センブリとイヌセンブリ
【センブリ】
センブリは、民間薬として知られており、幾度かお世話になった事があります。この植物を、実生栽培出来ないかと考えました。
近くの草原脇で撮ったセンブリの花です。「萼と花冠は、5裂し・・」とありますが、4裂のものも比較的見受けられます。同属のアケボノソウと同じですね。
こちらは、針葉樹の小品盆栽の鉢で実生発芽したセンブリです。数えるほどしかありませんが、代を繋げ6年目になります。センブリは二年草で、花の咲いた株は冬に枯れます。一年目はロゼットの姿で過ごし、翌年茎が立ちあがって花を咲かせ、種子を残します。ところが、別の鉢にはロゼット姿のセンブリが幾つか生えています。種子が休眠して、一年遅れで発芽したものが幾つかあったようです。
リンドウ科センブリ属センブリ(Swertia japonica (Schult.) Makino)。
【イヌセンブリ】
他地域の林道脇で見付けました。センブリだと思って近づくと、何か違和感がありました。葉幅が広い上に、裂片の基部に蜜腺が見えません。更に良く見ると、花芯の髭がセンブリよりもずっと多く見えます。「イヌセンブリだ!」この植物も、富士市では見た事がありません。
イヌセンブリは、裂片基部に蜜腺溝がありますが、髭に隠れて見えません。また、植物体を齧ってみると、センブリのような苦味は感じられませんでした。
それにしても、イヌザンショウ、イヌゴマ、イヌセンブリなど、愛犬家としては犬に失礼な由来の和名は、止めてほしいです。
リンドウ科センブリ属イヌセンブリ(Swertia tosaensis Makino)。
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