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2019年12月28日 (土)

2019年の思い出③(テンナンショウ属)

今年は、依頼を受けて花期のテンナンショウ属を追いかけました。この植物も、今まであまり興味を持って見て来ませんでしたので、名前が分かるのはスルガテンナンショウとウラシマソウくらいでした。調査の過程で、専門家の方から4種類の名前を教えてもらいました。

【スルガテンナンショウ】

我が家の周りで一番多く見られるのは、スルガテンナンショウです。付属体の先端部が、膨らんでいるのが特徴です。沢山の花を調べてみると、付属体の形に変異の多い事が分かりました。また、仏炎苞の合わせ目に左前と右前があります。雄花には訪花昆虫の脱出口がありますが、雌花にはもっと狭い水抜き穴があります。

【ホソバテンナンショウ】

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「コウライテンナンショウに似るが,仏炎苞開口部が耳たぶ状に張り出す点,及び付属体がより細くなる点において異なる。」仏炎苞には、白条が目立ちます。ところで、葉が細くないのにホソバ?

【ヒガンマムシグサ(ハウチワテンナンショウ)】

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「ヒガンマムシグサは、ミミガタテンナンショウに似るが,花色が淡く開口部があまり張り出さない。」ヒガンマムシグサには、幾つかのタイプが含まれているそうです。その中でも、ハウチワテンナンショウは、ミミガタテンナンショウにより似ている事から、広義のヒガンマムシグサのハウチワテンナンショウ型として捉えているそうです。

【ミクニテンナンショウ】

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「カントウマムシグサに似るが,付属体が短く,仏炎苞舷部に白条が目立たない。」ホソバテンナンショウと同じエリアに生えていました。ホソバテンナンショウよりも、仏炎苞の舷部(屋根の部分)が幅広で、内側に白い筋が入っていません。

【オオミネテンナンショウ】

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「仏炎苞は紫褐色に緑色を交え,緑白色の条が目立つ。舷部はやや短く,垂れ下がらない。」基本的に小葉の数が5枚ずつで、付属体に紫の斑が入っているのも特徴です。このマムシグサ属を追って、もう少し標高の高いところを探索してみました。そこでは、さらに個体数が多く、丈の短い個体が目につきました。一般的に、テンナンショウ属は雌株の方が草丈が大きいとされていますが、僅か20cmくらいの雌株も幾つか見られました。急斜面で、土壌栄養が不足しているせいだろうか?

【来年の楽しみ】

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不法投棄監視パトロールの時見付けた植物です。小葉が3個・・これって、ムサシアブミではないでしょうか?

テンナンショウ属の図鑑は高額なので、Webページ「日本のテンナンショウ」と、教えて頂いた専門家さんのコメントを引用させていただきました。個体毎の変異も多いようで、テンナンショウ属は難しい!スルガテンナンショウを除く4種のテンナンショウ属は、手元の「富士市植物仮目録」に未記載だったので追記しました。

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