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野生蘭

2020年9月19日 (土)

渓谷沿いのツチアケビ

今日は、ハコネサンショウウオの調査でした。林道のゲートを閉めるために最後まで残って、ふと川側を眺めていると、赤い色彩が目に入りました。先端部だけしか見えなかったので、カエンタケではないかと思い近づくと、ツチアケビでした。

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大小合わせて4本ありました。数年前に、もっと上流部で食痕のある果実を見付けて、センサーカメラを仕掛けました。シカやテン、アカゲラなどが写っていましたが、食べている所は写りませんでした。目立つ果実の割に、食痕のあるものは珍しいように思います。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年9月17日 (木)

ヒトツボクロ

このところ放置状態だった再生畑①の、除草と耕運機がけを開始しました。手始めに、長く伸びた雑草を仮払い機で刈り、熊手で集めて片付けます。その後、更に丁寧に除草してから耕運機で耕します。考えて見れば、年中除草作業を行っています。素人農業は、先が見えず疲れます。

ヒトツボクロは、一枚葉の野生ランです。果実が膨れる頃、葉は枯れ新たな芽が土中で待機しています。そろそろ、新葉が展開し始める頃だと思い、様子を見て来ました。

「葉は、光沢のある深緑色、中脈は白色、裏面は紅紫色」とあります。でも、そうなるのはもう少し先の事になります。初秋に出現した葉は、どれもこのような色をしています。

こちらが、図鑑の解説通りの葉です。葉は、上のような状態から段々緑を帯びるようになります。葉表が緑色になったばかりの頃は、葉裏はまだ紅紫色ではなく白緑色で、その後紅紫色になって行きます。

花の写真も掲載します。とても小さく地味な花です。「花の捻じれが、蛾による花粉媒介に有利である」との事ですが、どの個体も結実率は高く自動自家受粉するのではないかと思っています。

ラン科ヒトツボクロ属ヒトツボクロ(Tipularia japonica Matsum.)。

2020年9月15日 (火)

着生ランの果実

今日も、茶畑だったエリアの片付けと耕運機かけを行いました。少し涼しくなったとはいえ、肉体労働が続くと汗びっしょりになります。

地域に生育する地生ランは、これから咲くものもありますが、着生ランは果実期に入っています。身近で見る事が出来た、着生ランの果実を集めてみました。

ボウランとフウランの果実です。ボウランは地域に生育する野生ランではないので、果実を初めて見ます。送粉者はどんな虫だろう?
フウランの送粉者は、スズメガの仲間(コスズメガ属)だそうです。私は、まだ訪花中の送粉者に出会った事がありません。

カヤランとセッコクです。カヤランは、小さな花の割に大きな棒状の果実をつけます。
セッコクの果実は昨年も幾つかなりましたが、実生苗はまだ見かけません。

ヨウラクランとムギランです。ヨウラクランは、数えきれないほどの花をつけますが、結実するのはホンの数個だけです。でも、周辺で実生苗を良く見かけます。
ムギランは結実率が高いと思いますが、実生苗になかなかお目にかかれません。

最後はクモランです。クモランは結実率が高く、果実は良く見かけます。でも、訪花昆虫はアリくらいしか見た事がありません。

ラン科植物は、共生菌から養分をもらって発芽するそうです。湿度のある土中や枯葉などの体積物の中なら、菌類も生育しやすいと思いますが、樹上の場合は乾燥する事もあり、菌類にとって不適な環境に思えます。樹上の共生菌は、どのような生き方をしているのでしょう?

2020年9月11日 (金)

シュスランの花

地域で生育が確認された「野生ラン図鑑」を作成中です。シュスランの花の写真がまだ撮ってありませんでしたので、位置情報を教えていただき、GPSにポイント登録して探索に出かけました。

位置情報を頂いたとはいえ、小さな野生ランの場所にピンポイントで到達するのは、かなり難しいと思います。でも、今回も山の神様が導いてくれました。

開花株は1本だけでしたが、狭い範囲に小さな葉が結構見られました。分布状況を見ると、何ヶ所かに実生発芽した個体が、匍匐茎で栄養繁殖していると思われます。

コンデジで強制フラッシュと、フラッシュ無しで撮ってみました。F2.0のレンズとはいえ、薄暗い林床ではフラッシュ無しは辛いです。

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同じ花序を方向を変えて撮ってみました。花は淡紅色を帯びた白色です。

