トリガタハンショウヅルとハンショウヅル
富士市植物仮目録に記載されているキンポウゲ科センニンソウ属の中で、蔓性で園芸品種のクレマチスに近い形の花をつけるものは、シロバナハンショウヅル、ハンショウヅル、トリガタハンショウヅル、ミヤマハンショウヅルがあります。オオミネテンナンショウの調査域を広げてみたところ、トリガタハンショウヅルに出会いました。
緑の中に緑白の花をつけるので上手く撮れませんでしたが、かなりの花数でした。今まで見て来たものでは、一番だと思います。
一番下の蔓を引き寄せ、コンデジで撮ってみました。開花が進むまで緑白色なのは、シロバナハンショウヅルと同じですね。
こちらは別のところで撮りました。蔓は、所々で見かけますが、開花株に出会うのは稀です。
もう少し標高の低い所では、ハンショウヅルの蕾を見付けました。今迄に、何ヶ所か見付けてありますが、こちらも開花株に出会うのは比較的稀です。
蕾ばかりだったので、以前撮った花を掲載します。
最近、平日に探索する事にしているため、怪しい軽トラックと出会う事が度々あります。カメラも持っていないし、山菜のある場所ではないし、まだキノコには早いし、駐車場では無いところに突っ込んでいるし・・。疑えばキリがありませんが、やるせない思いを幾度もして来たので・・。この日は、3ヶ所の希少植物(ラン科植物)の自生地確認をして来ました。1ヶ所は、数年前に開花株を根こそぎ採取されましたが、目残しされた子株が辛うじて残っていました。子株でも残っていて良かった・・。そして、2番目の場所は一株も姿を見る事が出来ませんでした。3番目の場所は、奥地なため何とか無事でした。無念な思いと安心感とが入り混じって、とても複雑な気持ちで林床を後にしました。
« 変形菌それともキノコ? | トップページ | ミヤマザクラ »
「植物観察」カテゴリの記事
- やまぶどうの徒然日記_2011年(2020.12.04)
- やまぶどうの徒然日記_2010年(2020.12.03)
- 不法投棄監視パトロールで出会った植物など(2020.12.02)
- カンアオイ属分布調査(オトメアオイ)(2020.12.01)
- テンナンショウ属の果実(2020.11.30)
春夏秋冬365さん、お早うございます。
山野で怪しい人を見かけ、声を変えた事が幾度かあります。
無言で立ち去る人もいれば、余計な事だとばかりに文句を言ってくる人もいます。
採って行く事が悪い事だと思っていない、手の付けられない輩がいる事も確かだと思います。
あまり五月蠅すぎるのもどうかと思いますが、もう少し行政が前向きに植物保護に動いても良いのではないかと思っています。
投稿: やまぶどう | 2019年6月16日 (日) 06時00分
>そんな事よりも、地主や森林管理者の承諾無くして採取する事自体、森林窃盗罪だと返しました。
全く仰せの通りで、「山野草の〇〇の愛好家」を標榜する、またその類に連なるHP、ブログなどの中には、採取はドロボーなんだという意識が全く欠落しつつ、平然と〇〇で採ったと、手柄話のように記述している輩がいます。
「山に生えていたから採っただけ」と言うなら、そう言う人の家に、「あんたの家に入ったら金があったから持ってきただけ」と平然と言うドロボーにどんな返答をするのでしょう。
投稿: 春夏秋冬365 | 2019年6月15日 (土) 23時47分
春夏秋冬365 さん、今日は。
こちらでも、スズムシソウが姿を消したところがあります。
芽出しが遅れているのかと思い、幾度も覗きに行きました。
見落としではないかとの淡い希望もありましたが、結局見付ける事は出来ませんでした。
以前、黄色い花のシュンランが連れ去られた記事を書いたところ、山野でシュンランの変異種を集めている人からコメントがありました。
「園芸採取ではなく、シカの食害なのに、最近は、無くなれば園芸採取と言われる。しかも、黄色の花ではなく日照が悪いために黄色くなっているが、やがて緑色に戻ってしまう。自分はそんなものには見向きもしない。」というような、かなり攻めのコメントでした。
私は何年か山野を歩いているので、シカの食害かどうかの判断はつくつもりです。
そんな事よりも、地主や森林管理者の承諾無くして採取する事自体、森林窃盗罪だと返しました。
富士山南麓で、希少植物が姿を消した場所を幾つも見て来ました。
機会があったので、行政関連部署に、パト隊の編成や腕章・ベストなどの着用を提案したのですが、暖簾に腕押しで失望しました。
そんな中で、微力でも抑止力になればと思い、この6月から静岡森林管理所と協力関係にあるNPOの活動に参加する事にしました。
地域の希少植物達が、無事生き残って子孫を増やしてくれると良いですね。
投稿: やまぶどう | 2019年6月15日 (土) 12時03分
トリガタハンショウヅルやシロバナハンショウヅルは、山を歩けば随所で見られそうに思うのですが実際はなかなか出会うことの少ない植物のように思っています。自然環境の変化で多くの植物が生きづらくなっているのだろうか?とは山歩きの度に思う事です。
3年前には6株あったスズムシソウ、去年、今年も葉一つ確認できませんでした。思い起こせばその年その日に白いレジ袋を手に持った親父がスズムシソウの方向へと歩く時にすれ違った事。今年も、「そこにあって欲しい」と訪ねましたが、願いは残念な結果で終わりました。
たしかに怪しそうな車や人を時折見かけますね。植物の絶滅危機は人類が起こしている事だと多くの人に知ってもらいたいと思います。山で採ったつもりでも「あんた、それは盗ったドロボーだよ!」 孫子に素敵な自然を残してあげようよ!そう、伝えたく思っています。
投稿: 春夏秋冬365 | 2019年6月15日 (土) 00時41分