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2020年8月

2020年8月31日 (月)

8月のコキンバイザサ

依頼物の寸法図を描かなければならず、久々にCAD(パソコンの作図ソフト)を使いました。現役時代、市販ソフトと並行して、フリーソフトのJW-CADをDOS版の頃から使って来ました。もしかしたら?と思って検索すると、2020-08-25にバージョンアップしていました。開発者さんの長年のご苦労と熱意には、頭が下がります。

たまに使うと、忘れている事が多く、かなり手こずりました。何でも継続する事が大切ですね。何とか描き上げた図面を届けて、今月最後の不法投棄監視パトロールに行って来ました。

7月下旬に、花を確認したコキンバイザサの様子を見て来ました。今月も、果実と花を見る事が出来ました。昨年は、9月下旬に花を見ていますので、春から秋までポツポツ咲くようです。

この日は、似た環境の場所を少し広範囲に探してみました。最初見つけた場所から、斜面を登り、かなり離れたところでも見る事が出来ました。花は一斉に咲かず、果実をつけたものと花をつけたものが混在しています。

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この写真だけ、左クリックで900ピクセルになります。接写用のコンデジの設定が悪くて、露出オーバー気味の写真ばかりでした。ピントの微調整も上手くいかず、四苦八苦しています。

果実期は、スゲの仲間に紛れて見つけ難い植物です。中には、果実の先端部が裂け黒褐色の種子が見えているものもありました。

地域で見る希少植物には、他地域で見るものとは違った思い入れがあります。だから同じ場所に幾度も足を運び、その無事を確認しています。

2020年8月30日 (日)

ママコノシリヌグイ

我が家の敷地内に、一昨年よりママコノシリヌグイが生えるようになりました。野鳥が種子を運んで来たようです。一年草なので、零れ種で代を繋げ、今年も姿を現しました。

それにしても凄い名前ですね。「托葉鞘の上部が葉状に広がる」とあります。同じように鋭い棘を持つイシミカワも同様です。イシミカワの場合は、茎を巻く漏斗のようです。

上部と下部の棘を撮ってみました。撮った方向がバラバラですが、棘は下向きにつきます。この棘は結構危険ですから、除去する時は長袖シャツに手袋着用をお勧めします。手で引き抜く事も、やめた方が良いと思います。

小さいけど、ミゾソバに似て綺麗です。以前、イシミカワの花を見ていて気付いたのですが、花が終っても花被が落ちないで、果実(痩果)を包み込んでいました。ミゾソバやこのママコノシリヌグイも同様です。他と変わっていますね。

記憶力の落ちた頭では、植物の名前を憶えても、頻繁に口にする事が無ければ、忘れてしまったり思い出すのに時間がかかります。でも、変わった生態などは意外と覚えているものです。元技術屋は、そういう事に興味が向きます。

タデ科イヌタデ属ママコノシリヌグイ(Persicaria senticosa (Franch. et Savat.) H. Gross)。

近くにいたこの虫・・名前を思い出すのにしばらく時間を費やしました。ヨコバイの仲間です。Web図鑑で見ると、ツマグロオオヨコバイでしょうか?

明日で、8月も終わりです。今月はいろいろあって、不法時監視パトロールの二回目がまだ終わっておりません。明日行って来なくては・・。

2020年8月29日 (土)

水辺の植物②

野生動物に狙われる時期なので、畑の様子を見て来ました。電気柵と、黒マルチビニルの浮遊物のお陰か、今のところ無事でした。でも、安心は出来ません。今迄、何度悔しい思いをした事か・・。

水辺で見た植物を、もう少しだけ掲載します。

山間の地では、ガマ属を見る事がありませんので、下界に降りると目につきます。これはソーセージのような雌花序が短く、その上に裸出した(緑色の)軸が見えますので、ヒメガマのようです。

こちらも、雌花序の上に裸出した(緑色の)軸が見えますが、上よりもソーセージのような雌花序が細くて長いタイプです。これもヒメガマでしょうか?

山野で見る山芋や野老の仲間と違う感じの花序が、目に入りました。

PCに取り込んでから、紫色を帯びた花の咲いているのに気付きました。葉腋にはムカゴをつけています。花色や葉の形から、この植物はニガカシュウではないかと思います。

ついでに・・。

昨日、裏庭のシュロの葉に乗っていたモリアオガエルです。8時半と16時半に撮りました。ずっと同じ場所にいたようです。

2020年8月28日 (金)

水辺の植物①

今日も、行政窓口への相談などに行って来ました。同じ窓口へ申請に行った隣のご夫婦が「また訂正か、本当に面倒くさい!」と言っていたので、思わず笑ってしまいました。また、証明書の発行などは従来に比べて楽になりましたが、マイナンバーカードのメリットは殆ど感じられません。

下界へ降りたついでに、気になる場所(湿地)を見て来ました。

これは、8月1日に実施したNPOの草刈りの時に撮りました。ヘラオモダカでしょうか?こんなにまとまって生育している所は、初めて見ました。

もう果実期に入っていました。それにしても沢山の果実をつけています。残り花を探すと、ちょっとだけありました。ピンボケ写真では分かり難いですが、淡い紅がかかっています。この仲間は、葯の色も識別点の一つになるようです。一般的に花柄は長いですが、中には短く詰まった個体も幾つか見受けられました。

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草刈り時に、見慣れないウキクサの仲間を見付けたので、持ち帰り水槽に浮かべておきました。発見場所では、増水で流されたようで、今回は見当たりませんでした。図鑑で見ると、アマゾントチカガミのようです。多年生の浮遊植物とありますが、山間の地では冬に枯れてしまうと思います。少し標本にして、残りは様子見です。この写真だけ、左クリックで元サイズになります。

