スギランの赤ちゃん?
スギランは、環境省RDB、静岡県共、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。そんな希少な植物を、栽培しているなんて記事を掲載すると、多くの方に眉を顰められると思います。
それには、下記のような経緯があります。
これは、2012年8月19日に富士山南麓で撮影したスギランです。垂れ下がっている枝の基部が枯れているように見えます。
着生していた樹木の下に、数本の枝が落ちていました。拾い上げて見ると、基部は枯れていました。
気になり、同年の12月1日に再訪してみました。垂れ下がった枝の枯れが進んでおり、この日も1本の枝が落ちていました。
観察のために、樹下に落ちていた枝を持ち帰りました。基部以外はまだ生きていたので、最初は水を入れた容器に挿しておきました。日が経つに連れ段々枯れて行き、ついには1本だけになってしまいました。
それをチョウチンゴケの鉢に挿しかえて、シュロの木の根元に置きました。すると、何時までも緑色を保っていたのです。一年経っても枯れず、少しずつではありますが伸びているようでした。挿木で活着したのです。
鉢に挿してから6年目の2018年11月、初めて胞子嚢がつきました。
そして、2020年2月、小さな苗が姿を現しました。この状態で確信は持てませんが、スギランの子ではないかと思っています。他にもないか周辺を確認して、苗の観察を続けて行くつもりです。
拾ってきたスギランの枝から、いろいろ学ぶ事が出来ました。シダ植物が挿木で活着する事、6年目に胞子嚢をつける事、そして、胞子発芽したかもしれない苗の発見など・・。
ヒカゲノカズラ科コスギラン属スギラン(Huperzia cryptomerina(Maxim.) Dixit)。
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