フキの雄花
少し前に、フキの花の記事を掲載しました。その時、雄株の接写を忘れたので、再観察してみました。
こちらが、雄株です。両性花の集合体です。メシベがありますが、結実はしません。
左が雄株で、右が雌株です。雌株には、外側に糸のような細いメシベを持った雌花多数と、中央に雄花に似た両性花を少しつけます。
左は雄株、右は雄株と雌株のメシベを並べて見ました。長い方が雄株のメシベです。
左が雄株、右が雌株です。雄株のメシベは、花冠からかなり突き出ています。
花冠を外してメシベを観察してみました。左が雄株、右が雌株です。似たようなメシベですが、その役割には下記のような違いがあるそうです。
私は、山渓の図鑑でこの花の解説を読んでいて、以前から疑問を持っていました。その疑問と、そうなっている理由を調べてみましたので、下記に記載します。
◇ 雄株につく両性花は、結実しないのになぜ立派なメシベ(柱頭)を持っているのか?
→合着した葯の中心からメシベが伸びる時に、柱頭に花粉をつけて送粉者に花粉を渡しやすくしているそうです。そのため、雌株よりも長いメシベを持っているのでしょう。メシベが花糸の役割をしているような感じですね。
◇ 雌株には、糸のような雌花を沢山つけるのに、両性花がつくのはなぜか?
→雌花は、蜜を分泌する事が出来ないため、蜜を分泌できる両性花をつけて、送粉者を誘うそうです。但し、この両性花は花粉が出来ません。
◇ 雌株の花は白く、雄株の花は黄色と書かれているが、それが正しいか?
→雌株は、雌花のメシベの基部(貧弱な花冠)が、上の写真のように赤紫色に変化するので、開花後時間が経つと全体的に赤紫に見える。雄株は、蕾の部分は黄色く見えるが、花冠が開くと裂片が白っぽく見える。白か黄色かと問われれば、両者に分ける事も出来ますが、見慣れないと分かり難いと思います(私が見た花の場合です)。
身近な植物も、子孫の多様性確保のために自家受粉を嫌ったり、送粉者を誘うための面白い工夫がなされていてとても興味深いですね。
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