2020年8月27日 (木)

ナンバンギセル開花

現役時代の仕事では、諸官庁への届け出などもいろいろ経験しました。引退した後でも、届け出や手続きに悩まされています。部署によっては、まだ旧態依然たる考え方で、高飛車な態度の職員もいます。気苦労な事は、少しでも早く片付けた方が良いので、重い腰を上げて諸手続きを始めました。

ミョウガエリアに、ナンバンギセルの花が咲き始めました。

藪蚊に刺されながら撮りました。

ナンバンギセルは、光合成をおこなわず、ササも含めたイネ科の植物などの根に寄生して生活しています。ミョウガは勢いの良い植物なので、直ぐに絶えてしまう事はありませんが、数年間見続けると段々個体数を減らしていきます。

ハマウツボ科ナンバンギセル属ナンバンギセル(Aeginetia indica L.)。

光合成に関して、静岡新聞に興味深い記事が掲載されていました。緑色の斑点のあるリンドウの花を調べたところ、斑点部分が葉と同レベルの光合成をしている事を確認したそうです。花が光合成をするなんて面白いですね。

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こちらは、中伊豆産の「駿河黄金」と名付けられた、アジサイの仲間です。ホンのちょっぴりだけ、緑の部分もありますが、全体がアルビノを思わせる様な黄色味を帯びた葉です。それなのに、蕾を持つまで成長している事から、緑色の葉と同じように光合成をしていると思われます。素人観察者は、光合成を行う葉緑体というと、緑色(の葉や茎そしてクモランなどの根)が頭に浮かびます。この認識は改めた方が良さそうですね。誰か、詳しく教えてくれないかな・・。

2020年8月26日 (水)

キノコを食べる植物と湿地の植物

事情があって、暫く畑に行けなかったので、午前中覗いて来ました。こんなに暑くても、雑草だけは元気いっぱいでした。暑さに参った時は、水分補給よりも木陰が一番の復活剤になります。

【キノコを食べる植物】

ヤツシロラン類の栽培容器を覗いて見ました。

根状器官が枝分かれする特徴を持つ「ハル」です。褐色になった辺りで、菌糸との絡み合いが見られます。

こちらは、「ヒメ」です。根状器官は彼方此方に見えていますが・・。ササと葉を刻んだマットを増やしました。吉と出るか凶と出るか不安です。もっと、自生地の土が欲しい・・。

【湿地の植物】

こちらは、湿地に生育する「ヒメ」です。1個と思っていた種子が2個あったようで、2個体を得る事が出来ました。成長が早く、移植時でさえ600mm長のプランターでなければ収まりませんでした。この植物の播種が10月29日と言って、信じる人がどれくらいいるでしょうか?しかも花をつけました。

正直「サワ」よりも、ずっと驚かされました。「自生地では、不適な環境で瀕死の状態で生き続けて来た」・・そんな感想を持ちました。

「タコ」は、同じく10月29日に播種したものを、生育状態に合わせて、3グループに分けて移植しました。一番遅れて発芽したものは、まだ数センチですが、最初に移植したものは花が咲き始めました。写真は同じ日に撮りました。

「サワ、ヒメ、タコ」の三種について、適時に実生発芽したものは、移植を経て翌年開花に至る事が分かりました。果実の熟す時期に播種すれば、翌年の開花時期までの生育期間が長く取れます。果実の熟す時期(種子散布時期)が、一番発芽率が高く、時間の経過と共に発芽抑制されると思っています。

2020年8月25日 (火)

ヤマホトトギス

地域に生育するホトトギス属の中で、一番早く咲くのがヤマホトトギスです。

良く似たヤマジノホトトギスとの識別点として、花被片が強く反りかえる事、花糸に紫色の斑点がある事、茎先や上部の葉腋に散房花序をつける事などが挙げられています。でも、花被片はあまり反り返らないものもあり、花糸に斑点の無いものもありますので、一つの特徴だけでなく複数の識別点を覚えておいた方が良いと思います。

何処からか種子が飛んで来て、家の前庭で生育しているヤマホトトギスです。花被片は強く反りかえっていますが、花糸の紫斑点はホンの少ししか見えません。

こちらは、萌の早朝散歩で撮りました。花被片は強く反りかえっていますが、花糸に紫斑点が見えません。昔は、この場所で沢山の花を見る事が出来ましたが、最近では稀な存在となりました。

ユリ科ホトトギス属ヤマホトトギス(Tricyrtis macropoda Miq.)。

用事がありますので、記事は時間指定でアップします。

2020年8月24日 (月)

ハグロソウとキツネノマゴ

萌の散歩道で、ハグロソウの花を見かけるようになりました。

小さな花ですが、薄暗い散歩道で意外と目につきます。蕾は、ちょっと大きめの苞葉に守られています(On mouse)。

一般的に見る花に比べて、とても変わった形をしています。花冠は2唇形、下唇は丸く大型で、上唇はやや細く先が反りかえっています。「オシベ2個、メシベ1個」とあります。一見、オシベが4個あるように見えますが、2個の花糸の先に各々2個の葯がついています。

キツネノマゴ科ハグロソウ属ハグロソウ(Peristrophe japonica (Thunb.) Bremek. var. subrotunda (Matsuda) Murata et Terao)。

ついでに、キツネノマゴ科の花をもう一つ掲載します。

こちらは更に小さな花をつける、キツネノマゴです。こちらも唇形の花です。ハグロソウに比べて、日照の良い場所で見かけます。

キツネノマゴ科キツネノマゴ属キツネノマゴ(Justicia procumbens L. var. procumbens)。

今日は用事がありますので、早朝の投稿となります。

2020年8月23日 (日)

