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腐生植物

2020年9月19日 (土)

渓谷沿いのツチアケビ

今日は、ハコネサンショウウオの調査でした。林道のゲートを閉めるために最後まで残って、ふと川側を眺めていると、赤い色彩が目に入りました。先端部だけしか見えなかったので、カエンタケではないかと思い近づくと、ツチアケビでした。

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大小合わせて4本ありました。数年前に、もっと上流部で食痕のある果実を見付けて、センサーカメラを仕掛けました。シカやテン、アカゲラなどが写っていましたが、食べている所は写りませんでした。目立つ果実の割に、食痕のあるものは珍しいように思います。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年8月27日 (木)

ナンバンギセル開花

現役時代の仕事では、諸官庁への届け出などもいろいろ経験しました。引退した後でも、届け出や手続きに悩まされています。部署によっては、まだ旧態依然たる考え方で、高飛車な態度の職員もいます。気苦労な事は、少しでも早く片付けた方が良いので、重い腰を上げて諸手続きを始めました。

ミョウガエリアに、ナンバンギセルの花が咲き始めました。

藪蚊に刺されながら撮りました。

ナンバンギセルは、光合成をおこなわず、ササも含めたイネ科の植物などの根に寄生して生活しています。ミョウガは勢いの良い植物なので、直ぐに絶えてしまう事はありませんが、数年間見続けると段々個体数を減らしていきます。

ハマウツボ科ナンバンギセル属ナンバンギセル(Aeginetia indica L.)。

光合成に関して、静岡新聞に興味深い記事が掲載されていました。緑色の斑点のあるリンドウの花を調べたところ、斑点部分が葉と同レベルの光合成をしている事を確認したそうです。花が光合成をするなんて面白いですね。

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こちらは、中伊豆産の「駿河黄金」と名付けられた、アジサイの仲間です。ホンのちょっぴりだけ、緑の部分もありますが、全体がアルビノを思わせる様な黄色味を帯びた葉です。それなのに、蕾を持つまで成長している事から、緑色の葉と同じように光合成をしていると思われます。素人観察者は、光合成を行う葉緑体というと、緑色(の葉や茎そしてクモランなどの根)が頭に浮かびます。この認識は改めた方が良さそうですね。誰か、詳しく教えてくれないかな・・。

2020年8月26日 (水)

キノコを食べる植物と湿地の植物

事情があって、暫く畑に行けなかったので、午前中覗いて来ました。こんなに暑くても、雑草だけは元気いっぱいでした。暑さに参った時は、水分補給よりも木陰が一番の復活剤になります。

【キノコを食べる植物】

ヤツシロラン類の栽培容器を覗いて見ました。

根状器官が枝分かれする特徴を持つ「ハル」です。褐色になった辺りで、菌糸との絡み合いが見られます。

こちらは、「ヒメ」です。根状器官は彼方此方に見えていますが・・。ササと葉を刻んだマットを増やしました。吉と出るか凶と出るか不安です。もっと、自生地の土が欲しい・・。

【湿地の植物】

こちらは、湿地に生育する「ヒメ」です。1個と思っていた種子が2個あったようで、2個体を得る事が出来ました。成長が早く、移植時でさえ600mm長のプランターでなければ収まりませんでした。この植物の播種が10月29日と言って、信じる人がどれくらいいるでしょうか?しかも花をつけました。

正直「サワ」よりも、ずっと驚かされました。「自生地では、不適な環境で瀕死の状態で生き続けて来た」・・そんな感想を持ちました。

「タコ」は、同じく10月29日に播種したものを、生育状態に合わせて、3グループに分けて移植しました。一番遅れて発芽したものは、まだ数センチですが、最初に移植したものは花が咲き始めました。写真は同じ日に撮りました。

「サワ、ヒメ、タコ」の三種について、適時に実生発芽したものは、移植を経て翌年開花に至る事が分かりました。果実の熟す時期に播種すれば、翌年の開花時期までの生育期間が長く取れます。果実の熟す時期(種子散布時期)が、一番発芽率が高く、時間の経過と共に発芽抑制されると思っています。

2020年8月19日 (水)

土通草

夢の見られる場所で、草刈りとある植物の植え付けを行いました。暑い上に、藪蚊が飛び回っていて参りました。

その帰りに、先生宅の庭に生えていた土通草の果実を頂き、依頼者に届けて来ました。

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「何だツチアケビか?」・・依頼者は、土通草(ドツウソウ)と呼んでいました。

