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2021年2月

2021年2月28日 (日)

家族の土産

下界に行った家族が、お土産を買って来てくれました。

Newton 2021年4月号「老いの教科書」

何とまぁ、私への当てつけだろうか?

でも、様々な角度から「老い」について書かれており、とても興味深い内容の記事でした。最近、いろいろな部分で自覚症状がありますので、後日じっくり読んでみようと思います。


そして、その次の記事を見て、お土産だと言われた本当の意味が分かりました。

「光合成をやめた植物たち」・・菌類から栄養を奪って生活する変わった植物の特集で、家族で応援している研究者の監修によるものです。

研究者自らが撮影した綺麗な写真が、老眼でも見られる大きなサイズで掲載されています。興味ある方は、読んでみてください。税込み1,190円です。


表紙の写真を貼り付けようと思ったのですが、宣伝になるとはいえ厳密には著作権法違反となるので止めにしました。訴えられる事は無いでしょうが・・。

2021年2月23日 (火)

ホソバオオアリドオシ

この植物に初めて出会ったのは、町内の鎮守の森でした。当初はかなり個体数がありましたが、シカの食害で数を減らしてしまいました。その後、我が家の山林に生育している事を知りました。

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葉は光沢があり、対生で大形と小形が交互についています。

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葉腋を良く見ると、蕾がついています。12月中旬に撮影。

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果実が赤く熟す頃、蕾が姿を現しています。

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こんな細長い花が咲きます。オシベ4個、メシベ1個、花冠の先端は4裂します。5月5日撮影。

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果実は、12月頃になると緑色から赤く熟します。

アカネ科アリドオシ属ホソバオオアリドオシ(Damnacanthus indicus C.F.Gaertn. var. lancifolius Makino)。別名、ホソバニセジュズネノキ、或いはホソバジュズネノキ。


知人が、畑の隅に群生したヒガンバナを持って来てくれたので、面積の広い再生畑②の一角に植え始めました。ここには、少し早く咲くキツネノカミソリも生育しています。今日は暖かい日で、少し動いただけで汗をかきました。早朝の室温を記録していますが、先週半ば頃と今朝では、10℃くらいの温度差がありました。人間だけでなく植物にとっても、危険な時期です。

2021年2月20日 (土)

植物園(2月中旬②)

西南エリアの様子です。

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各所で富士山が良く見えます。シカ柵(網)手前には、サンショウバラが植えられています。

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西エリアを南端に向かって進むと、シカ柵と門扉に囲まれたエリアがあります。中には、オオシマザクラの品種などが植えられています。花が咲いたら、接写して違いを学ぼうと思っています。

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まだ幼木ですが、本数も多く将来が楽しみなエリアです。隅には、予備木が控えていました。

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いつの間にか、ミツマタも植えられていました。

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彼方には、伊豆の山々や駿河湾が見えています。ロケーション抜群の植物園です。

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こちらは、ハコネグミです。家の近くで見るナワシログミは常緑低木ですが、ハコネグミは落葉低木です。


西エリアには、この他にも針葉樹林や落葉樹林の植物保全エリア、そして川へ下る斜面になったエリア、竹林などがあります。一度、全エリアを歩いてみましたがとても疲れました。少しずつ進化して行くのを見守るのは、いろいろな夢が見られて楽しいです。

2021年2月19日 (金)

植物園(2月中旬①)

16日に、造成中の植物園を見て来ました。西北エリアで気になったものを、掲載します。

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暖かい日差しを浴びて、ノビルやヨモギが伸び始めていました。次回訪問時に、少し頂いて来ようと思います。

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ウメのエリアでは、咲き始めた花がとても良い香りを漂わせていました。

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湿地エリアには、ミツガシワが待機しています。3月になったら植付を手伝う予定です。浮島ヶ原自然公園に移植されたミツガシワとは別の場所のものなので、花柱の長さが気になります。もし、長短の二種類があれば種子が得られ実生栽培が可能かもしれません。

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湿地エリアの数年後の景色に思いを馳せていると、可愛いカエルの鳴き声が聞こえて来ました。見まわると、彼方此方にヤマアカガエルが卵を産んでいました。

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隣接する圃場では、沢山のサンショウバラやアジサイの仲間が待機しています。

②では、西南エリアの様子を掲載します。

2021年2月15日 (月)

トサノクロムヨウラン

この植物の花を見たくて、幾度か県中部の常緑広葉樹林に通いました。

【静岡県中部】

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同じ林床に生育するエンシュウムヨウランの花が終わり、果実が姿を現し始めた頃、青紫の花茎が伸びて来ました。そして花期に、再訪しました。

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その後も幾度か通いましたが、全開の花を見る事は出来ませんでした。例外もあるようですが、一般的には午前中に全開して午後には閉じるようです。

【静岡県東部】

2019年秋、県東部にも生育している事を知り、翌年の開花時期に行って来ました。

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この場所の個体数は多く、沢山の蕾が見られました。中には、棒のような果実になっているものもありました。でも、午前中にもかかわらず全開の花が見られない・・。

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あちこち探し回ると、幾つか咲いていました。個体毎に1~2個ずつ咲くようです。

ラン科ムヨウラン属トサノクロムヨウラン(Lecanorchis nigricans Honda var. patipetala Y.Sawa emend. Suetsugu & Fukunaga)。


私が、県中部での存在を知った年に、従来クロムヨウランと呼ばれていたこの野生ランが、実はトサノクロムヨウランである事が研究者によって明らかにされました(2018年1月)。
2020年版静岡県RDBには、エンシュウムヨウランは掲載されていますが、よりレアと思われるトサノクロムヨウランは未掲載です。また、2020年版、静岡県野生生物目録には、クロムヨウランとトサノクロムヨウランが掲載されています。県内に、クロムヨウラン(花の開かないタイプ)もあるのだろうか?