ジュズダマ属

数年前に、田園地帯の畦道で、ジュズダマ属の果実を採って来ました。その実が発芽して、大株となり代を繋げています。

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山間の地に住む私は、この植物を一年草とばかり思っていました。冬に地上部は枯れますが、根茎は生き残り、春に芽を伸ばします。栄養繁殖と、新たな零れ種で群生しています。

数珠の玉のような部分が総苞(苞鞘)で、この中に雌性の小穂が入っているそうです。雄性の小穂は、総苞から伸びた柄の先に数個つきます。でも、中には総苞から伸びていない雄小穂だけのものもあります(On mouse)。

この白い髭のような部分は、メシベの柱頭になります。トウモロコシの毛と同じですね。柱頭が枯れて茶色くなった頃、黄色いオシベが姿を現します。

筒状のオシベは、鳴子のように風に揺られて花粉を散布します。

ジュズダマ属には、ジュズダマとその栽培変種とされるハトムギがあります。識別点として、ハトムギの総苞(苞鞘)が細長く、柔らかい事などが挙げられていますが、両方を比べて見た事の無い私には良く分かりません。イネ科ハンドブック(文一総合出版)によると、「ハトムギの総苞は、縦筋が見える」とあります。我が家に生えるジュズダマ属の総苞には、縦筋が無いのでハトムギではなくジュズダマだと思います。

2020年8月22日 (土)

ボウフウラン再び

1個目の開花からかなり遅れて、2番目の花が咲きました。

貴重な花なので、また撮ってみました。

両親であるフウランとボウランの特徴を、いろいろ垣間見る事が出来ます。唇弁の色や模様は、ボウラン譲りです。全体的な花形や花柄子房の長さは、フウランに近いと思います。距はフウランのように長くなく、ずっと短くなります。

一日一記事・・昨日は用事があって記事が書けませんでしたので、時間を遡ってアップします。

2020年8月21日 (金)

その後のサワトラノオ

腰水栽培と挿木以外のサワトラノオの様子を掲載します。実生発芽から、開花、結実まで成功しましたが、まだ確認したい事があり実験は継続しています。

7月31日に、栽培実験で得た種子と、昨年公園から採取した種子を、同じ用土、同じ容器に蒔きました。公園で採取した種子は、常温保存で1年以上経過しています。実験で得た種子は、約1週間で発芽が確認出来ました。公園で採取した種子は、少し発芽が遅れましたが、数個体は発芽が確認出来ました(On mouseで)。発芽率はかなり落ちるものの、1年が経過しても発芽能力を有する種子のある事が分かりました。

8月3日に、ガラス容器に赤玉土を敷き、水を注いだ容器に種子を蒔きました。当初は浮いていた種子も、時間の経過と共に大半が沈み、8月7日に発芽が確認出来ました。その後、水遣りで刺激を与えてしまったせいか、かなりな苗が浮いてしまいました。赤玉土の粒が大きいので、もっと根が成長しないと不安定なようです。土壌播種に比べて、発芽率は高く苗の成長も早いと思います。

こちらは、今年花を咲かせた茎の株元に姿を現した新芽です。新芽の出現時期には、個体差があります。地下茎を伴い、来年の開花に向けて成長を続けて行くと思います。この時期の新芽の管理が、大切だと思います。

実験で得られた個体は、やっと嫁入り先が決まりました。姑としては、10月~11月頃の嫁入り後も、時々様子見に行くつもりでおります。

夕方用事がありますので、記事は時間指定でアップします。

2020年8月20日 (木)

シンテッポウユリ?

放置状態だった果樹畑の剪定を始めていたところへ、呼び出しがあり下界へ降りました。短時間でも汗びっしょり・・。それにしても暑い!

ある施設の庭に、ユリの花が咲いていました。タカサゴユリかと思って近づきました。

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通常見るタカサゴユリは、このように花被片の外側に紫色の筋が入っています。

ユリ科ユリ属タカサゴユリ(Lilium formosanum Wallace)。

沢山咲いていましたが、どの花も花被片の外側に紫色の筋が見当たりません。また、この場所には、市内ではあまり見かけないハナヤスリ(シダ植物)の仲間も群生します。

これってテッポウユリ?でも、葉が細いから違うか・・。

Webで調べてみると、タカサゴユリはテッポウユリとの交雑種も多く、花には変異が出やすく純白の個体もあるとの事です。テッポウユリとの交雑種として、シンテッポウユリが記載されていましたが、これがそうなのだろうか?。

ユリ科ユリ属シンテッポウユリ(Lilium x formolongo Hort.)。

2020年8月19日 (水)

土通草

夢の見られる場所で、草刈りとある植物の植え付けを行いました。暑い上に、藪蚊が飛び回っていて参りました。

その帰りに、先生宅の庭に生えていた土通草の果実を頂き、依頼者に届けて来ました。

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「何だツチアケビか?」・・依頼者は、土通草(ドツウソウ)と呼んでいました。

長年、この果実を干して生薬として利用されて来たそうです。高齢になり、山野で探せなくなってから、漢方薬屋さんに頼んだ事もあったそうですが、それでも扱っていない事が多くて困っていたようです。

自身で試した事はありませんが、とても効能があると言っておられました。喜んでいただけて、届けた甲斐がありました。

2020年8月18日 (火)

ベニシュスラン

朝一、確認したい事があって、ベニシュスランの生育地へ行って来ました。その後、このところ放置状態だった再生畑①の草刈りをしました。本当に「危険な暑さ」です。年寄りはウロウロ出歩かない方が良い!と口の悪い家族に言われています。

