実生のハルザキヤツシロランが咲いた!
ここ数日、気になっていました。今日は暖かだったので、「もしかしたら」と思い、覗いて見ると、ハルザキヤツシロランの花が咲いていました。これで、静岡県内に自生の確認されているヤツシロラン類は、全て実験容器で開花を確認する事が出来ました。
塊茎は、部材で覆ってしまいましたので、唯一露出している塊茎を掲載します。葉の上に乗っているため、菌糸不足であまり変化がありません。でも、良く見ると細い菌糸が見えています。
2月25日実験容器の中を覗くと、花径が伸びていました。この時点では、ハルザキヤツシロランなのか自信がありませんでした。
3月13日と3月16日の様子です。少し蕾が横を向き始めていました。右の様子を見て、ハルザキらしいと思いようになりました。
3月19日には、蕾が横を向いていました。花筒の長さや角ばった感じが、自生地で見たハルザキヤツシロランを思い出させてくれました。花柄子房の付け根に小さな蕾が見えていますが、これはこのまま枯れてしまうと思います。
同日、蕾の先端部に変化がありました。開花まで、何とか枯れずに持ってくれそうです。
そして、本日・・。
「あっ、咲いている!」自生地より、一月以上早い開花です。花茎が長いのは、暗闇栽培だからかな?
横顔です。自生地の花に比べて、色白です。実生栽培実験容器は、蓋をした上に寒冷紗で覆っていますので、クロヤツシロラン、アキザキヤツシロランも色白な感じでした。
オレンジ色の耳のような部分は、側花弁でしょうか?背萼片、側萼片とも合着して筒状になっています。
200×300程度の小さな実験容器ですので、デジイチは使えず、コンデジで撮るしかありません。ピント合わせが難しく、ピンボケになってしまいましたが、花の中のお坊さんを撮ってみました。
唇弁の先端が綺麗ですね。
デジタルズーム併用。
光学4倍+デジタル4倍=8倍です。蕊柱は、袈裟を纏ったお坊さんのようです。
2月25日に気付いた時は、とても細い花茎なので、開花には至らないだろうと思っていました。環境を変えたくなかったのですが、菌糸の活性化を考え、3月中旬にヒメヤツシロランの栽培容器と共に、パネルヒーターの入ったプラ製衣装ケースに移しました。
この花は、ヒメヤツシロランと同じく「偶然、運良く咲いた」という印象を持っています。赤玉土の上に、自生地の実生床を模して作りましたが、クロヤツシロランやアキザキヤツシロランの実生床のように、菌糸の繁殖が良くないと思っています(白い菌糸があまり見当たりません)。それが、今後の課題です。
最後に、実生栽培の手解きをしていただいた師匠、そして自生地を教えてくれた友人、その地を監視してくれている友人に感謝の言葉を送らせていただきます。有難うございました。
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ごんさん、お早うございます。
お陰様で、貴重な経験をさせて頂きました。
思えば、先生と知り合ったのも、クロヤツシロランの果実の写真がきっかけでした。
それが無かったら、植物観察に熱中する事も、師匠との出会いも無かったと思います。
元職時代は、通常の労働時間に匹敵するくらい時間外労働が続く時もありました。
そんな時、仕事と全然違う事(分野)に熱中する事が、唯一のストレス解消法でした。
でも、希少植物を追い求めて花の写真を撮って歩くだけでは、いつか満たされない時がやって来ます。
ヤツシロラン類の実生栽培実験を手ほどきして頂いたのは、私にとってとても良いタイミングで有り難い事でした。
腐生蘭に関して、まだまだ興味の尽きる事はありません。
投稿: やまぶどう | 2019年3月24日 (日) 05時06分
こんばんは 表題気持ち良く直ってますね。
山野ではこの顔は絶対に拝めないでしょうね。
しかも季節はずの開花です。実生栽培の
特権ですね。暗室で一年足らずで開花
するなんて他のラン科には絶対ないね。
世論逆転の技ですね。論より証拠が勝ち
ましたね。おめでとうございます。
ヤツシロラン三者開花成功ですからね、
全てのヤツシロラン類は手中にと云う事
でしょうか。
ラン科最速で開花するので研究材には
もってこいですね。腐生ラン同士の交雑
などももちろんできますね。大半は未だ
半信半疑で信じたくないでしょうね。
兎に角続けましょう腐生ランの研究を。
失礼しました。
投稿: ごん | 2019年3月23日 (土) 23時35分
ごんさん、お早うございます。
有難うございます。
アドバイスを頂き、タイトルを書き替えました。
実は、腐った花芽も掲載しようと思ったのですが、今回載せませんでした。
1本しか姿を現さないので、容器内を良く見ると、一つ見つかりました。
隅にあったので、菌糸不足で成長しきれなかったのだと思っていました。
あんなに大きな塊茎になる環境で、複数本同じ状態だとすると、別の原因があるようですね。
こちらでも、他の塊茎が無事育っているのか、部材の中を覗いてみたいところです。
投稿: やまぶどう | 2019年3月23日 (土) 04時44分
manさん、お早うございます。
有難うございます。
自生地のものよりか細く長い茎なので、頭でっかちな感じですが・・。
でも、クロやアキのように複数出て来ません。
また頑張ってみようと思っています。
投稿: やまぶどう | 2019年3月23日 (土) 04時20分
高尾好き(TZ) 様、お早うございます。
有難うございます。
2~3年後の開花を目標にしていたのですが、何とか咲いてくれました。
高尾好き様も、ヤツシロラン栽培頑張ってください。
投稿: やまぶどう | 2019年3月23日 (土) 04時15分
お~やったね!実生の第一号ハルザキヤツシロラン開花成功。これは世界で
最初ですから、「ハルが咲いた!」ではなく「実生のハルザキヤツシロランが咲いた!」
に表題をすぐに直して下さい。そうでないと安っぽく見られます。検索され易くしないとね。
誰もやらない事をやっているわけですから宜しくです。こちらは三、四本でている
のですが生長すると新芽が腐るを繰り返して上手く行きません。ご指導お願いし
ますです。
究極の腐生ランを実生から、しかも直播で咲かせることは究極の奥儀に達した証拠です。
難関の菌従属性ランが光合成のランを追い抜いた瞬間です。例の民間新紙にも是非
載せてください。先生も取り上げてほしいですね。これはニュ-スですから。
投稿: ごん | 2019年3月22日 (金) 23時08分
おめでとうございます。
素晴らしいです。
完全制覇ですね。
投稿: man | 2019年3月22日 (金) 22時22分
ハル開花、おめでとうございます!
試行錯誤が、実りましたね。。。
師匠も、喜んでいるでしょう・・・。
投稿: 高尾好き(TZ) | 2019年3月22日 (金) 19時48分