樹木に半寄生する植物
久々に訪れた南麓の林内では、倒木が目立ちました。見覚えのある巨木の倒壊した姿を見るのは、とても悲しいものです。周囲を見回すと、ヤドリギが寄生していたので撮ってみました。
【ヤドリギ】
落葉広葉樹林では、葉が展開する前に行くとすぐに見つかりますが、比較的高所に寄生しているので、至近距離で見る事の少ない植物です。宿主のブナが倒れてしまったので、このヤドリギもやがて枯れてしまうでしょう。
小さな株も、幾つか見る事が出来ました。
付け根を接写してみました。まるで幹から枝が出ているようですね。「寄生根を幹の中に食い込ませ、樹木から水分と養分を吸収して生育する」とあります。自らの光合成産物もあるから、宿主にあまり負担をかけていないのかな?
芽の部分を見て、Gyaoで配信中の三蔵法師を思い浮かべました。
ビャクダン科ヤドリギ属ヤドリギ(標準:Viscum album L. subsp. coloratum Kom./狭義:f. lutescens (Makino) H.Hara)。雌雄異株で、雌株は一般的に白色~淡い黄色の果実をつけます。橙色の果実をつける品種をアカミヤドリギ(f. rubroaurantiacum (Makino) Ohwi)と呼び、富士山南麓ではどちらも見る事が出来ます。
ついでに、他地域で見た半寄生植物を掲載します。
【ヒノキバヤドリギ】
遠州森町で見た、ソヨゴの枝に寄生しているヒノキバヤドリギです。森町では何ヶ所かで見ましたが、手元にある富士市植物仮目録には、まだ記載されておりません。富士市内で見た事のある方は、教えてください。
付け根の部分が見えています。ヤドリギしか知りませんでしたから、当初は生育不良による奇形か病気だと思っていました。
サボテンのようですね。こちらは、ヤドリギと違い雌雄同株。果実は、まだ見た事がありません。
ヒノキバヤドリギ(Korthalsella japonica (Thunb.) Engl.)。ヤドリギと共に、旧体系では、ヤドリギ科とされていました。
【マツグミ】
こちらは、三保の東海大学海洋科学博物館の近くで、クロマツに寄生していたものです。トキワサンザシかピラカンサが着生しているものと思いましたが、PCに取り込んでみると感じが違う・・。図鑑を見てマツグミと知りました。雌雄同株。
幾つかのWeb記事に、「マツグミが寄生していると、松くい虫が寄生しない」と書かれていました。マメ科植物の根粒菌のように共生関係にあるのでしょうか?
オオバヤドリギ科マツグミ属マツグミ(Taxillus kaempferi (DC.) Danser)。
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