2021年2月11日 (木)

ヒメフタバラン

静岡県で生育が確認されたフタバランの仲間は、アオフタバラン、タカネフタバラン、ミヤマフタバラン、コフタバラン、そして春に花をつけるヒメフタバランがあります。

【静岡県東部】

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2015年5月、富士市内のスギ・ヒノキ林で、この野生ランに出会いました。

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他種に比べて、低い高度に生育しています。富士山南面の場合、ヒメフタバランと同じくらいから少し高い所でアオフタバラン、亜高山帯低域でタカネフタバラン、更に上でコフタバランやミヤマフタバランを見る事が出来ます。

【静岡県西部】

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3月下旬に、森町で撮りました。かなり大きな群落で、花茎や花色に紫色の無いもの、葉の細長いもの、斑入り葉の個体なども混在しています。各々特徴に応じて品種名がつけられていて、栄養繁殖するため、同じ品種がまとまって生えている事があります。東部は西部より一月ほど開花時期が遅くなります。

ラン科サカネラン属ヒメフタバラン(Neottia japonica (Blume) Szlach.)。以前は、フタバラン属(Listera)に分類されていました。


2020年版静岡県RDBでは、西部しか記載されておりませんが、静岡植物相調査報告書(1983年)によると、御殿場市の記録があります。東部では、今のところ掲載写真の場所でしか出会った事がありません。生育が確認されたのは、一坪にも満たない範囲です。フタバランの仲間は、大群落を形成する事があります。何時の日か、本家に出会えると嬉しいのですが・・。

2021年2月 6日 (土)

イチヨウラン

亜高山帯の針葉樹林に生育するイチヨウランは、今頃は雪や氷の中に埋もれていると思われます。でも、この季節に観察できる場所もあります。

イチヨウランは、冬でも葉をつけていますので、雪の無い場所ではその存在を確認する事が出来ます。

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2014年5月上旬に、本来の生育地より高度1,000mほど低いヒノキ林で、この3個体と出会いました。その後、シカの食害で全ての葉が姿を消した事もありますが、2個体は復活しました。以来、ずっと見守っています。

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葉は、上記のような無地のものから、白い筋の入ったものや黒い斑点の入ったものもあります。

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深山の薄暗い林床で俯き加減に咲く花には、とても心を引き付けられます。。

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唇弁の形や斑紋に、変異の多い野生ランです。また、亜高山帯高域と低域の花にも違いがあるように思えます。前者の方が草丈が短く、萼片が垂れ気味で唇弁の斑紋も少なく無班を思わせる様な花を良く見かけます。

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イチヨウランは、晩秋に葉の更新があり、花芽を持って厳しい深山の冬を越します。クリーム色の葉が当年活躍した葉で、濃緑色の小さな葉が翌年活躍する葉です。シカに食べられた場合、一年くらいは根茎が生き続けるようです。可憐さと強さを併せ持った野生ランだと思います。

ラン科イチヨウラン属イチヨウラン(Dactylostalix ringens Rchb.f.)。


2020年版静岡県RDBによると、「県内では西部と中部、伊豆に分布する」とあり、分布域を記載した概略地図(地域メッシュ)にも東部の富士市・富士宮市域には記載されておりません。1983年の「植物相調査報告書」には、杉本先生が1929年に東部で確認された記述があります。素人探索人の見解としては、現時点で同資料に記載された他地域に比べて、東部に生育する個体数がそれほど少ないとは思えません。

2021年2月 1日 (月)

造成中の植物園

静岡県の東部に造成中の植物園があります。その様子を見に行って来ました。

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雪を纏った富士山が、良く見えていました。この写真は、狩宿の下馬ザクラ(国の特別天然記念物:アカメシロバヤマザクラ)の少し北側で撮りました。

【東エリア】

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スギの伐採を行っている東エリアの様子です。狩宿溶岩流の末端になるそうです。ここは窪地になっていますが、背後には溶岩流の痕跡が古墳の様に盛り上がっています。

ここから、川を隔てた西エリアへ接続する吊り橋が計画されています。邪魔者無しの富士山が望めます。

【西エリア】

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一部植栽済みの場所もあり、ウメ、サクラ、シャクナゲ、ミツバツツジなどの変種や品種、そしてハコネグミ、サンショウバラなどが植えられています。上段の水路から水を引き、湿地も作られています。

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10haを超すエリアには、落葉広葉樹林、スギ林、竹林、断崖など様々な環境の場所があります。

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富士山や愛鷹山も見える最高のロケーションです。


ここは、フォッサマグナ要素の植物に特化した植物園として、現在造成中です。また、森林伐採などにより、生育環境が損なわれつつある希少植物達の駆け込み寺としても、役立つものと思われます。

この日は、紅梅の花が咲き始めていました。季節が進みサクラが咲き始めた頃に、既植栽エリアの様子などを掲載するつもりです。植栽植物は、若木や挿木で増殖したものが主となるため、ある程度見頃になるのは数年先になると思います。こういうタイプの植物園は、完成というのは無く日々進化して行くものだと思っています。

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