ハコネラン
楽しみにしていたトウモロコシの第一期分が、やられてしまいました😿。今年は、風任せではなく、丁寧に受粉の手助けもしました。結実率が良かったようで、花柄の近くまでしっかり食べてあり、昨年のように食べ残しがありませんでした。そろそろ収穫しようと思っていたところです。「バカヤロウ!」です。
ハコネランの様子を見に行ったら、咲いていました!この野生ランは、とても小さな上に薄暗い林床に生えますので、花の時期でないとなかなか見つかりません。
こちらは、スズタケの枯れ茎に寄り添って咲いていました。
こちらは少し離れた場所で・・。
初めてこの野生ランに出会ったのは、小雨降る林内でした。デジイチ+マクロレンズで撮りましたが、殆どピンボケでした。あれから、十年以上の歳月が経ちます。コンデジでこれくらい撮れれば、重たいデジイチは収納ケースでお留守番ですね。
蕊柱が、頭を下げているお坊さんみたいです。
ハコネランは、良く似たコイチヨウランと比較される事が多いので、花を並べて見ました。左がハコネラン、右がコイチヨウランです。ハコネランは、唇弁の両側の切れ込みが特徴として挙げられていますが、ご覧のように唇弁の色や斑紋の不明瞭な点も、コイチヨウランと違うところです。また、上から見た時の萼片や花弁が、ハコネランが緑系なのに対して、コイチヨウランはもう少し白っぽく(クリーム系に)見えます。
次は葉の比較です。左がハコネランで、右がコイチヨウランです。ハコネランの葉は、丸みを帯びたものや細長いもの、葉柄の長いものなど様々ですが、肉厚でイチヨウランの葉に似た感じです。コイチヨウランの葉は、もっと薄く縁が波打っています。
富士山南面では、ハコネランはブナ帯に生え、コイチヨウランは亜高山帯の針葉樹林などで見かけます。
以前から気になっていたのですが、ハコネランはスズタケの生えている所で良く見かけます。スズタケに共生する菌から養分をもらっているのではないでしょうか?富士山のブナ帯で見るスズタケは、枯れた茎が目立ちますが、株元を見ると小さな葉があって、地下茎は生きている事が分かります。昨年見付けた愛鷹山系のハコネランも、スズタケが生える大岩の上に生えていました。スズタケ(笹)→共生菌→ハコネランの三者共生ではないでしょうか?
それと、同じ個体を続けて見る事が少ないように思います。共生菌への依存度が高く、休眠するのか枯れてしまうのか分かりませんが・・。
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ayumu様、今晩は!
ホテイランが、無菌播種で増やせれば良いですね。
静岡県の目録で、富士山と南アルプスが記載されています。
八ヶ岳ではなく、富士山で出会えればと思い、考えられる場所を探索してみましたが、もうとっくに無くなってしまったのかも知れません。
ハコネランは毎年花が咲かないのか、全く同じ場所で見る事が殆どありません。
数年前に、沢山の個体を見た場所も、今では全然見る事が出来ません。
種子が手に入ったら、スズタケの自生地に蒔いてみようかと思います。
投稿: やまぶどう | 2019年7月17日 (水) 19時33分
ハコネランやコイチヨウラン、ホテイラン等々は
無菌培養でも不可の様ですね。記録が
全く無いですね。三者の部類になるのかね~。
探索環境に恵まれていれば現地で実生箱等で
直播き出来ないかとおもいますね~。
二者のクロなどはやってみれば簡単でしたが
年サイクルになるので待ちきれないですね。
投稿: ayumu | 2019年7月17日 (水) 09時11分