花に目を奪われない時期の訪問も、いろいろな事に気がついて興味深いものです。主目的ではありませんでしたが、ベニシュスランを観察してみました。

個体の多くがスギの葉に隠れたこの林では、花期の方が見つけやすいと思います。「茎は匍匐して立ち上がり・・」とありますが、匍匐の範囲は思っていたよりもずっと短く、少し離れたものは個別株と思われます。

初めてこの場所を見付けた時に比べて、開花株が少なくなり、葉も矮小化しつつあるように思います。このようにスギの葉のマットに覆われたところの方が、生育が良いようです。

個体数の割に、結実率は低いと思います。果実をつけた個体は、数えるほどしかありません。マウスを乗せると、一茎で二果実に変わります。ここでは極めて稀です。

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この野生ランは根が殆ど無く、覆い被さったスギの葉を除けると、一緒に抜けて来る事があります。根は地中というよりスギの葉と表土との間に伸びている事が多いようです。

同じシュスラン属ですが、本家シュスランはこのように葉表に艶があり、中央の白い筋がはっきりしています。どちらも同じ菌根菌に依存しているそうですが、落葉広葉樹や針葉樹などの落ち葉に覆われている事が多く、それでも花を咲かせる事から、菌への依存度が高い植物だと思われます。

ラン科シュスラン属ベニシュスラン(Goodyera biflora (Lindl.) Hook.f.)。

2020年8月17日 (月)

猛暑の中の再生畑②その1

再生畑②の草刈りと草取り、水遣りなどをして来ました。雨続きも困るけど、たまには降ってもらいたい・・。

最初に植えたカボチャは、葉が枯れ始めたので小さいものまで収穫しました。こちらは、遅れて植えたカボチャです。無農薬なので、ウリハムシの被害が目につきます。

ヒョウタンのような形もいろいろ・・。白州の道の駅で買ってきたカボチャから採った種を蒔きました。

初めて植えたハナマメです。こちらも、白州道の駅で買って来ました。勢いの良い植物で、ササの柵が壊れそうです。こんな状態では、内側の花に送粉者が到達できないと思います。

果実が見当たらないと思ったら、少し生っていました。ナタマメのような幅広な鞘です。中のマメ(種子)はこれから大きくなるようです。マウスを乗せると、インゲンマメの2回目の果実に変わります。

師匠から頂いたホドイモです。沢山の花をつけましたが、果実が生っておりません。あの変わった花の送粉者は、訪れなかったのだろうか?今年は、地中の芋に期待です。

夕方用事があるので、早めの投稿です。

2020年8月16日 (日)

希少植物保護好適地

今日の暑さも半端ではありませんでした。午前中にお願いや打ち合わせなどがあって、富士山こどもの国へ行って来ました。打ち合わせでここを訪れたのは、本日が二度目です。

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初回は、地域で自生が確認された希少植物の苗の受け入れのお願いでした。その時、植栽エリアを見させてもらい、湿原、草原、広葉樹林、針葉樹林などが揃っている事を知りました。個人的に、地域で絶滅が危惧されていると思われる植物の多くを、この場所の標高に近いところで確認しています。

本日の打ち合わせのメインは、この湿地に移植予定の植物の事でした。前回訪問で、ここなら育つだろうと思い、現在準備をしています。また、数年前に田園地帯で出会ったある植物が移植されており、環境が合うようで結構繁殖していました。

地域では、少なくなってしまったススキヶ原や・・。

常緑・落葉広葉樹林もあり、針葉樹林もあります。保護したい希少種の駆け込み寺として、最適な場所だと思います。しかも、ここには植物達を見守るだけでなく、最適な環境を探るために様々な試みをしてくれている人がいます。

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そして、こんな図鑑のある事を知りました。中を見て驚きました。素人植物図鑑作成のために、隣の市まで撮影に出かけた希少種も掲載されています。正直、もっと普通に見られる植物ばかりが、掲載されていると思っていました。

自分の思いを実現させてくれそうな場所が、二つになりました。

2020年8月15日 (土)

ツチアケビ

一昨年、ある地方紙にツチアケビの記事を掲載しました。すると、その記事を見た方から、記者経由で場所を教えてほしいと連絡がありました。情報拡散防止の観点から、基本的には希少植物の位置情報は教えない事にしています。

拙い記事を読んでくださった事でもあり、話だけは聞いて私の考え方を伝え、丁寧に断ろうと思っていました。私より高齢の方で、ずっと昔から民間薬として毎年利用されて来たそうですが、諸事情があり、探しに行く事が出来ないので何とかならないかとの事でした。

毎年同じ場所に生えない事が多いので、確約は出来ないが運よく出会ったら・・という事で、見つかったら届ける事にしました。

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7月下旬の霧雨降る早朝、ある植物を探しに行く途中でこの株を見付けました。脇見運転していたのではありませんよ。長年こういうものを探し歩くと、反応が敏感になるのです。

蕾もありましたが、果実が色付き始めたものもありました。虫媒花でもあるそうですが、自動自家受粉をするため結実率は高いとありました。でも、何かの原因で落下する事も多いように思います。

これは以前撮った花ですが、ツチアケビはラン科植物です。良く見ると、洋ランのような綺麗な花をつけます。

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そして、本日早朝、萌の散歩を嫁さんに任せて、別の用事で行ったついでに覗いて見ると、かなり果実が大きくなっていました。中国名は、血紅肉果蘭・・ツチアケビは、ラン科植物としては稀な液果をつけます。中国名は、的を射たものが多いと思います。

