サワトラノオ栄養繁殖
少し前に、実生栽培で得たサワトラノオの果実を採取して、乾燥させています。
「サクラソウ科の植物は、挿木で発根する」と書かれた、Webページがずっと気になっていました。それを裏付けるように、睡蓮鉢やプラ池に沈めたサワトラノオが葉腋などから発根して来ました。
【腰水栽培】
大雨により茎の曲がってしまった株を素焼き鉢に植えて、睡蓮鉢などに沈めました。5月下旬、ヒツジグサの葉に隠れたサワトラノオを見ると、茎から発根していました。
そして、7月上旬に見ると葉腋から伸びた多くの芽からも発根していました。発根を確認した時から、この状態を期待していました。やがて、当年茎は枯れ、葉腋から伸びた芽が新株として成長していくと思います。
以前の記事でも書きましたが、発根はヒツジグサの葉や他の植物体で覆われ、照度の低い部分で確認されました。低照度が発根の条件、または発根しやすいものと思われます。その事を踏まえて、新たな実験を開始しています。
【土壌栽培】
茎の基部や少し離れたところに芽が出ています。これらと、当年株との繋がりは、後日プランターから取り出して確認しますが、新株として冬を越し成長していくと思います。
私は、太い根と細い根という表現をして来ました。杉野孝雄先生の「静岡県産希少植物」には、横に這う地下茎があると書かれています。この太い方の根を地下茎と捉えているようです。同様に、実生栽培の先輩である埼玉市の川小学校でも、地下茎との表現がされています。
更に、レッドデータープランツ増補改訂版では、トウサワトラノオの解説として「秋には赤く紅葉し、晩秋に茎が倒れると、先端の葉の付け根から発根し、新株が育つ。茎の下部でも栄養繁殖し、ロゼットで冬を越す。」とあります。この事から、サワトラノオとトウサワトラノオは似た生態の植物であると思われます。
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