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腐生植物

2020年11月10日 (火)

クロヤツシロラン果実の頃

クロヤツシロランは、同じ林内でも開花時期にかなりの開きがあるように思います。多くの個体が花期なのに、果柄が10cmくらいの果実を見る事があります。また、果実期に種子が飛散し終わったものと、まだ果皮が裂開せず未熟と思われるようなものを見る事もあります。

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こちらは、伊豆天城で撮りました。数えるほどしかありませんでしたが、初めて伊豆半島で見たクロヤツシロランの果実なので、掲載しました。

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再生畑②の隣に、所有するスギとヒノキの林が少しあります。そこにも、クロヤツシロランが生育していました。

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塵のような種子が、数えきれないほど詰まっています。

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果皮が裂開して種子が飛散し始めたものと、飛散し終わったものです。ひな祭りの雪洞の(骨組みの)ようですね。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

2020年10月18日 (日)

土通草(ツチアケビ)三度

友人が、ツチアケビの果実を見付けてくれたので、依頼主に届けて来ました。昨年は、なかなか見つかりませんでしたが、今年はこれで三度届けました。

今朝は、雪を纏った富士山が見られました。早朝、富士市から見た富士山。

10時頃。富士宮市から見た富士山。明日は天気が悪いようで、笠雲を被っていました。

これを、民間薬として長年利用されている高齢の方から依頼され、手に入ると届ける事にしています。全体写真は撮りませんでしたが、丁度良い熟れ具合で立派な果実でした。今回も、とても喜んでくれました。

ツチアケビという和名がつけられていますが、一般的には、アケビのように果皮が裂ける事はありません。でも、この果実は裂けていました。どうしてこれだけ裂けたのだろう?これなら、アケビの名にふさわしいですね。

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この写真のみ、左クリックで元サイズ表示されます。

こちらは、以前撮った写真で、種子が良く確認出来ます。ツチアケビはラン科植物ですが、果皮の中に塵のような種子を宿す蒴果では無く、果肉の中に種子を宿す液果です。

そのため、種子は風散布ではなく動物散布で、野鳥が運び手の一種である事が報告されています。ただ、今迄多くの果実を見て来ましたが、食痕のあるものは稀です。果実を丸ごと食べる事が出来るシカなども頭に浮かびますが、こうして残っている事が多く、蕾の頃には食べられても果実期は好まれないように思います。

2020年10月 4日 (日)

ヤツシロラン類根状器官の様子

家族に手伝ってもらい、倉庫の片付けをしたかったのですが、萌の散歩が終り不法投棄監視パトロールの報告書などを作成していたら、半日潰れてしまいました。思い通りにはいかないものです。

昨日、散歩道のクロヤツシロランを見て来たので、ヤツシロラン類の実生栽培実験容器を覗いてみました。

【ハルザキヤツシロラン】

分岐した根状器官が成長していました。マウスを乗せると、8月26日の写真に変わります。

根状器官と菌糸の接触部分を接写してみました。半透明だった根状器官が、褐色になっています。

【ヒメヤツシロラン】

分かり難い写真ですが、何ヶ所かから半透明の根状器官が伸びています。マウスを乗せると、根状器官に出来たイボの写真になります。この変化により、容器内にヒメヤツシロランの共生菌が存在している事が分かります。

昨年撮った写真ですが、菌糸と根状器官の接触部とその変化が良く分かります。

現在は、どの容器も自生地の樹種と同じ部材のマットで塊茎を覆ってあり、中の変化が見られないようになっています。マット上に出現した根状器官により、塊茎の無事を知る事が出来ます。

山野の観察では、このような変化を見る事はまず出来ません。また、種ごとに根状器官にもいろいろな違いのある事が分かりました。キノコを食べて生きる植物は面白いです。

2020年10月 3日 (土)

散歩道のクロヤツシロラン

今日は、一人暮らしの義母の様子を見に行って来ました。病院へ行く日なのに、到着すると留守でした。歩行器を使って、自分で近くの病院に行っていたのです。嫁さんと、ちょっと慌ててしまいました。

今朝の散歩時に、クロヤツシロランの果実が目に入りました。「しまった、遅かったか!」・・萌に朝ご飯を食べさせた後、撮影に行って来ました。

脇の林に入ると、咲いていました!この花は花粉塊が落ちていました。訪花昆虫の首に上手く着かなかったようです。下の写真は、コンデジの底を地面に押し付けて撮りました。

こちらは、萼片や側花弁の先端が萎れかけていますが、花粉塊はまだ残っています。

蕾の個体も幾つか見受けられました。この写真は、上側と下側から取ってあります(マウスを乗せると下側)。ヒノキの球果ほどの花で、地際に咲きこの色彩ですから、花期に見つけるのは至難の業です。