「背萼片と側花弁は完全に重なり、唇弁は赤味を帯びる」とあります。中国名は、鳥嘴蓮 (絨葉斑葉蘭)・・この野生ランに関しても、的を射た名前だと思います。

こちらは、次の開花株候補でしょうか?葉にビロード状の光沢がある事から、ビロードランの別名があります。

情報提供者様と山の神様に感謝です。

ラン科シュスラン属シュスラン(Goodyera velutina Maxim.)。

2020年9月 7日 (月)

移植後のカゲロウラン

今日は、予約してあった行政窓口などで、幾つかの手続きをして来ました。どれも順調に終わり、帰りがけには悪天候の中を帰る私に、気遣いの言葉をかけてくれました。「今までには無かった」という人がいるかもしれませんが、それは窓口担当者の人柄の問題だと思います。気苦労な手続きが終わり、ホッとしたところへ温かい言葉をかけて頂き、今夜は美味しい晩酌になりそうです。

シカの被害を気にして、別の林へ移植したカゲロウランの様子を撮ってみました(撮影日に、数日のずれがあります)。

移植したのは3個体でした。どれも移植前より葉色が良く、元気そうに育っています。一番下の個体は移植前は一茎でしたが、二茎に蕾がついています。

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蕾を撮ってみました。県中部の生育地では、もう咲き始めているかもしれません。少し落ち着いたら、発見場所周辺を再調査してみようと思っています。手元の富士市植物仮目録に追記しましたが、まだ3個体しか見つかっていないので、証拠標本は無しで位置情報と写真のみ別ファイルに記録しました。

2020年8月26日 (水)

キノコを食べる植物と湿地の植物

事情があって、暫く畑に行けなかったので、午前中覗いて来ました。こんなに暑くても、雑草だけは元気いっぱいでした。暑さに参った時は、水分補給よりも木陰が一番の復活剤になります。

【キノコを食べる植物】

ヤツシロラン類の栽培容器を覗いて見ました。

根状器官が枝分かれする特徴を持つ「ハル」です。褐色になった辺りで、菌糸との絡み合いが見られます。

こちらは、「ヒメ」です。根状器官は彼方此方に見えていますが・・。ササと葉を刻んだマットを増やしました。吉と出るか凶と出るか不安です。もっと、自生地の土が欲しい・・。

【湿地の植物】

こちらは、湿地に生育する「ヒメ」です。1個と思っていた種子が2個あったようで、2個体を得る事が出来ました。成長が早く、移植時でさえ600mm長のプランターでなければ収まりませんでした。この植物の播種が10月29日と言って、信じる人がどれくらいいるでしょうか?しかも花をつけました。

正直「サワ」よりも、ずっと驚かされました。「自生地では、不適な環境で瀕死の状態で生き続けて来た」・・そんな感想を持ちました。

「タコ」は、同じく10月29日に播種したものを、生育状態に合わせて、3グループに分けて移植しました。一番遅れて発芽したものは、まだ数センチですが、最初に移植したものは花が咲き始めました。写真は同じ日に撮りました。

「サワ、ヒメ、タコ」の三種について、適時に実生発芽したものは、移植を経て翌年開花に至る事が分かりました。果実の熟す時期に播種すれば、翌年の開花時期までの生育期間が長く取れます。果実の熟す時期(種子散布時期)が、一番発芽率が高く、時間の経過と共に発芽抑制されると思っています。

2020年8月22日 (土)

ボウフウラン再び

1個目の開花からかなり遅れて、2番目の花が咲きました。

貴重な花なので、また撮ってみました。

両親であるフウランとボウランの特徴を、いろいろ垣間見る事が出来ます。唇弁の色や模様は、ボウラン譲りです。全体的な花形や花柄子房の長さは、フウランに近いと思います。距はフウランのように長くなく、ずっと短くなります。

