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2020年3月11日 (水)

菩提寺で見たシダ植物

義父の墓掃除に行って来ました。嫁さんと二人で、みんなの分も線香をあげたので、20本くらいになりました。さぞ煙たかったと思います。

お墓のある菩提寺は、日蓮宗の古刹になります。この場所で、初めてシダ植物のハナヤスリに出会いました。その場所を確認しましたが、まだ地上に姿を現しておりませんでした。

ところが、その近くに・・。

一見、イワオモダカかと思いました。近づいて見ると、ヒトツバのようです。少し前に見た杉野孝雄先生の「静岡の植物図鑑 木本・シダ編」の解説が脳裏に浮かびました。「葉身の先端が金魚の尾のように切れ込むシシヒトツバ、捩じれるエボシヒトツバ、両側に突起が並んでつくハゴロモヒトツバなどがあり植栽される。」これは、エボシヒトツバのようです。

こちらにもありました。この辺りは、ハナヤスリを確認して幾度か見たはずなのに、今迄気付きませんでした。それにしても、二株とも見逃す事は無いと思うのですが・・。誰かが植えたのだろうか?

捩じれた葉と、胞子葉裏のソーラス(胞子嚢群)を接写してみました。

ウラボシ科ヒトツバ属エボシヒトツバ(Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw. 'Contorta')。

更に、少し離れた場所には、フイリヒトツバがありました。これも含めて、見逃す事は考えられませんので、やはり誰かが植えたのだと思います。この寺は、境内に遊歩道を整備してあり、植栽を見ても植物好きなお坊さんがいるようです。

ウラボシ科ヒトツバ属フイリヒトツバ(Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw. 'Variegata')。

こちらは斑入りのシダ植物です。今迄、幾度か出会った事があります。ハカタシダの斑入りタイプです。ハカタシダは、斑入り葉の個体が多く博多織に似ている事から名付けられたそうです。

オシダ科カナワラビ属ハカタシダ(Arachniodes simplicior (Makino) Ohwi)。

手元にある富士市植物仮目録の学名を、種子植物は旧分類体系からAPG分類体系に書き直しました。シダ植物に関しては、分類体系が定まっていないようで、専門家によってあまりにも違うので悩んでしまいました。いろいろ迷った末、系統関係に基づく分類体系であるSmith et al.2006に準拠している米倉先生と大場先生の分類表を参照して訂正しました。古くからシダ植物に見識のある先生方からは、記載した学名等に関してご指摘を受ける事があるかもしれません。

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