花柄が伸びた果実期に見つけておいて、翌年の花期に探すのが一番良いと思います。でも、同じ個体は翌年花をつけない事が多いようです。昨年、幾つかの開花株の横に笹を挿して置きましたが、今年はどれも花が見当たりませんでした。

こちらは果実です。同じ場所でも開花時期にかなりなずれがあるようです。

ラン科オニノヤガラ属クロヤツシロラン(Gastrodia pubilabiata Y.Sawa)。

静岡県版RDBでは、クロヤツシロランが準絶滅危惧(NT)に指定されており、より個体数が少ないと思われるアキザキヤツシロランが未指定となっております。全体の分布状況は把握しておりませんが、県東部に関する限り、逆ではないかと思っています。

当初は、両者が混同されていて、アキザキヤツシロランだけが記載されており(全部アキザキヤツシロランと思われていた)、クロヤツシロランが後から記載された為、取り違えている可能性もあります。

2020年9月19日 (土)

渓谷沿いのツチアケビ

今日は、ハコネサンショウウオの調査でした。林道のゲートを閉めるために最後まで残って、ふと川側を眺めていると、赤い色彩が目に入りました。先端部だけしか見えなかったので、カエンタケではないかと思い近づくと、ツチアケビでした。

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大小合わせて4本ありました。数年前に、もっと上流部で食痕のある果実を見付けて、センサーカメラを仕掛けました。シカやテン、アカゲラなどが写っていましたが、食べている所は写りませんでした。目立つ果実の割に、食痕のあるものは珍しいように思います。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年8月27日 (木)

ナンバンギセル開花

現役時代の仕事では、諸官庁への届け出などもいろいろ経験しました。引退した後でも、届け出や手続きに悩まされています。部署によっては、まだ旧態依然たる考え方で、高飛車な態度の職員もいます。気苦労な事は、少しでも早く片付けた方が良いので、重い腰を上げて諸手続きを始めました。

ミョウガエリアに、ナンバンギセルの花が咲き始めました。

藪蚊に刺されながら撮りました。

ナンバンギセルは、光合成をおこなわず、ササも含めたイネ科の植物などの根に寄生して生活しています。ミョウガは勢いの良い植物なので、直ぐに絶えてしまう事はありませんが、数年間見続けると段々個体数を減らしていきます。

ハマウツボ科ナンバンギセル属ナンバンギセル(Aeginetia indica L.)。

光合成に関して、静岡新聞に興味深い記事が掲載されていました。緑色の斑点のあるリンドウの花を調べたところ、斑点部分が葉と同レベルの光合成をしている事を確認したそうです。花が光合成をするなんて面白いですね。

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こちらは、中伊豆産の「駿河黄金」と名付けられた、アジサイの仲間です。ホンのちょっぴりだけ、緑の部分もありますが、全体がアルビノを思わせる様な黄色味を帯びた葉です。それなのに、蕾を持つまで成長している事から、緑色の葉と同じように光合成をしていると思われます。素人観察者は、光合成を行う葉緑体というと、緑色(の葉や茎そしてクモランなどの根)が頭に浮かびます。この認識は改めた方が良さそうですね。誰か、詳しく教えてくれないかな・・。

2020年8月26日 (水)

キノコを食べる植物と湿地の植物

事情があって、暫く畑に行けなかったので、午前中覗いて来ました。こんなに暑くても、雑草だけは元気いっぱいでした。暑さに参った時は、水分補給よりも木陰が一番の復活剤になります。

【キノコを食べる植物】

ヤツシロラン類の栽培容器を覗いて見ました。

根状器官が枝分かれする特徴を持つ「ハル」です。褐色になった辺りで、菌糸との絡み合いが見られます。

こちらは、「ヒメ」です。根状器官は彼方此方に見えていますが・・。ササと葉を刻んだマットを増やしました。吉と出るか凶と出るか不安です。もっと、自生地の土が欲しい・・。

【湿地の植物】

こちらは、湿地に生育する「ヒメ」です。1個と思っていた種子が2個あったようで、2個体を得る事が出来ました。成長が早く、移植時でさえ600mm長のプランターでなければ収まりませんでした。この植物の播種が10月29日と言って、信じる人がどれくらいいるでしょうか?しかも花をつけました。

