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苔と羊歯

2020年12月 2日 (水)

不法投棄監視パトロールで出会った植物など

今日は、夕方用事がありますので、早めの投稿となります。

不法投棄監視パトロールは、林道主体となりますので、行ったついでに気になるところを覗いています。11月最後のパトで、気になった植物などを集めてみました。

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一番手は、菌類です。チャワンタケの仲間・・外側が白っぽく毛が生えている事などから、ベニチャワンタケでしょうか?

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コケ植物・・ムチゴケの仲間とコセイタカスギゴケでしょうか?

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コチャルメルソウも、所々で見る事が出来ました。

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コキンバイザサの様子も見て来ました。下段には、蕾らしきものが写っています。12月のパトで、どうなっているか確認したいと思います。

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こちらは、以前撮った写真です。果皮が破れたところから、黒い種子が見えています。地面に寝ているものを良く見かけますので、地上を這う生き物によって、種子が運ばれるのではないでしょうか?虫に食べられて運ばれるのか、エライオソームがあってアリに運ばれるのか知りたいと思っています。

アクセスカウンターが、本日中には1,000,000を超えると思います。思っていたよりずっと早く、まだディスク容量も少しありますので、今迄の思い出などを記事にして、本ブログの更新を停止しようと思います。

2020年11月 6日 (金)

ヒメミズワラビ

植物観察を始めたばかりの頃、私にとって見慣れない植物の多い田園地帯を歩きました。当然の事ながら、殆どの植物の名前が分からず、写真に撮るだけでした。そんな時、ミズワラビ属に出会いました。

当時からミズワラビと呼んでいましたが、ネイチャーガイド「日本の水草」を見ると、日本のミズワラビ属には北方型と南方型があり、南方型がミズワラビ、北方型が変種のヒメミズワラビとして記載されたとあります。ミズワラビは、日本では沖縄に生育し、ヒメミズワラビは福島県以南、四国、九州、沖縄(稀)で生育が確認されているそうです。

これは、9月下旬に撮った写真です。割と大きめの株でした。

先日、シマツユクサの種子を採取に行った場所で撮りました。ヒメミズワラビは一年草との事で、胞子と無性芽で増えるようです。この子株が、来年に向けた子孫なのか分かりませんが、今後見守って行きたいと思います。

杉野孝雄先生の「静岡の植物図鑑(木本・シダ編)」にも、「県内にはミズワラビは分布しない」とあります。今後は、この植物をヒメミズワラビと呼ぶ事にします。

イノモトソウ科ミズワラビ属ヒメミズワラビ(Ceratopteris gaudichaudii Brongn. var. vulgaris Masuyama et Watano)。

2020年11月 3日 (火)

遠州路で気になった植物②

続きです。名前の分からない植物を集めてみました。

シソ科の植物だと思いますが、これは何でしょう?レモンエゴマかエゴマ?結構きつい臭いがありましたが、レモンの爽やかな匂いには思えませんでした。

アザミの仲間のようですが、葉に切れ込みの無いこの植物は何でしょう?

鋸歯の目立つ葉を持つ植物も、名前が分かりません。

マウスを乗せて見た斑入りのシダ植物は、葉脈が網目状になっていたのでイワガネソウでしょうか?

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ズームして撮ったこの植物・・もしかしたら、シライトソウ?気にして歩くと、足元にも生えていました。根生葉の感じからしても、シライトソウだと思います。今迄、深山の渓谷沿いなどで見て来ました。こんな所にもあるとは・・。植物の分布は、先入観で考えてはいけないと改めて思いました。

掲載した植物の名前が分かる方、教えてください。

2020年5月15日 (金)

菩提寺のヒトツバ属

明日は、義父の立ち日です。雨予報なので、義母と一緒に今日お墓参りに行って来ました。歳月の経つのは早いもので、十数年があっという間でした。

お墓のある菩提寺には、「〇〇の小径」と書かれた散歩道があります。そこには、初めて見たシダ植物ハナヤスリの仲間と、ヒトツバ属の変異種があります。

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彼方に見える山間地には、30年ぶりくらいに再会を約束した友がいます。でも、新型コロナウィルスの事があり、先延ばしになっています。

ウラボシ科ヒトツバ属のヒトツバは、富士市では稀な存在ですが、県中西部では各所で写真のような群落を見る事が出来ます。

葉に斑の入ったフイリヒトツバ。

捩じれるエボシヒトツバ。

両側に突起が並んでつくハゴロモヒトツバ。

こちらは、イワオモダカとモミジヒトツバかな?

