カイコバイモとコシノコバイモ
どちらも、静岡県RDBで絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されています。環境省RDBでは、コシノコバイモの指定は無く、カイコバイモだけ絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されています。
県内では希少だが、他地域ではある程度個体数が確認されているのでしょうか?どうも、コシノコバイモは母種のミノコバイモに含め、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているようです。
【カイコバイモ】
蕾が、葉に包まれ上を向いて出現し、時間の経過と共に横を向きます。
やがて、下を向いて咲きます。草丈が短い上にこんな状態で咲くので、デジイチで花芯を捉える事は困難です。
勾配のある場所に咲く花を、コンデジで撮りました。
ユリ科バイモ属カイコバイモ(Fritillaria kaiensis Naruh./synonym:Fritillaria japonica Miq. f. alba H.Hara et Kanai)。
【コシノコバイモ】
静岡県RDBでは、県中西部に分布するとありますが、1983年の植物相調査報告書では、伊豆天城の記録もあります。
ちょっと見では、カイコバイモと似た色合いの花で、その違いに気付きません。比較すると、花被片の基部(上部)が撫肩のカイコバイモに比べて角ばっています。
「花被片の辺と内面中脈に、小突起がある」とあります。内花被片の縁を見ると、突起が確認出来ます。図鑑に書かれたコシノコバイモの特徴を備えていますが、新潟のブログ友が掲載した写真とは違って見えます。コシノコバイモ静岡Ver.とした方が良いのかもしれません。
ユリ科バイモ属コシノコバイモ(Fritillaria koidzumiana Ohwi)(シノニム:Fritillaria japonica Miq. var. koidzumiana (Ohwi) H.Hara et Kanai)。
山野に生育する希少植物の保護は難しく、囲いなどをすればピンポイントでその場所が知られてしまいます。行く度、個体数の減少を目の当たりにすると、ぶつけようの無い怒りが込み上げて来ます。
植物観察を趣味とする人は、観察と写真を撮るだけだから良いのではなく、生育地の情報拡散防止に十分な配慮を持ってほしいと願っています。
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こんばんは♪
やまぶどうさんの記事を拝見して、コバイモにも何種類か有るのを知りました。
我が地方にはコシノコバイモしか無いようですが、調べたら8種も有るそうですね。
微妙に少しずつ違うようで・・・山の中で見たら私には区別が出来無いかも。
実は私、今年「妙高の野草に親しむ会(仮名)」の立ち上げメンバーになりました。
(そうそうたる先生方の末席で・・・小間使いのようなものですが)
今まで以上に山野草と出会う事が増えそうで嬉しい反面、チョッと緊張しています。
そして私も出会った山野草をブログに載せる事が多いのですが・・・
稀少品種は今までも場所の特定が出来無いように気を付けたつもりですが
これからはいっそう気を付けてUPしようと思います。
投稿: ロココ | 2021年3月 7日 (日) 22時09分
ロココさん、お早うございます。
この植物の自生地を見ると、一枚葉の苗が彼方此方で見られます。
でも、開花株は姿を消してしまう事が多く、園芸採取されてしまうようです。
発芽率は良い方だと思いますので、人目に触れなければ増えて行くと思っています。
ロココさんには、いいお仲間が大勢いるようですね。
色々な先生との交流は、学ぶ事が多く植物観察を更に楽しくしてくれると思います。
他県に住む、アクセス数の多いWebページの管理人さんから、案内を頼まれた事があります。
他の人には教えない約束で案内したのですが、数日後に友人を案内しても良いかと電話がありました。
そんな事があってから、元の様に一人歩きに戻りました。
相手によっては、瞬く間に情報拡散する恐れがあります。
地域に生育する植物たちが、無事でいてくれるのが一番です。
投稿: やまぶどう | 2021年3月 8日 (月) 06時16分