探すとなかなか見つかりませんが、先日伺った先生宅の庭にも生えていました。そちらも予約済みです。

ラン科ツチアケビ属ツチアケビ(Cyrtosia septentrionalis (Rchb.f.) Garay)。

2020年8月14日 (金)

マヤラン

殆ど果実期に入っていましたが、数日前にマヤランを見て来ました。マヤランは、シュンラン属の菌従属栄養植物で葉がありません。地域によって花色や花期に違いがある不思議な植物です。

沢山の果実が確認出来ました。「地中の根茎が枝分かれして、一つの個体から数十の花茎を出す事も稀ではない」とあります。この場所には、驚くほど沢山生えていましたが、数年で消えてしまう事もあるようです。🄬

まだ花が少し残っていました。🄬

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時期遅れのせいか、元気がないけど蕾もありました。自動自家受粉するため果実は沢山ついていましたが、近くで確認したササバギンランの果実は、ランミモグリバエの食害を受けていました。マヤランの果実も食害を受けているかもしれません。

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こちらは、以前別の場所で撮りました。日本のランハンドブックに「全体に赤味の強い個体」、として掲載されている花よりも更に赤味が強く、稀な個体だと思います。

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地味な花の多い菌従属栄養植物の中では、観賞価値の高い花をつけます。綺麗だからと言って持ち帰っても、光合成をせずキノコから養分をもらって生きているため栽培は出来ません。出会っても、そっとしておいてあげましょう。

どちらの自生地でも、夏と秋に咲く個体があるようで、上の自生地では11月頃に花を見ました。

ラン科シュンラン属マヤラン(Cymbidium macrorhizon Lindl.)。

2020年8月13日 (木)

ボウフウラン開花

自分でハンドルを交換した仮払い機の試運転も兼ねて、再生畑の草刈りに行って来ました。今日も半端ではない暑さで、1時間くらい刈っただけで日陰に退避したくなりました。取った草を集めておくと、直ぐに萎れます。人間も萎れそう・・。

今日は望まぬ花と、待ち焦がれていた花を掲載します。望まぬ花から・・。

昨年、親戚から稲藁を貰って来ました。カボチャエリアに敷いたら、イネらしきものが発芽して来たので、農業用水栓の水が流れる溝に植えました。上手く育てば、陸稲の栽培にも挑戦してみようなんて夢を見ていました。ところが、稲穂ではなく写真のような花序が姿を現しました。これはイヌビエでしょうか?家族に話したら、笑われてしまいました。

次は、待ち焦がれていた花です。

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今年初めて見たボウラン(Luisia属)の花です。ちょっと変な臭いがします。

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こちらは、ヤマユリのような香りのするフウラン(Vanda属)です。

そして、これが待ち焦がれた花・・ボウランとフウランの属間交配種ボウフウラン(仮称)です。葉や花形などにも両者の特徴が入り混じっていて面白いです。師匠から頂かなければ、一生見る事はなかったでしょう。

接写用TG-4のコードが接触不良になり取り寄せ中なので、高倍率のコンデジで撮りました。別の株にも蕾がありますので、次にはTG-4で接写してみようと思います。

2020年8月12日 (水)

家に棲む生き物

今日は、幾つか用事があって下界に降りました。メインは、先日折れてしまった仮払い機のハンドルの受取です。スイッチの配線とアクセルワイヤーがあるので、交換が意外と面倒でした。素人農業でも、仮払い機と耕運機は必需品です。

今日の記事は、我が家を棲みかにしている生き物を二つ掲載します。

【ヤマアカガエル】

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左官のプラ舟ビオトープを設置してから数年間、ヤマアカガエルが卵を産んでいました。でも、最近卵を見かけなくなりました。中の植物が増えすぎたから、何処かへ行ってしまったのかと思っていました。

ビオトープの横には、4㎥くらいのコンクリートタンクがあって、数年前に入れたメダカやヌマエビが繁殖しています。時々、そこから蛙の鳴き声が聞こえて来ました。そして昨日、私の前に姿を現しました!これが卵を産んでいた蛙なのか、或いはその子孫なのかは分かりませんが、姿を見られて嬉しかったです。

【コガタスズメバチ】

家裏の庇下で、毎年このようなハチの巣を見ます。もう、十年近く続いていると思います。徳利の様な形ですが、調べてみるとトックリバチではなくコガタスズメバチの巣だそうです。

例年は、上のような巣でしたが、今年はそれから進化しています。別のハチに、巣を乗っ取られたのかと思っていました。どうも、徳利のような形は初期の巣で、数が増えると今回のような巣に増築して行くようです。

今迄、このハチに刺されるような事はなく、そのままにしておきました。でも、あまり大きくなると不気味です。嫁さんは、撤去しろと言っていますが・・。長年、家の敷地で見て来た生き物が、見られなくなるのは寂しいものです。

2020年8月11日 (火)

猛暑の中のキノコ

現役時代に、果樹や野菜を作っていた畑があります。ブログでは、「趣味の果樹・野菜畑」と呼んでいました。その後、チャノキやササが繁茂する畑2ヶ所の再生を行っていたため、放置状態が続き、果樹は手の付けられないような状態になってしまいました。野菜畑エリアは、草が繁茂するも時々耕運機をかけに行っています。本日も行って来ました。他にもやりたい事があったのですが、暑さと疲れで挫折してしまいました。

カエンタケを見に行って出会った、他のキノコを少し掲載します。

コナラ優先の林内では、立ち枯れた木に乾きもののキノコがびっしり生えています。

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ちょっと新鮮そうなキノコです。もしかしたら?なんて思ったけど、色が白っぽいから頭に浮かんだキノコとは違うかな?

