ヤクシマヒメアリドオシラン斑入り葉
市内の山林に生えるヤクシマヒメアリドオシランの、花後の様子と斑入り葉を観察して来ました(混生地なので、掲載写真の中に、ハクウンランが混じっているかもしれません)。
ヤクシマヒメアリドオシランは、富士市近郊では7月末から8月上旬にかけて咲きます。ハクウンランに似た花ですが、唇弁の裾が斜めに切れ込んでいます。
果実が膨らんでいました。左は、アルビノに少し緑の残るような葉です。開花株で、通常葉でないものを初めて見ました。茎や萼片・花弁の色が果実にも引き継がれます。この色の違いも気になっています。
こちらが通常葉です。分岐した茎の多さから、ヤクシマヒメアリドオシランだと思います。スギの葉が覆い被さっていても、もやしのように白くならずにいます。
もやしのようなアルビノの個体もありました。茎まで白っぽいですね。そして、右が今回気になった葉です。中央付近に置いた通常葉と比べてみてください。もしかしたら、この葉は左のようなアルビノの葉が、時間の経過と共に緑を帯びて来たのでは?なんて思いながら観察しました。
上右と似たような葉の個体は、結構ありました。
上と違う、斑入り葉を集めてみました。
私が知る自生地の中で、斑入り葉の出現率が一番高いのは、今回調べた場所です。他でも見かけますが、稀だと思います。スギの葉が堆積して、湿気を帯びたような場所に多く見られます。
ヤクシマヒメアリドオシランは、光合成も行っている部分的菌従属栄養植物です。共生菌の状態が良く、依存度を上げられる場所では、斑入り葉の出現率が高くなるのかも知れません。
スギの葉のマットが厚いところでは、少し摘まんだだけで抜けてしまいます。根は退化して、こんな状態です。ヤクシマヒメアリドオシランは、スギやヒノキのマットの殆ど無い場所にも生えているのを見た事があります。もしかしたら、そこの個体はもっと根が発達しているかもしれません。右は、自生地のスギの葉に絡み付いていた菌子です。共生菌かは分かりませんが・・。
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