こちらはイワダレヒトツバでしょうか?あれっ、オオハンゲだ!しかも斑入りです。不思議なもので、富士市でオオハンゲを確認した年に、ここでも出会うとは・・。

ヒトツバ属の変異種などは、誰かが植えたものだと思います。状況から判断すると、植物好きのお坊さんかな?なんて思っています。

2020年3月11日 (水)

菩提寺で見たシダ植物

義父の墓掃除に行って来ました。嫁さんと二人で、みんなの分も線香をあげたので、20本くらいになりました。さぞ煙たかったと思います。

お墓のある菩提寺は、日蓮宗の古刹になります。この場所で、初めてシダ植物のハナヤスリに出会いました。その場所を確認しましたが、まだ地上に姿を現しておりませんでした。

ところが、その近くに・・。

一見、イワオモダカかと思いました。近づいて見ると、ヒトツバのようです。少し前に見た杉野孝雄先生の「静岡の植物図鑑 木本・シダ編」の解説が脳裏に浮かびました。「葉身の先端が金魚の尾のように切れ込むシシヒトツバ、捩じれるエボシヒトツバ、両側に突起が並んでつくハゴロモヒトツバなどがあり植栽される。」これは、エボシヒトツバのようです。

こちらにもありました。この辺りは、ハナヤスリを確認して幾度か見たはずなのに、今迄気付きませんでした。それにしても、二株とも見逃す事は無いと思うのですが・・。誰かが植えたのだろうか?

捩じれた葉と、胞子葉裏のソーラス(胞子嚢群)を接写してみました。

ウラボシ科ヒトツバ属エボシヒトツバ(Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw. 'Contorta')。

更に、少し離れた場所には、フイリヒトツバがありました。これも含めて、見逃す事は考えられませんので、やはり誰かが植えたのだと思います。この寺は、境内に遊歩道を整備してあり、植栽を見ても植物好きなお坊さんがいるようです。

ウラボシ科ヒトツバ属フイリヒトツバ(Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw. 'Variegata')。

こちらは斑入りのシダ植物です。今迄、幾度か出会った事があります。ハカタシダの斑入りタイプです。ハカタシダは、斑入り葉の個体が多く博多織に似ている事から名付けられたそうです。

オシダ科カナワラビ属ハカタシダ(Arachniodes simplicior (Makino) Ohwi)。

手元にある富士市植物仮目録の学名を、種子植物は旧分類体系からAPG分類体系に書き直しました。シダ植物に関しては、分類体系が定まっていないようで、専門家によってあまりにも違うので悩んでしまいました。いろいろ迷った末、系統関係に基づく分類体系であるSmith et al.2006に準拠している米倉先生と大場先生の分類表を参照して訂正しました。古くからシダ植物に見識のある先生方からは、記載した学名等に関してご指摘を受ける事があるかもしれません。

2020年3月10日 (火)

樹幹の居候

予報通り、昼頃から雨が降り出しました。屋外作業は中途半端になるので、今日もPC作業を行いました。一日やっていたので眼が痛い!

樹幹に居候している、シダ植物やコケ植物を撮ってみました。少しだけ掲載します。

シダ植物のヒメノキシノブです。ソーラスが、目のようで可愛いですね

光を浴びたコケの朔が綺麗でした。名前は分かりません。

黒っぽいコケ植物や地衣類に覆われている樹皮の中で、目についたコケです。マウスを乗せると、接写写真になります。

こちらは、サワグルミの根元を覆っていたコケ植物です。接写してみると、ムチゴケの仲間に似た感じです。

雨が降って、先日の施肥が効いてくれるかな?急成長し始めた雑草が心配です。

2020年2月29日 (土)

スギランの赤ちゃん?

スギランは、環境省RDB、静岡県共、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。そんな希少な植物を、栽培しているなんて記事を掲載すると、多くの方に眉を顰められると思います。

それには、下記のような経緯があります。

これは、2012年8月19日に富士山南麓で撮影したスギランです。垂れ下がっている枝の基部が枯れているように見えます。

着生していた樹木の下に、数本の枝が落ちていました。拾い上げて見ると、基部は枯れていました。

気になり、同年の12月1日に再訪してみました。垂れ下がった枝の枯れが進んでおり、この日も1本の枝が落ちていました。

観察のために、樹下に落ちていた枝を持ち帰りました。基部以外はまだ生きていたので、最初は水を入れた容器に挿しておきました。日が経つに連れ段々枯れて行き、ついには1本だけになってしまいました。

それをチョウチンゴケの鉢に挿しかえて、シュロの木の根元に置きました。すると、何時までも緑色を保っていたのです。一年経っても枯れず、少しずつではありますが伸びているようでした。挿木で活着したのです。

