クモランには葉がある?
午後から、やっと晴れ間が見えて来ました。それにしても暖かい冬です。少し身体を動かすと、汗が出て来ます。
前の記事で、着生ランの根を取り上げてみました。その時、父親が残した針葉樹の寄せ植えに、着生しているクモランを撮りました。
同じ個体を、上下から撮ってみました。緑の果実が生っている方が下側です。クモランには葉が無く、とても短い茎と、葉緑素を持つ平打ち麺の様な根があり、その根で光合成を行っています。
こちらにも・・。初めて気づいた時には、この個体はありませんでした。比較的短期間に姿を現したと思います。
ところで・・。
これって、葉と根ではないでしょうか?
角度を変えて撮ってみました。通常の根と同じように見える右側部分と、左側部分では色も厚みも明らかに違っています。根が伸び始め、葉を展開した単子葉植物の姿に見えます。
別の枝にも、同じようなものが確認出来ました。
こちらはイヌマキの枝です。太い着生根は、富貴蘭です。根の部分はコケに隠れて見えませんが、葉と思われる部分が上と同じです。
似たような写真ばかりで恐縮ですが、気になるものをもう少し掲載します。
これは、富貴蘭の着生根の影から出ていたものです。接写ズームした質感が上記のものと一緒でしたから、クモランの赤ちゃんではないかと思います。
もう一つ気になるのは、葉のような部分が樹皮と接している所に、細かい根のようなものが見えています。
ある研究者の論文が手元にあります。それを見ると、次のような気になる事が書かれていました。「播種1ヶ月後、菌根菌摂取区の実生苗は、葉状体に発達した。葉状体には、仮根の発達が確認された。」
論文に掲載された写真は、培地発芽のとても小さな状態のものでした。でも、これは上記の葉のような部分と、そこから出ている細かい根の事を指すのではないでしょうか?生育したクモランに、この葉のような部分は見当たりませんので、根の成長と共に消滅すると思います。
クモランは、発芽して間もない内は、進化途中の姿に戻るのではないでしょうか?時間を遡って、元の姿を見てみたい!
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コメント
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キンキンさん、お早うございます。
お変わりありませんか?
山間の地なので、クモラン、カヤラン、ヨウラクランなどが庭木に着生しています。
神社で拾って来たムギランも、イヌマキに着生させたら増え続けています。
発芽から開花・結実まで観察すると、図鑑には書かれていないいろいろな事が学べて楽しいです。
今年の冬は暖かいですね。
秋に植えた野菜の成長が、例年よりずっと早いです。
3~4月頃、急に冷え込まないか心配です。
投稿: やまぶどう | 2020年2月 4日 (火) 05時08分
こんにちは、色んな野生ランの研究材料が傍にあって良いですね。
元来植物は根も葉もありますね。ヤツシロランなども発芽の
時は二枚の葉が先に出てくるが暫くすると退化しますね。根らしき
ものもちゃんと目視出来ますね(拡大で)。プロトコ-ムの下部の突起
が初期の根の働きをしていると思いますね。研究者は生育は何故か
やりませんね。まあ~一銭にもなりませんからね菌菌は。
最後迄やれば絶滅危惧種の種子も確保できるのにネ。
投稿: キンキン | 2020年2月 3日 (月) 19時31分