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野生蘭

2020年11月28日 (土)

晩秋の着生ラン

庭木の剪定をしていて、カヤランを見付けました。そこで、地域で見られる着生ランを集めてみました。

【カヤラン】

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カヤランには、もう蕾が出来ています。段取りが早いですね。細長い果実は、花が咲く頃に熟して種子を飛散させます。

【クモラン】

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クモランは、ウメやサクラなどの乾燥状態が続く樹皮で見る事が多い着生ランです。でも、コケの生えた樹皮も気に入っているように見えます。

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こちらは、クモランの葉状体です。水分を吸収しやすく溜める機能を持つ着生根が無いのに、どうして生き続けられるのでしょう?葉状体自体或いは仮根がその代わりをしているのだろうか?

【ヨウラクラン】

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この着生ランを初めて見たのは、シンボルツリーの八重枝垂れの樹上でした。その後、一部をイヌマキに着生させたところ、本家よりも大きな株になり、実生苗も所々で見る事が出来ます。

【ムギラン】

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ムギランは、栄養繁殖で樹上に大きな群落をつくります。また、結実率も高い方だと思いますが、カヤランやヨウラクランに比べて発見した生育地は多くありません。

【ムカデラン】

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ムカデランの生育地は「向陽地の樹幹や岩上」とあります。日当りが良いと上の写真のように茎や葉が赤っぽくなったものが多く、少し日陰に生育すると下の様に葉が緑を保っています。本当は向陽地が苦手だったりして・・。

2020年11月10日 (火)

クロヤツシロラン果実の頃

クロヤツシロランは、同じ林内でも開花時期にかなりの開きがあるように思います。多くの個体が花期なのに、果柄が10cmくらいの果実を見る事があります。また、果実期に種子が飛散し終わったものと、まだ果皮が裂開せず未熟と思われるようなものを見る事もあります。

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こちらは、伊豆天城で撮りました。数えるほどしかありませんでしたが、初めて伊豆半島で見たクロヤツシロランの果実なので、掲載しました。

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再生畑②の隣に、所有するスギとヒノキの林が少しあります。そこにも、クロヤツシロランが生育していました。

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塵のような種子が、数えきれないほど詰まっています。

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果皮が裂開して種子が飛散し始めたものと、飛散し終わったものです。ひな祭りの雪洞の(骨組みの)ようですね。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

2020年10月20日 (火)

野生ランの生存確認とキノコ

先日、ある野生ランの果実の様子見に行って来ました。ところが、生育地は綺麗に除草されて全て姿を消していました。特殊な野生ランなので、地上部が無くなっても生き残っていると思いますが、果実が熟し種子を飛散させなければ、多様性の確保や生育地の拡大が出来ません。

希少植物の生育地を知っていても、守る事が出来ない歯がゆさを幾度も味わって来ました。行政が、提唱或いは実施している保護活動と、現実の間には大きなずれがあると思います。

その場所で、無事だった別の野生ランと、気になったキノコを掲載します。

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シュスランです。以前、花を掲載した場所に比べて個体数は少ないですが、周辺に生育の可能性を伺う事が出来ます。※この写真だけ左クリックで、900ピクセルになります。

夏に訪問した時は、蕾があったと思いますが、花序の痕跡がありません。開花株が誘拐されたのかも?

虫食いの痕跡と思える様なキノコ・・以前、師匠に教えてもらったアカツブタケ属だと思います。

こちらは、ホコリタケ属。ホコリタケの仲間もいろいろあるようですね。

エリマキツチグリやヤブレツチグリ(ヤブレツチガキ)に似ています。外皮が反っていても襟巻が無い事と、外皮の内面が赤褐色を帯びているので、ヤブレツチグリでしょうか?

これは、小さいけどハナビラニカワタケでしょうか?

他にも何種類か見る事が出来ました。維管束植物はもちろん、目に入ったキノコの名前がもっと分かると、近場の探索も更に楽しくなります。

2020年10月18日 (日)

土通草(ツチアケビ)三度

友人が、ツチアケビの果実を見付けてくれたので、依頼主に届けて来ました。昨年は、なかなか見つかりませんでしたが、今年はこれで三度届けました。

今朝は、雪を纏った富士山が見られました。早朝、富士市から見た富士山。

10時頃。富士宮市から見た富士山。明日は天気が悪いようで、笠雲を被っていました。

これを、民間薬として長年利用されている高齢の方から依頼され、手に入ると届ける事にしています。全体写真は撮りませんでしたが、丁度良い熟れ具合で立派な果実でした。今回も、とても喜んでくれました。