鉢に挿してから6年目の2018年11月、初めて胞子嚢がつきました。

そして、2020年2月、小さな苗が姿を現しました。この状態で確信は持てませんが、スギランの子ではないかと思っています。他にもないか周辺を確認して、苗の観察を続けて行くつもりです。

拾ってきたスギランの枝から、いろいろ学ぶ事が出来ました。シダ植物が挿木で活着する事、6年目に胞子嚢をつける事、そして、胞子発芽したかもしれない苗の発見など・・。

ヒカゲノカズラ科コスギラン属スギラン(Huperzia cryptomerina(Maxim.) Dixit)。

2020年2月10日 (月)

ちょっぴり植物観察

義母の家に行った帰り道、日本平を通って清水に降り、東名~新東名で帰りました。

気になった植物を、ちょっとだけ撮ってみました。

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途中で見た富士山です。邪魔な枝を剪定したいですね。

離れて見る富士山の方が雄大です。富士市に戻った頃には、上部は雲に隠れていました。

この辺りで気になるのは、シダ植物のヒトツバです。県中西部の方からすれば、「ヒトツバなんて普通に見られる」と思われるでしょう。ところが、富士市域に於いては、極限られた場所でしか見る事が出来ません。

ソーラス(胞子嚢群)は、葉裏一面につきます。全ての葉ではなく、ちょっと背が高く葉幅の細いものについていました。区別し難いですが、胞子葉と栄養葉が分かれているようです。

これは、蔓性植物のフウトウカズラです。この植物も、伊豆や県中西部では普通に見られますが、富士市域では限られた場所でしか見る事が出来ません。

カクレミノとトベラです。カクレミノは、富士市域では植栽を見るくらいですが、中西部では各所で見る事が出来ます。

場所が変われば、希少種も普通に見られる事が多々あります。逆もまた然り。私のように探索範囲の狭い者にとっては、RDBランクが疑問に思える事もあります。

2020年2月 3日 (月)

浅間神社のマツバラン

家族の厄払いに付き合った時、時間つぶしに境内に生えるマツバランを撮ってみました。

マツバランは、県指定の天然記念物「大楠」に着生しています。なぜか、周辺のクスノキには見当たりませんでした。

大楠の推定樹齢は1,200年とあります。平安時代の初め頃から生き続けて来たのでしょうか?マツのような樹皮が、長い歴史を物語っています。

このマツの葉のような植物が、マツバランです。今迄、何ヶ所かで見て来ましたが、こんな大株にはめったにお目にかかれません。

マツバランは、ラン科植物ではなくシダの仲間です。

この植物には、葉や根がありません。露出している緑色の部分は茎です。また、露出していない部分は褐色で、こちらも根ではなく茎(地下茎)になります。褐色の部分の茎は仮根(毛状の突起)を密生していて、その周りには菌類が共生しているそうです。ラン科植物のようですね。

最初の陸上植物は、このマツバランと似た形態をしていたと、ある植物園に掲示されていました。でも、遺伝子解析によると、ハナヤスリなどのように進化したシダ植物に近いそうです。それなのに、どうして太古の植物の姿をしているのでしょう?クモランのように、樹上を主な住処とするためでしょうか?

2020年1月24日 (金)

雨の日のコケ②

続きです。

裏庭の鉢植えに侵入したコケの朔です。鉢の表面は、いろいろなコケで覆われています。

こちらは、これから膨らむ未熟な朔でしょうか?

隣の石垣に生えていたのは、スナゴケの仲間だと思います。スナゴケもいろいろな種類があるようですね。ミニ化粧鉢に植えると、シンプルな盆景が出来ます。ハイゴケやスナゴケなど、日当りの良い場所に生える苔は、鉢植えにしても長生きしますが、他のコケは長生きさせるのが難しいです。

スギゴケとスナゴケの仲間が混在して生えていました。スギゴケの仲間は、除草剤を散布した土地に生えて来る事があります。裏の赤道は、シキミ屋が頻繁に除草剤を散布したため、歩き難いくらい生えています。

次は、裏庭の鉢に繁茂しているハイゴケです。我が家の庭では、一番多く見られるコケです。接写してみると案外綺麗です。

他にもいろいろ撮りましたが、掲載はここまでにします。Wikipediaによると、日本には約1,800種のコケ植物が生育しており、内200種くらいが絶滅の危機に瀕しているとあります。種子植物でも調べるのが大変なのに、似たようなものばかりのコケの種類や個体数なんか、どういうふうに調査したのでしょう?

より以前の記事一覧