車の通れない林道の中央に生えていました。これは、ハナサナギタケでしょうか?

こちらのキノコは、傘表は綺麗でしたが、スポンジ状の傘裏にはキノコバエが集っていました。

上の子実体の菌糸かと思って撮りました。PCに取り込んで拡大表示して見ると、右隅にヤツシロラン類の根状器官らしきものが写っていました。この近くには、クロヤツシロランが生育していますので、たぶんクロヤツシロランの根状器官と思われます。

クロヤツシロランの菌根菌は、クヌギタケ属やホウライタケ属の様々な種とあります。根状器官と菌糸の絡み合いの様子から、共生菌だと思われますが、子実体は上のウチワの様なキノコとは違うのかな?

2020年8月10日 (月)

猛暑の中のカエンタケ

本当に暑い!帽子を被っていても、長時間屋外にいるとふらついて来ます。家族に迷惑をかけるので、年寄りは無理をしない事ですね。

萌の散歩道で、またカエンタケを見付けました。今年は、彼方此方で見かけます。

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カシノナガキクイムシに食害されたコナラの根元を撮っていると、カエンタケが出ていました。

この木では、初めて見ました。🄬

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こちらは、以前掲載したコナラの根元です。炎のようなカエンタケの子実体は、褐色に変色していました。そして、新たに別の子実体が姿を現していました。

人の手が触れただけでも炎症を起こすそうです。カタツムリやナメクジなんかはどうなるだろう?マウスを乗せると変色してしなびた子実体に変わります。🄬

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知らなければ、触ってしまったかもしれません。クワガタやカブトムシを捕りに行って見かけても触らないように!

※解説文の末尾に🄬の表示された写真は、ロールオーバー効果を使っています。それ以外は、左クリックで元サイズの写真を表示します。サムネイル画像やOnmouseの画像がよりボケて見えるのはどうしてだろう?

本日、カウンターが、95万アクセスを越しました。このブログの更新停止予定まで、後5万アクセスです。年内ギリギリか、来年1月くらいだろうか?一日一記事・・もう少し頑張ろう!

2020年8月 9日 (日)

判明した植物

昨年、連結ポットに蒔いた種が発芽しましたが、植物名が分かりませんでした。

こんな果実でした。ジャノヒゲの種皮を剥いたような感じですが、ジャノヒゲを蒔いた記憶はありませんでした。

「あっ、単子葉植物だ!」でも、ジャノヒゲのような種子と結びつくものがありませんでした。ピンボケしてしまいましたが、マウスを乗せた状態になって初めて、この植物の正体が分かりました。

蒔いた種子は、前庭に植えてあるドイツスズランでした。赤橙色に熟した果皮の中に一番上のような種子が入っているとは思いませんでした。

全部で8個発芽しました。中にはこんな斑入り葉の個体も出現しました。固定した変異か分かりませんが・・。

ドイツスズランの花です。日本産のスズランと花形の違いもありますが、中を覗いてこのように花糸の基部に紫の模様があればドイツスズランです。ところで、県内に生育の確認された植物が掲載された資料を見ました。意外なところで、スズランの生育が確認されていたようです。隣県の山梨県や長野県では見かけますが、地域で見た事はありませんでした。もしかしたら、まだ生き残っているかもしれない・・。

キジカクシ科スズラン属ドイツスズラン(Convallaria majalis L. var. majalis)。旧分類体系では、ユリ科とされていました。

2020年8月 8日 (土)

ムカデランの花

ムカデランの花を撮ってみました。解説の末尾に🄬のある写真は、ロールオーバー効果を使っています。それ以外は、左クリックで元サイズ写真を表示します。

初めて見るムカデランの蕾です。距があります。🄬

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とても小さな花です。唇弁が複雑な形をしています。

少し上から見ると、唇弁の先端部が錨のような形をしています。黄色く染まっているのは、唇弁の側裂片です。🄬

小さな蟻がやって来ました。🄬

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匍匐する茎や葉よりも太い着生根が印象的です。強風でも飛ばされないように、樹皮の凹凸に入り込んでしっかり固定されています。

着生ランの根は、気根または着生根と呼ばれ、地中に伸びる通常の根には無い機能を幾つか持っています。

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こちらは、ある記事の原稿用に撮ったフウランの根です。中心部に根の本体があり、その周りを海綿状の組織が包んでいて、一番外側は白い皮のようなもので覆われています。

本体部分は、水分や養分を葉や茎に送り、海綿状の部分は水分や養分を蓄え、表面部分は外部からの水分を逃さず取り込み、乾燥や日差しによる水分の蒸発を抑制する役割をするそうです。着生ランの根は、凄いですね。

ラン科ムカデラン属ムカデラン(Pelatantheria scolopendrifolia (Makino) Aver.)。

2020年8月 7日 (金)

サワトラノオ水中発芽

農業用水栓のある再生畑②に、小さな湿地帯を作り始めました。実生栽培実験で得た植物の移住先の一つと考えています。

今日の記事は、「ムカデの花」を掲載するつもりでしたが、サワトラノオの実験で変化がありましたので、そちらを掲載します。

また、サワトラノオの種を蒔きました。一つは、実生栽培で得た種子で、もう一つは、昨年許可を受け公園で採取して常温保存した種子・・一年ものです。比較のために、出来るだけ同じ条件になるようにしています。

一年ものはまだ発芽しておりませんが、実験で得た種子は子葉が出ていました。播種から約一週間で発芽確認出来ました。昨年の実験結果と同じです。実生床に播種した種子は、半年くらい経ってもポツポツ発芽して来ました。保存した種子に発芽能力があったとしても、果皮が乾燥しているので発芽に時間はかかるだろうと思っています。