ツチアケビという和名がつけられていますが、一般的には、アケビのように果皮が裂ける事はありません。でも、この果実は裂けていました。どうしてこれだけ裂けたのだろう?これなら、アケビの名にふさわしいですね。

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この写真のみ、左クリックで元サイズ表示されます。

こちらは、以前撮った写真で、種子が良く確認出来ます。ツチアケビはラン科植物ですが、果皮の中に塵のような種子を宿す蒴果では無く、果肉の中に種子を宿す液果です。

そのため、種子は風散布ではなく動物散布で、野鳥が運び手の一種である事が報告されています。ただ、今迄多くの果実を見て来ましたが、食痕のあるものは稀です。果実を丸ごと食べる事が出来るシカなども頭に浮かびますが、こうして残っている事が多く、蕾の頃には食べられても果実期は好まれないように思います。

2020年10月 7日 (水)

カゲロウラン花の確認

今迄、地域で発見したカゲロウラン(3個体)の記事を、幾度か掲載しました。でも、まだ確認しなければならない事がありました。

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初めて出会った時は、このような状態(果実期)でした。葉の特徴や花の名残からカゲロウランと判断しました。でも、まだこの個体の花を確認した事がありませんでした。

発見時の生育場所が、シカのたまり場になって踏みつけられていたため、別の場所へ移植しました。県中部でしか見た事の無かった別種の野生ランは、踏みつけられた後に姿を消してしまいました。それが分かった時、移植しておけば良かったと今でも後悔しています。

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現在の、葉の様子です。真ん中の個体は、栄養繁殖により2本の花茎が上がっていました。まだ大丈夫だろうと思っていた花は、殆ど終盤を迎えていました。遅かったか・・。

先端にまだ無事な花がありました。これで間違いないと思います。このまま無事を見守って行きたいと思います。

この野生ランはとても結実率が高く、花がすぐに終盤を迎える事などから、自動自家受粉をするのではないかと思っています。

ラン科キヌラン属カゲロウラン(Zeuxine agyokuana Fukuy.)。

2020年10月 4日 (日)

ヤツシロラン類根状器官の様子

家族に手伝ってもらい、倉庫の片付けをしたかったのですが、萌の散歩が終り不法投棄監視パトロールの報告書などを作成していたら、半日潰れてしまいました。思い通りにはいかないものです。

昨日、散歩道のクロヤツシロランを見て来たので、ヤツシロラン類の実生栽培実験容器を覗いてみました。

【ハルザキヤツシロラン】

分岐した根状器官が成長していました。マウスを乗せると、8月26日の写真に変わります。

根状器官と菌糸の接触部分を接写してみました。半透明だった根状器官が、褐色になっています。

【ヒメヤツシロラン】

分かり難い写真ですが、何ヶ所かから半透明の根状器官が伸びています。マウスを乗せると、根状器官に出来たイボの写真になります。この変化により、容器内にヒメヤツシロランの共生菌が存在している事が分かります。

昨年撮った写真ですが、菌糸と根状器官の接触部とその変化が良く分かります。

現在は、どの容器も自生地の樹種と同じ部材のマットで塊茎を覆ってあり、中の変化が見られないようになっています。マット上に出現した根状器官により、塊茎の無事を知る事が出来ます。

山野の観察では、このような変化を見る事はまず出来ません。また、種ごとに根状器官にもいろいろな違いのある事が分かりました。キノコを食べて生きる植物は面白いです。

2020年10月 3日 (土)

散歩道のクロヤツシロラン

今日は、一人暮らしの義母の様子を見に行って来ました。病院へ行く日なのに、到着すると留守でした。歩行器を使って、自分で近くの病院に行っていたのです。嫁さんと、ちょっと慌ててしまいました。

今朝の散歩時に、クロヤツシロランの果実が目に入りました。「しまった、遅かったか!」・・萌に朝ご飯を食べさせた後、撮影に行って来ました。

脇の林に入ると、咲いていました!この花は花粉塊が落ちていました。訪花昆虫の首に上手く着かなかったようです。下の写真は、コンデジの底を地面に押し付けて撮りました。

こちらは、萼片や側花弁の先端が萎れかけていますが、花粉塊はまだ残っています。

蕾の個体も幾つか見受けられました。この写真は、上側と下側から取ってあります(マウスを乗せると下側)。ヒノキの球果ほどの花で、地際に咲きこの色彩ですから、花期に見つけるのは至難の業です。