長年、この果実を干して生薬として利用されて来たそうです。高齢になり、山野で探せなくなってから、漢方薬屋さんに頼んだ事もあったそうですが、それでも扱っていない事が多くて困っていたようです。

自身で試した事はありませんが、とても効能があると言っておられました。喜んでいただけて、届けた甲斐がありました。

2020年8月15日 (土)

ツチアケビ

一昨年、ある地方紙にツチアケビの記事を掲載しました。すると、その記事を見た方から、記者経由で場所を教えてほしいと連絡がありました。情報拡散防止の観点から、基本的には希少植物の位置情報は教えない事にしています。

拙い記事を読んでくださった事でもあり、話だけは聞いて私の考え方を伝え、丁寧に断ろうと思っていました。私より高齢の方で、ずっと昔から民間薬として毎年利用されて来たそうですが、諸事情があり、探しに行く事が出来ないので何とかならないかとの事でした。

毎年同じ場所に生えない事が多いので、確約は出来ないが運よく出会ったら・・という事で、見つかったら届ける事にしました。

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7月下旬の霧雨降る早朝、ある植物を探しに行く途中でこの株を見付けました。脇見運転していたのではありませんよ。長年こういうものを探し歩くと、反応が敏感になるのです。

蕾もありましたが、果実が色付き始めたものもありました。虫媒花でもあるそうですが、自動自家受粉をするため結実率は高いとありました。でも、何かの原因で落下する事も多いように思います。

これは以前撮った花ですが、ツチアケビはラン科植物です。良く見ると、洋ランのような綺麗な花をつけます。

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そして、本日早朝、萌の散歩を嫁さんに任せて、別の用事で行ったついでに覗いて見ると、かなり果実が大きくなっていました。中国名は、血紅肉果蘭・・ツチアケビは、ラン科植物としては稀な液果をつけます。中国名は、的を射たものが多いと思います。

探すとなかなか見つかりませんが、先日伺った先生宅の庭にも生えていました。そちらも予約済みです。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年8月14日 (金)

マヤラン

殆ど果実期に入っていましたが、数日前にマヤランを見て来ました。マヤランは、シュンラン属の菌従属栄養植物で葉がありません。地域によって花色や花期に違いがある不思議な植物です。

沢山の果実が確認出来ました。「地中の根茎が枝分かれして、一つの個体から数十の花茎を出す事も稀ではない」とあります。この場所には、驚くほど沢山生えていましたが、数年で消えてしまう事もあるようです。🄬

まだ花が少し残っていました。🄬

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時期遅れのせいか、元気がないけど蕾もありました。自動自家受粉するため果実は沢山ついていましたが、近くで確認したササバギンランの果実は、ランミモグリバエの食害を受けていました。マヤランの果実も食害を受けているかもしれません。

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こちらは、以前別の場所で撮りました。日本のランハンドブックに「全体に赤味の強い個体」、として掲載されている花よりも更に赤味が強く、稀な個体だと思います。

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地味な花の多い菌従属栄養植物の中では、観賞価値の高い花をつけます。綺麗だからと言って持ち帰っても、光合成をせずキノコから養分をもらって生きているため栽培は出来ません。出会っても、そっとしておいてあげましょう。

どちらの自生地でも、夏と秋に咲く個体があるようで、上の自生地では11月頃に花を見ました。

ラン科シュンラン属マヤラン(Cymbidium macrorhizon Lindl.)。

2020年8月 3日 (月)

トサノクロムヨウラン

今日も暑かった!夢を見られる場所へ行った後、放置状態だった再生畑①に行って、草刈りをして来ました。野菜作りなどは、面積があり農業用水栓もある再生畑②に移行しています。他の二つの畑は草刈りと耕運機かけだけしていますが、野菜がないと足が遠のき、行く度唖然としています。

トサノクロムヨウランの全開の花を撮りたくて、先日の午前中に行って来ました。昨年までは、唇弁の紫色が分かる程度で、萼片や側花弁を指で広げてやりたいくらいでした。

沢山の蕾をつけていました。エンシュウムヨウランやウスキムヨウランのように、果実が上を向かず横を向くのも特徴の一つです。個体数はあるけど、咲いていない・・。曇っているからだろうか?

全開の花がありました!