二年目の実験で、一番気になっているのがこちらです。水中発芽と生育実験です。種子が水中で発芽する事は、埼玉県の市の川小学校さんから情報を頂いていますが、自身でも確認したいと思っていました。

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水中の写真は撮り難いですが、角度を変えて撮ってみました。左クリックして元画像を見てください。発芽しています。この容器をセットしたのは、8月3日ですから、4日ほどで発芽した事になります。

実は、水中発芽は予期せぬところで確認済みです。

これは、当年茎の脇芽と発根の実験をしていた飲料水の容器です。小さな容器なので、水が腐りやすいから水替えをしようと、挿した茎を取り出したところ、容器の底に数個発芽していました。

一年目の実験で、沈水試験と花序だけ出るような腰水栽培を通して、水中で生育できることが分かりました。そして、プランター栽培に比べて植物体の寿命も長く、株元からの新芽も沢山出現する上に、その成長もずっと早い事が分かっています。後は、水中発芽した苗が順調に生育して、大部分を水に浸かったままで、開花に至る事を確認したいと思っています。

2020年8月 6日 (木)

カゲロウランその後

市内の墓参りに行って来ました。何ヶ所か回ると、墓石の場所が分からなくなってしまう事もあります。それにしても暑かった!

シカのたまり場になっていた林から、別の場所へ移植したカゲロウランの様子を見て来ました。

三株共無事でした。茎の増えているものもあります。

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昨年の花茎は、果実が熟し種子が飛散すると枯れて行きます。その脇から出現した新芽が当年茎となり、成長して花を咲かせる事が分かりました。残った基部と新芽は、時間の経過と共に矯正されて真っすぐになるようです。

日本のランハンドブック①によると、カゲロウランの生育場所として常緑広葉樹林の林床とありますが、このカゲロウランは、コナラ優先の落葉広葉樹林で見付けました。そして、県中部ではスギ林に生育していました。

こちらは、移植先に生育するベニシュスランです。大雨のせいで根茎が露出しています。匍匐茎によって栄養繁殖する事が分かります。

ベニシュスランの生育場所として常緑または落葉広葉樹林の林床とありまが、富士市内で個体数を多く見るのはスギ林です。双方に共通する生育場所として、スギ林を移植先に選びました。しかも、ベニシュスランの開花が望める林床を探しました(環境が適さないと、矮小化して花をつけない事がある)。発見場所で見た時より、葉色も良く順調に生育していると思います。

葉の写真ばかりなので、カゲロウランとベニシュスランの花を掲載します。

基本的に山野の希少植物を移植する事はありませんが、個体数が極めて少なくそれが危機的な状況だと判断した場合は、今回のように移植する事も視野に入れる必要があると思います。姿を消していく植物を憂えていただけでは、地域の希少植物は守れません。尚、同林内でキンランが盗掘された事もあり、地主さんの承諾は得てあります。

2020年8月 5日 (水)

キツネノカミソリとノウゼンカズラ

義母の検診日だったので、来客対応の留守番をして来ました。診察に時間がかかり、昼ご飯を食べたのは14時過ぎでした。高齢者にとって、長い待ち時間はかなり酷だと思います。

留守番の間、先生から頂いた「東海自然誌」「静岡県自然誌」などを読みました。論文形式や詳細な調査資料など、素人の私には難しい内容のものが多く掲載されています。でも、地域で生育が確認された意外な植物もあり、また当時よりも研究が進んで現在では解明されている事もいろいろあります。それらを含めて、先人たちの半端ではない努力をうかがい知る事の出来る貴重な資料だと思います。

初期の「東海自然誌」は、3号で打ち切りになったそうです。その残念な理由は、出資者の方の直筆メッセージで知りました。その後、ふじのくに地球環境史ミュージアム研究報告としてその名を継承し、現在も発行されています。

今日の記事は、橙色の花をつける植物です。

【キツネノカミソリ】

萌の散歩道や、再生畑②の入り口に、キツネノカミソリが咲き始めました。地域では、この花の次にヒガンバナが咲きます。

コンデジで接写しようと近づいたら、訪花昆虫がやって来ました。同じ花に何度も集っていましたが、ちゃんと蜜を吸っているのだろうか?

【ノウゼンカズラ】

父親が植えたものが、彼方此方に増えて樹木に貼り付いています。八重枝垂れ桜、クロガネモチなど・・。光を透かした方が綺麗ですね。沢山咲くと、掃除が大変です。

明日も、畑以外の用事があります。tenki.comを見ると、雨の様ですが・・。

2020年8月 4日 (火)

ボウランの花とボウフウランの蕾

今日も暑かった!雨続きで出来なかった草刈りや耕運作業をやっていますが、時々日陰に退避しないと、足元がふらついて来ます。

帰宅してみると、ボウランの花が咲いていました!

ボウランは、葉腋ではなく茎の途中に花をつけます。今春、毘沙門天大祭の植木市で買って来ました。初めて見る植物でした。

衣をまとった宇宙人のような花です。

萼片と側花弁が衣のようでしょ?ボウランは変な臭いがすると聞いていました。ちょっとネズミのおしっこの様な臭いがしました。

ところで・・。

師匠から頂いた「ボウフウラン(仮称)」にも、蕾がついていました。こちらはフウランと同じように葉腋から出ています。開花が楽しみです。

※ボウフウラン(仮称)は、ボウラン(Luisia属)とフウラン(Vanda属)の属間交配種です。師匠から頂かなければ、この植物を見る事はなかったと思います。感謝です。

2020年8月 3日 (月)

トサノクロムヨウラン

今日も暑かった!夢を見られる場所へ行った後、放置状態だった再生畑①に行って、草刈りをして来ました。野菜作りなどは、面積があり農業用水栓もある再生畑②に移行しています。他の二つの畑は草刈りと耕運機かけだけしていますが、野菜がないと足が遠のき、行く度唖然としています。

トサノクロムヨウランの全開の花を撮りたくて、先日の午前中に行って来ました。昨年までは、唇弁の紫色が分かる程度で、萼片や側花弁を指で広げてやりたいくらいでした。

沢山の蕾をつけていました。エンシュウムヨウランやウスキムヨウランのように、果実が上を向かず横を向くのも特徴の一つです。個体数はあるけど、咲いていない・・。曇っているからだろうか?