一日一記事・・昨日は用事があって記事が書けませんでしたので、時間を遡ってアップします。

2020年8月19日 (水)

土通草

夢の見られる場所で、草刈りとある植物の植え付けを行いました。暑い上に、藪蚊が飛び回っていて参りました。

その帰りに、先生宅の庭に生えていた土通草の果実を頂き、依頼者に届けて来ました。

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「何だツチアケビか?」・・依頼者は、土通草(ドツウソウ)と呼んでいました。

長年、この果実を干して生薬として利用されて来たそうです。高齢になり、山野で探せなくなってから、漢方薬屋さんに頼んだ事もあったそうですが、それでも扱っていない事が多くて困っていたようです。

自身で試した事はありませんが、とても効能があると言っておられました。喜んでいただけて、届けた甲斐がありました。

2020年8月18日 (火)

ベニシュスラン

朝一、確認したい事があって、ベニシュスランの生育地へ行って来ました。その後、このところ放置状態だった再生畑①の草刈りをしました。本当に「危険な暑さ」です。年寄りはウロウロ出歩かない方が良い!と口の悪い家族に言われています。

花に目を奪われない時期の訪問も、いろいろな事に気がついて興味深いものです。主目的ではありませんでしたが、ベニシュスランを観察してみました。

個体の多くがスギの葉に隠れたこの林では、花期の方が見つけやすいと思います。「茎は匍匐して立ち上がり・・」とありますが、匍匐の範囲は思っていたよりもずっと短く、少し離れたものは個別株と思われます。

初めてこの場所を見付けた時に比べて、開花株が少なくなり、葉も矮小化しつつあるように思います。このようにスギの葉のマットに覆われたところの方が、生育が良いようです。

個体数の割に、結実率は低いと思います。果実をつけた個体は、数えるほどしかありません。マウスを乗せると、一茎で二果実に変わります。ここでは極めて稀です。

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この野生ランは根が殆ど無く、覆い被さったスギの葉を除けると、一緒に抜けて来る事があります。根は地中というよりスギの葉と表土との間に伸びている事が多いようです。

同じシュスラン属ですが、本家シュスランはこのように葉表に艶があり、中央の白い筋がはっきりしています。どちらも同じ菌根菌に依存しているそうですが、落葉広葉樹や針葉樹などの落ち葉に覆われている事が多く、それでも花を咲かせる事から、菌への依存度が高い植物だと思われます。

ラン科シュスラン属ベニシュスラン(Goodyera biflora (Lindl.) Hook.f.)。

2020年8月15日 (土)

ツチアケビ

一昨年、ある地方紙にツチアケビの記事を掲載しました。すると、その記事を見た方から、記者経由で場所を教えてほしいと連絡がありました。情報拡散防止の観点から、基本的には希少植物の位置情報は教えない事にしています。

拙い記事を読んでくださった事でもあり、話だけは聞いて私の考え方を伝え、丁寧に断ろうと思っていました。私より高齢の方で、ずっと昔から民間薬として毎年利用されて来たそうですが、諸事情があり、探しに行く事が出来ないので何とかならないかとの事でした。

毎年同じ場所に生えない事が多いので、確約は出来ないが運よく出会ったら・・という事で、見つかったら届ける事にしました。

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7月下旬の霧雨降る早朝、ある植物を探しに行く途中でこの株を見付けました。脇見運転していたのではありませんよ。長年こういうものを探し歩くと、反応が敏感になるのです。

蕾もありましたが、果実が色付き始めたものもありました。虫媒花でもあるそうですが、自動自家受粉をするため結実率は高いとありました。でも、何かの原因で落下する事も多いように思います。

これは以前撮った花ですが、ツチアケビはラン科植物です。良く見ると、洋ランのような綺麗な花をつけます。

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そして、本日早朝、萌の散歩を嫁さんに任せて、別の用事で行ったついでに覗いて見ると、かなり果実が大きくなっていました。中国名は、血紅肉果蘭・・ツチアケビは、ラン科植物としては稀な液果をつけます。中国名は、的を射たものが多いと思います。

探すとなかなか見つかりませんが、先日伺った先生宅の庭にも生えていました。そちらも予約済みです。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

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