オトメアオイ
地域に生育が確認されているカンアオイ属で、似た葉を持つものにカンアオイ(カントウカンアオイ)とオトメアオイがあります。カンアオイの花期は秋から冬ですので、今頃花をつけるのはオトメアオイという事になります。ただ、花は来春まで残りますので、カンアオイの花期には、花形や花の新鮮さを確認する事になります。
カンアオイ属は、葉表の模様がいろいろあるのも難しいところです。この写真のものは、全てオトメアオイです。亀甲模様と下り藤模様は、別種のようでしょ?この写真だけ、左クリックで拡大します。
亀甲模様の葉を持つタイプに蕾がついていました。
個体数の多いのは、カンアオイと同じく下り藤模様の葉を持つタイプです。
こちらは葉柄が際立って長く、各々に花をつけていました。この場所のオトメアオイは、葉が少ない(1~2枚)のに花をつけているものが多く見受けられました。
開花と普通葉の展開を隔年で行う特徴があり、花が咲くと普通葉が出ないそうです。来年は葉が出て花が咲かない、という事になります。変わり者ですね。
同じ場所でも、まだ蕾の固いものもありました。個体毎に、かなりずれがあるようです。
ところで、地域に生育する植物図鑑としてカンアオイ属も作成を始めています。いろいろ調べていると、オトメアオイの変種でアシタカカンアオイ(var. intermedium)が静岡県植物誌に掲載されているとのWeb記事がありました。違いは、「萼筒が短筒形、萼裂片は扁三角形で開出し筒部の半長」とあります。
大場先生の植物分類表や米倉先生の日本維管束植物目録にも記載されておらず、前記の表現だけでは詳細が分からないので、今のところ確認のしようもありません。
ウマノスズクサ科カンアオイ属オトメアオイ(Asarum savatieri Franch. subsp. savatieri)。
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