富士市植物仮目録に未記載のテンナンショウ属
手元の富士市植物仮目録に記載されているサトイモ科テンナンショウ属は、マムシグサ、コウライテンナンショウ、ミミガタテンナンショウ、ユモトマムシグサ、ヒロハテンナンショウ、カントウマムシグサ(ムラサキマムシグサ、アオマムシグサ)、オオマムシグサ、ウラシマソウ、スルガテンナンショウ、ムサシアブミ(分布域になっているが、逸出品と思われる)があります。
下界では、もうほとんどの花が散ってしまったか、終盤を迎えています。今年は、わけあってテンナンショウ属の花を追い求めて来ました。そんな中で、少し標高の高いところで出会った二種のテンナンショウ属を教えて頂きました。
こちらは、ホソバテンナンショウだそうです。薄暗い林内に生えていました。
上と同じ個体です。「コウライテンナンショウに似るが、仏炎苞開口部が耳たぶ状に張り出す点、及び付属体がより細くなる点において異なる。」とあります。どうして、ホソバの名前が付けられたのでしょう?
こちらは、ハウチワテンナンショウ(広義のヒガンマムシグサ)だそうです。研究者によっては、ヨシナガマムシグサとハウチワテンナンショウを含めてヒガンマムシグサとする見解もあるそうです。現状では、Ylistも、ヒガンマムシグサ(別名ハウチワテンナンショウ,ヨシナガマムシグサ)となっています。
仏炎苞の口辺部(耳垂状の部分)が発達していて、よりミミガタテンナンショウに似ているのも特徴の一つだそうです。この場所には、仏炎苞や付属体が緑系の個体も混在していました。
同定のポイントとして、①花が先か、展葉が先か?②栄養繁殖を積極的にするか?の2点も確認する事を教えて頂きました。これを機会に、少しでも名前を覚えようとWeb図鑑などを見ましたが、似ているものが多く、また地域変異や個体変異も多いようで、私には難しすぎるとの結論に至りました。スルガテンナンショウのように、特徴ある付属体のものでも、多数の個体を観察してみると、その変異の多さを知る事になります。
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