正直「サワ」よりも、ずっと驚かされました。「自生地では、不適な環境で瀕死の状態で生き続けて来た」・・そんな感想を持ちました。

「タコ」は、同じく10月29日に播種したものを、生育状態に合わせて、3グループに分けて移植しました。一番遅れて発芽したものは、まだ数センチですが、最初に移植したものは花が咲き始めました。写真は同じ日に撮りました。

「サワ、ヒメ、タコ」の三種について、適時に実生発芽したものは、移植を経て翌年開花に至る事が分かりました。果実の熟す時期に播種すれば、翌年の開花時期までの生育期間が長く取れます。果実の熟す時期(種子散布時期)が、一番発芽率が高く、時間の経過と共に発芽抑制されると思っています。

2020年8月19日 (水)

土通草

夢の見られる場所で、草刈りとある植物の植え付けを行いました。暑い上に、藪蚊が飛び回っていて参りました。

その帰りに、先生宅の庭に生えていた土通草の果実を頂き、依頼者に届けて来ました。

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「何だツチアケビか?」・・依頼者は、土通草(ドツウソウ)と呼んでいました。

長年、この果実を干して生薬として利用されて来たそうです。高齢になり、山野で探せなくなってから、漢方薬屋さんに頼んだ事もあったそうですが、それでも扱っていない事が多くて困っていたようです。

自身で試した事はありませんが、とても効能があると言っておられました。喜んでいただけて、届けた甲斐がありました。

2020年8月15日 (土)

ツチアケビ

一昨年、ある地方紙にツチアケビの記事を掲載しました。すると、その記事を見た方から、記者経由で場所を教えてほしいと連絡がありました。情報拡散防止の観点から、基本的には希少植物の位置情報は教えない事にしています。

拙い記事を読んでくださった事でもあり、話だけは聞いて私の考え方を伝え、丁寧に断ろうと思っていました。私より高齢の方で、ずっと昔から民間薬として毎年利用されて来たそうですが、諸事情があり、探しに行く事が出来ないので何とかならないかとの事でした。

毎年同じ場所に生えない事が多いので、確約は出来ないが運よく出会ったら・・という事で、見つかったら届ける事にしました。

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7月下旬の霧雨降る早朝、ある植物を探しに行く途中でこの株を見付けました。脇見運転していたのではありませんよ。長年こういうものを探し歩くと、反応が敏感になるのです。

蕾もありましたが、果実が色付き始めたものもありました。虫媒花でもあるそうですが、自動自家受粉をするため結実率は高いとありました。でも、何かの原因で落下する事も多いように思います。

これは以前撮った花ですが、ツチアケビはラン科植物です。良く見ると、洋ランのような綺麗な花をつけます。

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そして、本日早朝、萌の散歩を嫁さんに任せて、別の用事で行ったついでに覗いて見ると、かなり果実が大きくなっていました。中国名は、血紅肉果蘭・・ツチアケビは、ラン科植物としては稀な液果をつけます。中国名は、的を射たものが多いと思います。

探すとなかなか見つかりませんが、先日伺った先生宅の庭にも生えていました。そちらも予約済みです。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年8月14日 (金)

マヤラン

殆ど果実期に入っていましたが、数日前にマヤランを見て来ました。マヤランは、シュンラン属の菌従属栄養植物で葉がありません。地域によって花色や花期に違いがある不思議な植物です。

沢山の果実が確認出来ました。「地中の根茎が枝分かれして、一つの個体から数十の花茎を出す事も稀ではない」とあります。この場所には、驚くほど沢山生えていましたが、数年で消えてしまう事もあるようです。🄬

まだ花が少し残っていました。🄬

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時期遅れのせいか、元気がないけど蕾もありました。自動自家受粉するため果実は沢山ついていましたが、近くで確認したササバギンランの果実は、ランミモグリバエの食害を受けていました。マヤランの果実も食害を受けているかもしれません。

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こちらは、以前別の場所で撮りました。日本のランハンドブックに「全体に赤味の強い個体」、として掲載されている花よりも更に赤味が強く、稀な個体だと思います。

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地味な花の多い菌従属栄養植物の中では、観賞価値の高い花をつけます。綺麗だからと言って持ち帰っても、光合成をせずキノコから養分をもらって生きているため栽培は出来ません。出会っても、そっとしておいてあげましょう。

どちらの自生地でも、夏と秋に咲く個体があるようで、上の自生地では11月頃に花を見ました。

ラン科シュンラン属マヤラン(Cymbidium macrorhizon Lindl.)。

より以前の記事一覧