ツルニンジン属
今まで見た事のあるツルニンジン属は、ツルニンジン(ジイソブ)とバアソブの2種です。この他に、ツルニンジンの変種で葉が細く、葉裏に毛が密生するシブカワニンジンがありますが、こちらは博物館の標本でしか見た事がありません。
こちらは、裏庭植物園に生えるツルニンジンとバアソブです。山野から採取した株ではなく、種蒔きして発芽したものとその子供や孫たちです。ツルニンジンの種子は近くの林道沿いで、バアソブの種子はブログ友に送っていただいたものです。どちらも、鍋焼きうどんの容器に撒いたところ、無事発芽しました。バアソブは、絶滅危惧種に指定されていますが、栽培環境下では発芽率も良く一年目に花を咲かせました。
これは葉縁に毛が生えていますがツルニンジンで、成長すると毛が無くなると思います。
こちらは、バアソブです。苗や芽出しの頃は、このように毛が目立ちます。
こちらもバアソブです。バアソブの種子には、ツルニンジンのような翼が無く親株のすぐ近くに落ちます。うっかりすると踏みつけてしまいます。
葉裏にも毛が生えています。
上がバアソブで、下がツルニンジン(ジイソブ)の茎です。
こんな違いを見ていると、芽出しの時のヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤクを思い浮かべます。
数年前、貴重な3個のベニバナヤマシャクヤクの種を撒いたところ、翌々年の春、苗が姿を現しました。発芽してから3~4年は経つと思いますが、まだとても小さく、開花するまで無事でいてくれるか分かりません。ベニバナヤマシャクヤクは、一般的に葉裏に毛が生えていますが、毛のないケナシベニバナヤマシャクヤクも混生しています。でも、芽出しの頃はどれも毛が目立つように思います。
希少な植物は、園芸採取される事も多く、私の知るベニバナヤマシャクヤクの自生地でも、行く度、記憶に残る場所から姿を消しています。厳密に言えば、種子を採取する事もいけないと思いますが、この植物の事をもっと知りたくて、少しだけ採取させていただきました。
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