一番上ほどではありませんが、こちらも開いていました。見る角度で、違った感じを受けます。

日本のランハンドブックには、「花の寿命は短く、午前中に開花して午後は閉じる。同時に開花するのは一つの花序あたり1~2個。」とあります。

唇弁を接写してみました。先端の紫色と蕊柱の薄紫色が、薄暗い林床に咲くこの花に、神秘的なイメージを与えてくれています。

ラン科ムヨウラン属トサノクロムヨウラン(Lecanorchis nigricans Honda var. patipetala Y.Sawa)。

2020年7月23日 (木)

キヨスミウツボとギンリョウソウ

キバナノショウキランを探しに行った時に、キヨスミウツボとギンリョウソウを見付けたので掲載します。どちらも葉緑素が無く、光合成をしないで生育している変わり者です。

【キヨスミウツボ/キヨズミウツボ】

カシ類やアジサイ類などの根に寄生するそうですが、今まで見て来た生育地を思い起こすと、樹種があまり限定されないように思います。

開花結実すると枯れるものと、複数年生きるものがあり、花には他家受粉する芳香型と、自家受粉する無香型があるそうです。大群落を見た翌年に、その場所から殆ど姿を消してしまう事が多々あります。

ハマウツボ科キヨスミウツボ属キヨスミウツボ(Phacellanthus tubiflorus Siebold et Zucc.)。

【ギンリョウソウ/ユウレイタケ】

ギンリョウソウとキヨスミウツボが並んで生えていました。ギンリョウソウは、樹木が光合成で作った養分を菌経由で得て生活する三者共生をしていて、キヨスミウツボは、前記のように樹木の根から直接養分を得て生活しています。どうして両者は違う道を選んだのでしょう?

下の写真にマウスを乗せると、子房の膨らんだ姿になります。良く似たアキノギンリョウソウが蒴果なのに対して、こちらは液果をつけます。

ツツジ科ギンリョウソウ属ギンリョウソウ(Monotropastrum humile (D.Don) H.Hara)。

2020年7月20日 (月)

キバナノショウキランとハコネラン

蓮池のハス②・・白花系を掲載予定でしたが、見てもらいたい人がいるので、上記タイトルの記事を先行掲載します。

【キバナノショウキラン】

同じような写真ばかりですが、調査日に出会った個体をすべて掲載します。

第一番目の場所です。花が一つしかないものも含めて、3株です。

第二番目の場所です。蕾の状態なのに、虫の食害で大分傷んでいます。2株並んでいました。

第三番目の場所です。コンデジの方が綺麗に撮れる・・。この少し上には、数年前に群生していました。褐色の色素の抜けた個体もありましたが、開花前に姿を消していました。シカの食害と思われます。

第四番目の場所です。マウスを乗せた方は、個体数が多いけどシカに食べられていました。

第五番目の場所です。上の近くです。まとまってかなりな個体数を見る事があっても、翌年以降全く姿を現さない事が多く、その都度探す必要があります。オニクのように、花を咲かせると枯れる一回稔性なのかもしれません。

ついでに・・。

蕾が出現するとともに、いろいろな虫がやって来ます。無傷の花を見る事の、難しい植物です。ゾウムシの仲間でしょうか?

キバナノショウキランは、近年シカの摂食対象になっているようです。今回見つけたものには、木の枝などで簡単にガードして来ましたが、効果があるか分かりません。

【ハコネラン】

この場所では、もう花が散って先端に一輪だけ残っていました。とりあえず、3個体だけ確認しました。

ハコネランも、枯れてしまうのか休眠するのか、全く同じ場所で翌年見られない事の多い野生ランです。

2020年6月29日 (月)

オニノヤガラ

不法投棄監視パトロールは、月2回以上を義務付けられています。今月は、少し間の空いてしまった林道があるので、3回目のパトロールに行って来ました。

帰りに寄り道して入った林で、オニノヤガラに出会いました。別名をヌスビトノアシ、中国名は天麻(高赤箭)で、漢方薬に利用されています。

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デジイチとコンデジで撮ってみました。丈が大きく、先端まで1,300~1,400mmくらいあったと思います。図鑑では、400~1,000mmとなっています。

蕾と訪花昆虫です。訪花昆虫は、動きが早く一枚しか撮れませんでした。これは、ハナアブでしょうか?

花と花柄子房を接写してみました。

数年前に、東京ドームで撮ったオニノヤガラの花序芽と塊茎です。花序丈もありますが、塊茎は思ったより大きくて驚きました。

オニノヤガラは、ヤツシロラン類と同属です。葉緑素が無く光合成をしないため、100%共生菌に頼って生きています。しかも、発芽と成長期で菌根菌が違うという変わり者です。

ラン科オニノヤガラ属オニノヤガラ(Gastrodia elata Blume)。

より以前の記事一覧