全開の花がありました!

一番上ほどではありませんが、こちらも開いていました。見る角度で、違った感じを受けます。

日本のランハンドブックには、「花の寿命は短く、午前中に開花して午後は閉じる。同時に開花するのは一つの花序あたり1~2個。」とあります。

唇弁を接写してみました。先端の紫色と蕊柱の薄紫色が、薄暗い林床に咲くこの花に、神秘的なイメージを与えてくれています。

ラン科ムヨウラン属トサノクロムヨウラン(Lecanorchis nigricans Honda var. patipetala Y.Sawa)。

2020年8月 2日 (日)

サワトラノオの栄養繁殖

今日も暑かった!昨日の沼川遊歩道に続き、今日は町内の道脇の草刈りをしました。流石に、二連続は疲れが蓄積します。

毎度、同じような写真ばかりで恐縮ですが、サワトラノオの栄養繁殖に目を向けてみました。

睡蓮鉢に沈めたサワトラノオは、果実が熟す頃から株元に新芽が出現しました。そしてその成長は、プランター植えのものに比べてずっと早い事が分かりました。また、当年茎や葉もまだ緑を保っています。当年茎の寿命も長くなります。

こちらは、プラコップに水を入れ、刈り取った当年茎を挿しました。7月26日と30日の様子です。

葉腋から次々と新芽が出現し、その付け根から発根をしています。その根は、どれも太い根です。諸先輩は、これを地下茎と捉えているようです。

茎の下端の様子です。良く見ると、葉腋だけでなく切り口からも根の出ているのが分かります。早いものでは、1週間ほどで発根しました。果実が熟し種子が播種される頃が、一番葉腋からの新芽が出やすく発根も盛んなように思います。

こちらは以前も掲載した写真です。当年茎は枯れ、その株元から伸びていた太い根の付け根から新芽が伸びています。殆どの株元から出現しますが、中には出そびれるものもあるようです。二年目の生育を望む場合、とても大切な時期であると言えます。ある程度成長してしまえば良いのですが、この時期の環境によっては姿を見る事が出来ないかもしれません。

もしかしたら、サワトラノオにとって一番良い生育環境は、当年茎の寿命が長く新芽の成長も早い、一番上の睡蓮鉢なのかもしれないと、少し思い始めています。次に考えている実験結果によっては、本当にそうかもしれない・・。

2020年8月 1日 (土)

ヤクシマヒメアリドオシラン

今日は、今年度二回目の沼川遊歩道の草刈りでした。今回はジヤトコさんも大勢参加してくれました。開始して一時間もすると、暑さでめまいがするくらいでした。私が、この事業へ参加し始めた頃は、NPOの役員と市民団体の10人前後で、場合によっては12時を過ぎる事もありました。ジヤトコさんが参加してくれるようになって、本当に良かったと思います。

不法投棄監視パトロールのついでに、調査したい植物がありました。とても小さな野生ラン・・ヤクシマヒメアリドオシランです。時間を見て、少しずつ生育エリアを調べています。

私がこの植物と初めて出会ったのは、もう6年ほど前の事になります。ある研究者から、斑入りのハクウンランを探してほしいと依頼され、冬のスギ林を幾度も探索して歩きました。ハクウンラン自体とても小さな植物の上に、地域の個体数は極限られています。冬に探すのは至難の業ですが、運よくそれらしき葉を見付けました。花期に花を撮ってブログに掲載し、「以前見たハクウンランと感じが違う」と書いたところ、ヤクシマヒメアリドオシランだと教えてもらいました。

最初に発見した場所を含めて、大きな生育地ではここが三番目の場所になります。どのくらい広範囲に生育しているか、現在調査中です。

萼片や側花弁は通常褐色ですが、白っぽいものや緑を帯びたものがあります。ただ、これは生育地にもより、稀だと思っています。

最初に見つけた生育地は、このようにまとまって生えているのを良く見かけました。ところが、別の場所ではハクウンランのように単体で見る事が多く、同じスギやヒノキの林で数えきれないほどの個体数を見る事が出来ても、各々生育の状況に違いがあります。

新たな生育地の証拠標本として、1本引き抜いてみました。根は、このように退化しています。ハクンランやアリドオシランなどと同じです。

比較のために、ハクウンランの花を掲載します。唇弁の裾の違いに注目です。

ラン科オオギミラン属ヤクシマヒメアリドオシラン(Odontochilus yakushimensis (Yamam.) T.Yukawa)。

ところで、属に関して気になる事があります。従来ハクウンランの仲間は、Vexillabium属とされていたそうですが、日本のランハンドブック①には、Kuhlhasseltia(ハクウンラン)属に含めるのが適当とあります。ところがYlistでは、ハクウンランもヤクシマヒメアリドオシランもOdontochilus(オオギミラン)属を標準としています。両者とも学名の末尾にT.Yukawaとありましたので、日本のランハンドブック②では、オオミギラン属として掲載されるものと思います。

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