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2022年5月27日 (金)

ナヨナヨワスレナグサ

この植物に初めて出会ったのは、かなり昔の事になります。沼津市と富士市の境辺りで、校区を越えた地域のこどもエコクラブに参加した時でした。

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エコクラブのサポーターの方が、「種を蒔くと簡単に発芽する」と言っていたので、種を持ち帰り蒔いてみました。その時の生き残りが、写真のナヨナヨワスレナグサです。「権兵衛の種蒔き日記」に掲載しようかと思ったのですが、勝手に生えているのでこちらにしました。

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花色が二種類あるのではなく、開花間もない内はピンクで、やがて水色になって来ます。ヤマルリソウなども同じですね。

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とても小さなアリが、花に潜っていました。アリが送粉者になる植物は稀なようですが、この植物はその珍しい例かもしれません。あの小さな開口部に潜り込める虫は、限られています。

ムラサキ科ワスレナグサ属ナヨナヨワスレナグサ(Myosotis laxa Lehm. subsp. baltica (Sam.) Hyl. ex Nordh.)。


The Journal of Geobotany(Sep. 1972)に掲載された論文によると、この植物を日本産としていますが、Ylistでは帰化植物とされ、日本からの報告はタビラコモドキ(Myosotis laxa Lehm. subsp. caespitosa (C.F.Schultz) Hyl. ex Nordh.)を誤ったものかもしれないとあります。

また、同論文には多年草とあります。我が家で20年近く代を繋げていますが、同じ場所に生き残らず殆ど増えません。もしかしたら、2年草?なんて思っています。増えない要因として考えられるのは、土壌湿度と種子の運ばれ方ではないかと思います。自生地は、田園地帯の湿原や水路脇です。発芽率が高くても、土壌湿度が保てないと実生苗が育たないのではないでしょうか?また、サワトラノオなどと同じく、種子が重力散布か水散布だとしたら、分布域の拡大はかなり制約されてしまいます。

2022年5月24日 (火)

テンナンショウ属探索(オオミネテンナンショウ)

テンナンショウ属・・蛇を連想させるこの植物が苦手でした。その上、この植物の識別は難しく、山野で出会っても、自信をもって種名の言えるものは限られています。一昨年頃から、目を向け始めたカンアオイ属に共通する難しさを感じています。

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「後姿のあなたは誰よ!」

仏炎苞には、緑色っぽいものと紫褐色の濃いものがあります。どれも丈が低い・・。一般的に丈の低い個体は雄株ですが、この種では20cm程度のメス株を見た事もあります。

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花が先に開き、葉は後から展開(展葉)します。

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棒状の付属体には、紫褐色の斑があります。

ユモトマムシグサの亜種で、オオミネテンナンショウと教わりました。別名は、ムラサキユモトマムシグサです。

サトイモ科テンナンショウ属オオミネテンナンショウ(Arisaema nikoense Nakai subsp. australe (M.Hotta) Seriz.)。

2022年5月23日 (月)

クサレダマとヌマトラノオなど

一人探索が主の私には、静岡県東部でも知らなかった場所がたくさんあります。

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富士宮市某所・・。

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おびただしい数のクサレダマ。

サクラソウ科オカトラノオ属クサレダマ(Lysimachia vulgaris L. subsp. davurica (Ledeb.) Tatew.)。

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その手前には、ヌマトラノオの群落。

サクラソウ科オカトラノオ属ヌマトラノオ(Lysimachia fortunei Maxim.)。

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そして、これが出会いたかった植物ではないかと思います。予想が正しいかは、もう少し先になれば分かります。

植物の保護は難しく、古くは「自然のままに」という考え方が主流のようでした。でも、それでは守れないのが実情です。草刈りはもちろん、移植や自生地分散なども視野に入れないと、守れない植物がたくさんあります。生育している環境が最適なのではなく、それでも枯れないでいると考えた方が良いような場所もあります。

この近くの保護区も見て来ましたが、数年前に比べてシダやスゲの仲間が増え、素人ながらに危機感を感ずるような状態でした。

2022年5月22日 (日)

イチヨウラン

初めてこの植物に出会ったのは、もう20年近く前になると思います。見慣れない肉厚の一枚葉が気になって、写真を撮りました。詳しい先生に聞いて、それがイチヨウランである事を知りました。

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もう咲いている頃だろうと思っていたのですが、まだ蕾の個体もありました。

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イチヨウランは、葉が大きいものが花をつけるとは限らないように思います。

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咲いていました!あまり目立たない花色なので、知らずにうろうろ歩くと踏みつけてしまいそうです。

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イチヨウランは、個体毎に萼片や花弁の形態、唇弁の斑紋などが異なっていて、見比べるのも楽しいです。

コンデジの電池が、フル充電されておらず、どれも暗っぽい写真になってしまいました。

ラン科イチヨウラン属イチヨウラン(Dactylostalix ringens Rchb.f.)。

葉に紫褐色の斑点が散在するものを品種としているそうですが、無班のものや白い筋の入ったものもあります。


今迄、何ヶ所か観察して来ましたが、毎年花をつけない個体が多いのではないかと思っています。それと、葉や花がシカの食害に遭う事も多く、その痕跡を幾度か目にして来ました。また、研究者から興味深い事を聞きました。この植物は、コハクランのように偽球茎ではなく短い根茎を持っていますが、その根茎に共生菌が詰まっていたそうです。菌類への栄養依存度が高く、菌類の状態によって花をつけない事があるのかもしれません。ラン科植物は、興味深いです。

2022年5月21日 (土)

トリガタハンショウヅル(蕾期)

確認したい事があり、嫁さんを伴って20日の午前中に亜高山帯低域へ行って来ました。

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ついでに、トリガタハンショウヅルの様子を見て来ました。長年見守って来た植物の無事を確認出来るのは嬉しい事です。

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標高300mくらいのところに生育している、シロバナハンショウヅルが果実期に入った頃、亜高山帯低域に生育するトリガタハンショウヅルはまだ蕾期でした。この場所では、6月中半頃が見頃だと思います。

林床を注意深く見歩くと、各所で実生苗を見る事が出来ます。ただ、開花株にはなかなか出会えません。

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以前撮った花の写真を掲載します。

キンポウゲ科テンニンソウ属トリガタハンショウヅル(Clematis tosaensis Makino)。

Syntypesが、高知県吾川郡仁淀川町の鳥形山である事から、標準和名がつけられたそうです。もう二十年以上前の事ですが、仁淀川(高岡郡仁淀村)の鮎釣り名人から囲炉裏上の竹を頂きました。とても硬く腰の強い投網用の編針が出来ました。私は仁淀川へ行った事はありませんが、昔の仕事仲間が住んでいます。一度は行ってみたい場所です。

2022年5月19日 (木)

シロバナハンショウヅル(花後)

最近は、希少種の花期よりも無事でいるかどうかの方が気になります。久々に、シロバナハンショウヅルの様子を見て来ました。

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無事でした!林縁で見る事が多いため、除草作業で姿を消してしまう事もあります。この場所では、同属のセンニンソウと同居しています。ハンショウヅルの仲間は、草本ではなく蔓性木本です。

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シロバナハンショウヅル親株(開花株)の葉です。

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こちらは実生苗の葉です。

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開花株と並べてみました。小葉の鋸歯が、上左のように少し違うものもついていますが、シロバナハンショウヅルの苗である事が分かります。

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果実が出来ていました。右は、以前撮った花期の写真です。

花色の似たトリガタハンショウヅルと比較しているWebページが幾つかありました。私の狭い探索範囲では、シロバナハンショウヅルは標高300m~700m辺りで、トリガタハンショウヅルは亜高山帯低域で見られます。タイプ産地は、静岡県下田となっています。

キンポウゲ科センニンソウ属シロバナハンショウヅル(Clematis williamsii A.Gray)。

地域では、ハンショウヅルの仲間を見かける事は多いですが、日照不足が原因なのか開花株を見る事は稀です。

2022年5月10日 (火)

ヤマツツジ

このところ、畑や植物園の除草作業に追われています。少し気を緩めると、草丈が大きくなっていて唖然とする事になります。

保全林のバラや下草を刈りに行った時、ヤマツツジの花が見頃でした。林内には、自生のヤマツツジが各所で見られます。

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新緑の中に、朱赤色の花が映えています。

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ヤマツツジの花は、朱赤色ばかりだと思っていました。ところが、紅紫色や白色の花をつける品種や変種もあるようです。ツツジの仲間は交雑するため、私のような素人には識別の難しい種です。

ツツジ科ツツジ属ヤマツツジ(Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi)。

ヤマツツジは、私の住む富士市域でも比較的出会う事の多いツツジでした。でも、最近ではスギ・ヒノキ林ばかりで、生育域が限られて来ています。

2022年5月 7日 (土)

保全林のキンラン属

昨日は、植物園保全区の除草作業などを行いました。植栽保全区の奥にある落葉広葉樹優先の保全林には、キンラン属が沢山生えています。

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シカ柵の外に生えている大株のキンランで、草丈が50cmくらいあります。同じくシカ柵の外には、品種のシロバナキンラン( f. albescens S.Kobay.)も生育しています。

ラン科キンラン属キンラン(Cephalanthera falcata (Thunb.) Blume)。

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こちらはササバギンランです。他の個体は、まだ蕾が姿を現しておりません。

ラン科キンラン属ササバギンラン(Cephalanthera longibracteata Blume)。

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ギンランも生育しています。

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針葉樹林内にも・・。

この時期の保全林は、開花前のキンラン属を踏みつけられる恐れがあるため、枯れ枝拾いや除草などは私のみで行っています。

ラン科キンラン属ギンラン(Cephalanthera erecta (Thunb.) Blume)。


今朝、記事を更新しようとしたところ、ブログ画面枠にログイン窓が表示されていませんでした。Q&Aを見ても、「ログイン窓が未表示」というような例が見当たりません。仕方なく、ココログのトップページで「記事を書く」からログインしました。

2022年5月 4日 (水)

ルイヨウボタン

富士山南麓では、これからボタン科ヤマシャクヤクが咲きます。ルイヨウボタンは、ボタンの名がついていますが、ボタン科ではなくメギ科に分類されています。

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新たなエリアの林道脇に、ルイヨウボタンが生育していました。サトイモなどと同じように、葉に撥水性があります。

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以前撮った花期と果実期の写真です。果実は液果で、やがて黒紫色に熟します。

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スプーン状の花弁のような部分は萼片で、花弁はオシベの支えのような部分です。通常は花弁と萼片は6個ですが、稀に左のような変わり者もいます。

メギ科ルイヨウボタン属ルイヨウボタン(Caulophyllum robustum Maxim.)。


葉に撥水性があるのは、どうしてでしょう?葉に落ちた雨水は、水玉になって葉表の汚れを洗い流します。それによって、光合成の効率を上げるそうです。この自浄効果をロータス効果というそうです。植物はいろいろな仕組みがあって面白いですね。

富士山国有林とクジャクシダ

静岡県東部に住んでいるため、静岡森林管理署管轄の富士山国有林は、探索する機会の多い場所です。ところが、まだ未開拓のエリアがありずっと気になっていました。

ある目的があって、入林届を提出してもらい車両で入りました。

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この沢を少し上ると、両脇にフタバアオイの群落が広がっていました。フタバアオイは、ウスバサイシンなどと同様に冬に葉を落とします。カンアオイ属の中でも異色な存在で、大きな群落を形成するのも他種と違うところです。

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富士山には沢山の沢があります。大岩の周りや沢筋は、何処も気になるところです。

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国土地理院の地図では、針葉樹林になっていましたが、落葉広葉樹優先の林もありました。とても気持ちの良い林内でした。

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シダ植物に目を向けるようになったのはつい最近の事です。まだまだ全くの初心者ですが、綺麗だと思えるものが幾つかあります。その中でも、このクジャクシダは一番のお気に入りです。

夏緑性のシダ植物ですので、この季節には新葉を見る事が出来ます。「県内各所に広く分布する」とありますが、出会おうと思ってもなかなか出会えません。

イノモトソウ科ホウライシダ属クジャクシダ(Adiantum pedatum L.)。

ハコネシダと共にホウライシダ科とする説もあるようですが、Ylistに倣いました。

同じくイノモトソウ科に分類されているオオバノハチジョウシダのように、シカの食害に遭わないのだろうか?

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