花柄が伸びた果実期に見つけておいて、翌年の花期に探すのが一番良いと思います。でも、同じ個体は翌年花をつけない事が多いようです。昨年、幾つかの開花株の横に笹を挿して置きましたが、今年はどれも花が見当たりませんでした。

こちらは果実です。同じ場所でも開花時期にかなりなずれがあるようです。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

静岡県版RDBでは、クロヤツシロランが準絶滅危惧(NT)に指定されており、より個体数が少ないと思われるアキザキヤツシロランが未指定となっております。全体の分布状況は把握しておりませんが、県東部に関する限り、逆ではないかと思っています。

当初は、両者が混同されていて、アキザキヤツシロランだけが記載されており(全部アキザキヤツシロランと思われていた)、クロヤツシロランが後から記載された為、取り違えている可能性もあります。

2020年9月19日 (土)

渓谷沿いのツチアケビ

今日は、ハコネサンショウウオの調査でした。林道のゲートを閉めるために最後まで残って、ふと川側を眺めていると、赤い色彩が目に入りました。先端部だけしか見えなかったので、カエンタケではないかと思い近づくと、ツチアケビでした。

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大小合わせて4本ありました。数年前に、もっと上流部で食痕のある果実を見付けて、センサーカメラを仕掛けました。シカやテン、アカゲラなどが写っていましたが、食べている所は写りませんでした。目立つ果実の割に、食痕のあるものは珍しいように思います。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年9月17日 (木)

ヒトツボクロ

このところ放置状態だった再生畑①の、除草と耕運機がけを開始しました。手始めに、長く伸びた雑草を仮払い機で刈り、熊手で集めて片付けます。その後、更に丁寧に除草してから耕運機で耕します。考えて見れば、年中除草作業を行っています。素人農業は、先が見えず疲れます。

ヒトツボクロは、一枚葉の野生ランです。果実が膨れる頃、葉は枯れ新たな芽が土中で待機しています。そろそろ、新葉が展開し始める頃だと思い、様子を見て来ました。

「葉は、光沢のある深緑色、中脈は白色、裏面は紅紫色」とあります。でも、そうなるのはもう少し先の事になります。初秋に出現した葉は、どれもこのような色をしています。

こちらが、図鑑の解説通りの葉です。葉は、上のような状態から段々緑を帯びるようになります。葉表が緑色になったばかりの頃は、葉裏はまだ紅紫色ではなく白緑色で、その後紅紫色になって行きます。

花の写真も掲載します。とても小さく地味な花です。「花の捻じれが、蛾による花粉媒介に有利である」との事ですが、どの個体も結実率は高く自動自家受粉するのではないかと思っています。

ラン科ヒトツボクロ属ヒトツボクロ(Tipularia japonica Matsum.)。

2020年9月15日 (火)

着生ランの果実

今日も、茶畑だったエリアの片付けと耕運機かけを行いました。少し涼しくなったとはいえ、肉体労働が続くと汗びっしょりになります。

地域に生育する地生ランは、これから咲くものもありますが、着生ランは果実期に入っています。身近で見る事が出来た、着生ランの果実を集めてみました。

ボウランとフウランの果実です。ボウランは地域に生育する野生ランではないので、果実を初めて見ます。送粉者はどんな虫だろう?
フウランの送粉者は、スズメガの仲間(コスズメガ属)だそうです。私は、まだ訪花中の送粉者に出会った事がありません。

カヤランとセッコクです。カヤランは、小さな花の割に大きな棒状の果実をつけます。
セッコクの果実は昨年も幾つかなりましたが、実生苗はまだ見かけません。

ヨウラクランとムギランです。ヨウラクランは、数えきれないほどの花をつけますが、結実するのはホンの数個だけです。でも、周辺で実生苗を良く見かけます。
ムギランは結実率が高いと思いますが、実生苗になかなかお目にかかれません。

最後はクモランです。クモランは結実率が高く、果実は良く見かけます。でも、訪花昆虫はアリくらいしか見た事がありません。

ラン科植物は、共生菌から養分をもらって発芽するそうです。湿度のある土中や枯葉などの体積物の中なら、菌類も生育しやすいと思いますが、樹上の場合は乾燥する事もあり、菌類にとって不適な環境に思えます。樹上の共生菌は、どのような生き方をしているのでしょう?

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