ岳の麓にある人工林へ植物探索に行きました。今迄あまり訪れた事は無く、どんな植物に出会えるか楽しみでした。

Aimg_4941Aimg_4956

尾根を上るのを躊躇するほど急峻な斜面が続きます。このエリアは初回探索なので、幾つかの谷を上りました。この辺りは水が豊富で、小さな沢にも水が流れています。

Ap6020212Ap6020213

Ap6020211

この植物は、昨年カンアオイ属の探索に行った伊豆天城でも見かけました。ミゾホオズキのようです。

「葉には鋸歯があり、基部は鈍形で先端は尖る」とあり、図鑑の写真は先端が尖っていますが、ここの個体はあまり尖っていませんでした。

Aimg_4973Ap6020208

この林内には、アケボノソウも多く見られ、40~50cmくらいに伸びていました。写真の株は、シカの食害に遭ったのか、分岐枝が伸びて花をつけていました。歩道脇などで草刈りされたものも、花期より早く花をつけている事があります。逞しい植物なんですね。


富士宮市では熊の目撃情報があったそうです。この日は、久々にガランガラン鈴をつけて歩きました。一人探索は気楽でいいですが、歳をとると心細さも増して来ます。

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »